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その筋トレって理学療法?

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回はリハビリのとある考え方に対して触れていこうと思います。

それは筋力低下がある筋に対して筋トレを実施することです。

これは私の職場でもほぼ全員が行っています。

たしかに筋力低下が起こっているのに筋に対して何もしないわけにはいかないとは思います。

しかしこの考え方は大きな落とし穴があるのです。

結論からいうと、この考え方は対処療法にしかなりません。

筋力低下の障害

筋力低下がなにを起こすのでしょうか。

筋肉は人にとって重要なエンジンであり、必要じゃない筋はありません。

これは人の体のよくできているところです。

ですから筋力低下はボディバランスを崩し、後に障害が起こることが予測できます。

例えば、中殿筋の筋力低下が起こるとトレンデレンブルグ徴候を呈します。

この歩行は大腿筋膜張筋に過大な負荷がかかり、腸脛靭帯炎に繋がります。

つまり筋力低下は重要な問題なわけです。

ではなぜこれが対処療法にしかならないのか。

なぜかというと筋力をあげたところで使えるわけではないからです。

使える筋肉と使えない筋肉


まるでボディビルのような話になりましたね。

私は実際に存在すると思います。

自分自身が筋トレしているので実感しているという理由もありますが、理学療法の現場でも十分に存在します。

筋力低下による跛行のはずなのに筋力を上げても治らない方は多数いらっしゃいますからね。

なぜ筋力低下が起こるのか


これはシンプルです。

脳がその筋肉がいらないと判断したからです。

脳ってホントによくできていて使わない機能を勝手に弱らせることができるわけです。

ですから筋力低下はある意味では進化ととらえることができます。

ではなぜ脳はその筋がいらないと判断したのか。

それは使わないからです。

至極当然の話でいらない筋肉なんてつける必要がない

ではなぜ使わないのか

それは歩き方などの動作に使わないような癖がついているから

ではなぜそのような動作になったのか

ここまできたらわかるのではないでしょうか。

そう、根本的な原因は

姿勢の乱れです


ですからアプローチするべきは姿勢の乱れを作り出した原因なんです。

変形性膝関節症の方を一例だします。

膝OAの方で多いのがハムや大殿筋の股関節伸展筋群の筋力低下です。

大腿四頭筋がよく着目されますが、私は大腿四頭筋の筋力低下よりも股関節伸展筋群の筋力低下が先に起きると思っています。

なぜ股関節伸展筋群の筋力低下が起こるのかというとそれは骨盤後傾位で歩いているからです。

大殿筋とハムストリングスは骨盤後傾位での荷重に機能しません。

どちらも骨盤後傾筋であり、短縮位で筋は働きにくいですからね。

つまり本当の原因はこの骨盤後傾位にした筋の筋力低下というわけです。

すなわち骨盤前傾筋の筋力低下が犯人だったわけですね。

このように筋の筋力低下はあくまで結果であり、本当の原因のつながりから起こっている現象なんです。

今後の課題

新卒の私が言うのは傲慢ではありますが、

近年の理学療法はこのような「ボディビル」的な考え方のセラピストが多すぎます。

フィットネス業界では使える筋肉と使えない筋肉論争が絶えずあるわけですが、これは理学療法業界でもっと触れられていい問題だと思います。

いや触れられないことがおかしいです。

フィットネスであろうが理学療法であろうが、根本は同じ運動指導士です。

なぜここまで認識に差ができたのかわたしにはわかりません。

わたしは理学療法士もトレーナーももっと交流を深めていくべきだと考えます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

最後は私の不満を吐露してしまいましたが、一人の医療関係者が戯言を言っている程度でとらえてください。

拙い文章でしたが、ありがとうございました。

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