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【自由詩】草むら

「草むら」

慌ただしく過ぎゆく人や
忙しなく流れる時間に
嫌気が差したときは
寝転んでごらん
今 そこにある 草むらに

天を仰げば 雲が見える
耳を澄ませば 風の声が聞こえる
鼻を効かせば 草花の香りがする
手を触れれば 大地の息吹を感じる
そして君は連れ戻される
母なる大地に

求めさえすれば
いつでもそこにある
逃げも隠れも しないのだから
なにゆえに君は
鉄の塊に閉じこもる?
いや それだけではない
その閉じられた檻の中で
なにゆえに君は
さらに小さな 端末世界に
心を捧げようとする?
大地が君を
呼んでいるというのに
呼んでも呼んでも
やってこない君のことを
ずっと待って
くれているのに

戻りたまえ 
君がふるさとに
脱ぎ捨てたまえ
虚ろな仮面を
一糸纏わぬ
純真なるこころもて
どこまでも広がり
風にたなびく草むらに
ただ無心で
寝転がりたまえ

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