【短編】君を繋ぎ止めるためならば ♯2000字のホラー
俺が彼女に会ったのは、自分が大学生の時だった。
俺と彼女は学部が違ったが、人数合わせで連れてこられたコンパで、同じように迷惑そうな様子を隠さず、会場の隅で飲み物を飲んでいる彼女に出会った。
色白で、綺麗に肩あたりで当てられた内巻きカールの髪。着ている服も女性らしいもので、色はパステルカラー。多分笑っていたらかなり人目を引いただろうに、その表情がその様相にそぐわなかった。
自分のように人数合わせで参加させられたのだろう。友達がいる様子もなく、一人でぼんやりと会場を眺めていた。