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瀬戸輝一1stアルバム「Forest」

瀬戸輝一さんについて

瀬戸輝一(せと・てるかず) コンポーザーギタリスト
中学2年生の時に新堀にいぼりギターに入学。クラシックギターを始める。
専門学校卒業後、新堀ギターで講師を務める。
同時期、新堀ギターアンサンブルのメンバーとしてポーランド、アメリカ公演などに参加。
2008年に新堀ギターを退職しソロ活動を始める。
作曲・演奏活動と並行して、自宅にて瀬戸輝一ギター教室を開き指導を行っている。

1stアルバム「FOREST」全曲感想

① D

瀬戸さんの配信でよくリクエストされる曲の1つという印象。アップテンポで楽しいことの始まりを彷彿とさせる、ある種のファンファーレのように聞こえる︎。人気なのも納得である。さて、音楽で"D"といえば「レ」の音を指し、クラシックギターにおいては第4弦を押さえずに鳴らすと出る。楽譜を確認すると確かにニ長調であった。

② FOREST

タイトル曲が2曲目って珍しくない? そんなことはないか。さておき、曲から受けるFORESTのイメージは、よく手入れされ、木々の間隔が十分空いており、地面の隅々まで日の光が当たる。まるでバックインレイに使われた写真のような。こういう場所での演奏会、いいだろうな。

③ 古城

街や住居の作り方はその土地の気候やそこに住む人の文化、もちろん材料を調達する方法によっても大きく変わってくる。この曲は日本では味わえない風景にワクワクしているような印象だ。ご存知のように音楽も地域や時代によって全く異なる。もしかすると、今までに聞いてこなかった音楽から刺激を受けることがあるかもしれない。

④ Let's

とても軽快。新しいことを始めるとき、未知のものに挑戦するときは不安になるが、この曲を聞くと「大丈夫。案外なんとかなるよ」と背中を押してくれるような気持ちになる。だからといって無責任に突き放すのではなく、中間部では不安にも寄り添ってくれる優しさも兼ね備えている。

⑤ 爽

某アイスを連想させるタイトルだが、この曲の方が先にできたということを強調しておく。『爽(そう)』は音読みであるが、訓読みは「爽(さわ)やか」。メロディーは爽やかな風が吹き抜けるようだ。ちなみに、筆者はチョコミント味が好きだ。

⑥ そら

鎮魂歌ではあるが、どこか明るい。それはおそらく、そらを見上げて悲しみを乗り越えようという気持ちが込められているからではないだろうか。そういえば、瀬戸さんの曲には「空」に関連するものが多い気がする。続く『pray』や、『虹』、『飛んでけ紙ヒコーキ』、『青空』(以上、2ndアルバム「新しい扉」収録)、『夢見る風船』などだ。この感想を書いている2022年9月は台風や集中豪雨が全国各地で発生し、多くの被害が出た。視界が悪かったり道を塞がれたりしても、雲の上の空を思い浮かべたいものだ。

⑦ pray

最初に瀬戸さんのコメントを引用する。

震災当日の夜、東北最大の都市・仙台では停電で真っ暗に。しかし、そのおかげで星がとてもきれいに見えたそうです。
そのエピソードから、星の小さな光が少しづつ大きくなって復興につながるようにとの祈りを込めました。

楽譜ストアPiascore「pray」

CDの解説によると、この曲の前半は本アルバム唯一のマイナーキーであるとのこと。重さは感じないが、あの時の忘れかけていた恐怖・喪失感を思わせる。後半はオルゴールを連想させる音色から始まり、呼応して重なるようにメロディーが展開していく。素敵な曲だ。

⑧ ゆきっぷ

個人的に超超超超……思い入れのある曲である。瀬戸さんを知ったのは音声SNS"clubhouse"で(当時はほぼ)毎日お昼に遠隔セッションを行うパフォーマー集団CHST (clubhouse liveperformers street)だった。あるとき、役者・声優である石野竜三さんの語りがあるということで聞いてみた。そこで演奏されていたのがこの『ゆきっぷ』だったのだ。配信に入り浸るうちに様々なミュージシャンの方や、ジャズのスタンダードナンバー、さらにはアイリッシュ音楽まで知ることになった。その始まりと言っても過言ではない。

⑨ るりはこべ

1曲前の『ゆきっぷ』から一転、ゆったりとした曲調が心地よい。「るりはこべ」は植物の名前である。リンク先の画像を見ていただけるとわかるが、花びらは青く小さい、かわいい花である。ちなみに、瀬戸さんのオリジナル曲には植物の名前を冠するものがいくつかある。『かたくり』(2ndアルバム「新しい扉」収録)や『曼珠沙華』も素敵なので、機会があればぜひお聴きいただきたい。

⑩ マジカルコースター

ジェットコースターは遅い部分が肝だ。緩急で言えば緩。ここでいかに乗客を油断させ、次の急でドキドキさせるかがコースター設計の鍵となる。ここで演奏されるコースターのスピードはそれほど速くなく、小さい子どもでも楽しむことができるように思う。ああここで終わりかな、と思わせておいてまだ楽しめる構成がニクい。加えて、乗る(聴く)たびに違う景色を魅せてくれるところも素晴らしい。きっとこのコースターは『夜の遊園地』(2ndアルバム「新しい扉」収録)にあるのだろう。

⑪ 遥かなる想い

『マジカルコースター』がラストでも、もちろん良い。が、アルバムを作るにあたって作曲したこの曲によって、

アルバムがずいぶん締まった感じになったと思うのは自画自賛

CDの解説より

ではなく、筆者も同じ意見である。アルバムとしては最後の曲だが、新章あるいは第2シーズンスタートと言われても違和感がない。試しに『遥かなる想い』から『D』まで逆に聞いてみた。その変化は……ぜひご自身の耳で確かめていただきたい。

CDはコチラ

楽譜はコチラ

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瀬戸輝一さんTwitter(@terrys525)、2022年9月28日筆者撮影

追記

瀬戸さんのブログで取り上げていただきました!

こちらのブログは毎日更新です! すごいです!

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