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問題点をROM制限や筋力低下に起因させる奴、どうかしてる

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

問題点の抽出

について話していきたいと思います。

プログラムを組むうえで非常に重要となる過程ですが

割とおろそかにしている人が多いイメージです。

そして臨床がうまい人は

この問題点の抽出がうまいです。

問題点を抽出する作業で

とんでもないやからがいます。

それは・・・・・



すべてを筋力低下、ROM制限に起因させる人です。

私から臨床を続けたり勉学に励んだりしている限り

こんなことにはならないと思うのですが

世の中にはこのような人がたくさんいます。

このことの何が問題なのか。

私の思うことを話していきたいと思いますので

よろしくお願いいたします。

それでは始めます。


①シンプルであれど、過程は複雑である

治療がシンプルであることは

活躍している臨床家の特徴です。

しかし

それは表面上のものであり

そこに至る臨床推論が優れていることを

忘れてはいけません。

問題点はさまざまにあるようで

実は一つのものに起因していたり

問題点と思っていたものがそうではなかったりします。

これを考えるには

ROM制限や筋力低下というような

現象の解釈が必要なんです。

一見シンプルなものには

複雑な過程を経て現象に至っているのです。

治療がシンプルなのは

問題点がシンプルなわけではありません。



②目の前の患者を本当に見ているのか

当たり前ではありますが

ストレッチと筋トレだけで患者さんは劇的には治りません。

この事実は

臨床を続けていれば理解できるはずです。

世の中には下肢のMMT4~5レベルなのに歩けない方や

下肢MMT3レベルで独歩の方もいらっしゃいます。

このような症例が存在している限り

ROMやMMTのみの評価で問題点を突き止めるのは

困難であるといえます。

というか無理です。


しかしこのような方がいらっしゃるのは

「治っていない」

という事実を受け止めていないように

感じます。

ルーティンワークで理学療法をする人もいますが

少なからずそれは

治っていると勘違いしているだけだと思います。

➂人間の適応を無視している

そしてこのような思考に陥っているかたは

人間の合理性を理解していないように思えます。

ヒトの身体のシステムは

非常によくできており

意識しなくても障害に対応して

姿勢・動作を作り出します。

ある意味、不良アライメントや異常動作は

存在しないといってもいいです。

全てに意味があるのです。

これはROM制限や筋力低下も例外ではありません。

例えば

変形性膝関節症のROM制限は

不安定になっている膝関節の固定性を高めている

と捉えられますし

骨盤後傾位の患者の殿筋群の筋力低下は

使わない筋肉(殿筋群)に栄養を渡すより

過剰に使っている筋肉(大腿四頭筋)に栄養を渡す方がいい

という判断といえます。

ヒトは「生き残る」ために変化する生き物です。

機能制限もメリットがあって変化しているのです。

それにアプローチをして

筋力強化やROM拡大を行うことは

身体を破壊している

に他なりません。


④問題点は外的要因がほとんど

前述したようなシステムがあることから

ヒトは自ら

自分の身体を悪くするようなことはしません

ではなぜ機能障害が起こるのかというと

それは外的環境によるものに起因することが多いです。

例えば

仙腸関節痛の患者の既往を追ってみると

ハムストリングの肉離れがあり

そこで滑走障害が起きたことで

大腿二頭筋長頭の筋力低下が起こり

仙結節靭帯の緊張が弱まり

仙腸関節の不安定性を惹起し

疼痛に至る。

つまりハムストの滑走障害が原因であり

これは外傷を起因とするものです。

外的環境のトラブルは身体にとっては緊急事態です。

これに対応した結果、機能障害に至ることが多いです。

ですから

問診は超絶重要です。

既往には載っていないけがやopeをしているときもありますから

ここには注意が必要です。




まとめ

問題点抽出は考え抜く熱意がなければできない



今回はこれで以上です。

このように偉そうに書いていますが

正直な話

私もできていません。

少なからず知識と経験が足りていません。

しかし活躍できる臨床家になるには

この問題点の抽出の正確性を

高めなければならないと思います。


ヒトを治すのは臨床技術ではなく、臨床推論である

これを肝に銘じて

自己研鑽していきたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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