【連作短編】笑う男 吉川1
仕事で忙しい時、辛いと感じる時、自分は無理やりにでも、笑みを浮かべるようにしている。
いつも夜中に自宅に帰ることになっても。
休みの日に、自宅でパソコンの前で作業をしていることが増えても。
食事の大部分がコンビニ弁当となっても。
まぁ、無理やり笑みを浮かべようとしなくても、自然と笑えてはくるのだが。
この状況に。
笑みを浮かべていると、あいつは余裕があるんだなと思われるらしい。
一つの仕事が終わると、見計らったように違う仕事が降ってくる。
自分の手元には、常に数件の案件が並