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DailyINPUT|コンヴィヴィアリティのための道具

高橋広野です.本日はこちら.

本書を読むにあたって

現代社会は“便利”になりすぎた.そしてこれからは,より“便利”になる速度が加速していく.そんな時代をどう考えていくか.

1.二つの分水嶺

・現代医療の危機の本質は,健康管理が制度化である.
 → 医療技術の発展が第二の分水嶺を超えてしまった.

・教育・運輸・通信など,他のすべての産業主義的制度が共通してこの危機を抱えている.

 → これらは技術官僚的制度がもたらした弊害である.

2.自立共生的な再構築

・脱産業主義社会

・コンヴィヴィアルな社会は実現不可能なユートピアではなく,その実現のためには人間が使う道具の構造に問題がある.

1.本書はユートピアの記述ではない.コンヴィヴィアルな社会は実現可能であり,それは莫大な費用などなしに達成することができる.
2.本書がめざすのは社会工学的なマニュアルづくりではない.むしろコンヴィヴィアルな社会とは,大多数の人々がふつうに備えている推察の力によって形成されうる.
3.人々の性格構造ではなく,社会における道具の構造に焦点を合わせる.人間の性格を作り変えるのではなく,人間が使う道具に制限を課すべき.
4.コンヴィヴィアルな社会の実現のために特定の統治形態を選択する必要はない.共産主義が産業主義的でありうるのと同じように,国民国家間の協定がコンヴィヴィアルであることもできる.
5.道具に対する制限の実際の水準にまでは立ち入ることができない.本書は道具に対する抑制の必要があることを簡潔に明らかにするにとどまる.
6.本書はコンヴィヴィアルな社会における経済学を扱うものではない.コンヴィヴィアルな社会に適用可能な経済学は,政治的に設定された限界設定基準から出発する.

・コンヴィヴィアルな社会を可能にするために道具の効率性に対して,課される限界を明らかにする必要がある.人々がそれを使って生き生きと創造的な仕事をすることのできるような道具,人間をその道具に使われる奴隷にしてしまうような道具ではない道.そのような道具の構造の探求を目指す.

3.多元的な均衡

1.生物学的退化
2.根元的独占
3.計画化の過剰
4.分極化
5.廃用化
6.欲求不満

4.回復

1.第一の障害の除去 科学の非神話化
2.第二の障害の除去 言葉の再発見
3.第三の障害の除去 法的手続きの回復

5.政治における逆倒

コンヴィヴィアルな社会を政治的に選び取ろうとするならば,

1.今日の危機の本質についていっそう多くの人々が啓発されること.
2.質素でコンヴィヴィアルな生活を営む権利を要求する人々の集団に最大多数の人々を導き入れること.
3.受容可能な道具の発展の限界を発見し,制限された道具の活用の方法を学ぶこと.

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