膝枕外伝 実況!膝枕ダービー4

まえがき 

こちらは、脚本家・今井雅子先生の小説「膝枕」の2次創作です。お馬さん擬人化はアニメ入り(ほんの最近ゲームも始めました)、原作にわかなので間違っている箇所もあるかと思いますが許してください。先に言っておきますが、ハリボテエレジーは出ません

今井先生のエピローグ
それからの膝枕(twitterの画像をご覧ください)

下間都代子さんによる朗読

Noteに投稿されたスピンオフ
下記のマガジンをご覧ください。

Note以外に投稿されたスピンオフ
藤崎まりさん作
(stand.fm)今井雅子作・膝枕 アレンジバージョン

やがら純子さん作
落語台本「膝枕」

下間都代子さん作
ナレーターが見た膝枕〜運ぶ男編〜
(Youtube)大人の朗読リレー「膝枕は重なり合う」(朗読:下間都代子さん、景浦大輔さん)

kana kaede(楓)さん作
「単身赴任夫の膝枕」

賢太郎さん作
「膝枕ップ」

松本ちえさんも「からくり膝枕」をお書きになりました。
(限定公開のようでしたので紹介に留めます)

本編

実況!膝枕ダービー
膝本ひざもと記念、芝2500M〜

さあ、本日のメインレース膝本ひざもと記念の発走予定時刻を迎えようとしています、東京レース場です。天候は晴れ、膝場ひざば状態はりょうと出ております。実況は〇〇〔ご自身のお名前〕、解説は細江ヒサ子さんに来ていただきました。細江さん、よろしくお願いします。

解説 よろしくお願い致します。

早速、出走膝、6人の出走膝をゼッケン番号順にご紹介しましょう。

膝本記念(GⅡ)の出走表

1枠1番《ナイショノヒトリヒザ》、今回もサッと前に出ていく作戦でしょうか。
2枠2番《ネイキッドマインド》、いつかいつかと言い聞かせながら今日までたくさん走ってきた。
3枠3番3番人気の《ニシノカナタニ》、前々走で中山金膝きんひざ杯を勝っています。
4枠4番《ミツケントボール》、さすらい駅からの帰り道でしょうか。
5枠5番《イタミングローバル》、世界中から支持を集めるこの膝が1番人気です。
最後に、6枠6番《ヒサコグレイト》、押しの強いこの膝が2番人気です。

細江さんはどの膝に注目していますか。

解説 やはり1番人気の《イタミングローバル》ですね。大ベテランの風格が出ています。さすが、毎週土曜日の朝9時から約3時間、番組を持っているだけのことはありますね。もう16年ですか。すごいですね。

はい、本命は《イタミングローバル》ということで、対抗はどうでしょうか。

解説 そうですね、上位人気の膝はそれほど実力差がないので難しいところではありますが。1番《ナイショノヒトリヒザ》を挙げたいと思います。なにしろスピードがありますから、走っているのが見えないことがあるんですね。

どちらも関西膝ということですね。ありがとうございます。さて、コースの紹介に移りましょう。左回り芝コース2500メートルです。実況席は地図の下側、ゴール前にあります。スタート地点は向かって左側前方、坂の途中からとなります。坂を登り切った先、スタンド前を抜けまして第1コーナー、そこから第2コーナーは緩やかな下り坂。そして向正面むこうじょうめんの直線中ほどにより傾斜の大きい登り坂ですね。第3コーナーは下りながら曲がっていきまして、第4コーナー、そして最後の坂を登った先にゴールということになります。

▲東京レース場芝コース平面図。内側のダート・障害は省略。

もう間も無く、スターターがゲートインの旗を振るかというところです。

先に奇数番号の膝を納めまして、偶数番号に移ろうかというところです。ゲートイン順調に進んでおります。最後に6番《ヒサコグレイト》納まって、係員が離れました。

スタートしました。まずまずといったところ。さあ先行争いですが。1番《ナイショノヒトリヒザ》がハナを切っていきます。その後ろモモから膝差1つ離れて3番《ニシノカナタニ》、膝差2つほどいて5番《イタミングローバル》と内から6番《ヒサコグレイト》。2番《ネイキッドマインド》、しんがり4番《ミツケントボール》。続々とスタンド前を通過して第1コーナーに入っていきます。先頭変わらず1番《ナイショノヒトリヒザ》、すぐ後ろから3番《ニシノカナタニ》追走。差がなく5番《イタミングローバル》も上がってきた。内から6番《ヒサコグレイト》追いすがる。後方から2番《ネイキッドマインド》、4番《ミツケントボール》この2膝が追走。5番《イタミングローバル》、やや外目を回っている。縦長になって第2コーナー。2番の《ネイキッドマインド》が押し出されるようによん番手に進出。5番の《イタミングローバル》は下げて後方から二番手になりました。おのおの膝差1つ間隔で6膝長ひざちょうの間に各膝おさまっています。最後方さいこうほう、4番《ミツケントボール》。坂を登りつめてこれから下りにかかります。先頭1番の《ナイショノヒトリヒザ》、淡々としたペース。膝差1つで3番《ニシノカナタニ》、完全にマークの体勢になりました。第3コーナーを回ります。膝差1つ半離れて、残り1000メートルを切ったところで6番《ヒサコグレイト》、依然として三番手。四番手2番《ネイキッドマインド》、外から5番《イタミングローバル》並んでいきました。3、4コーナーの中間に向かいます。膝差2つ、最後方さいこうほうは4番《ミツケントボール》、ちょっとピッチが上がって800を切りました。1番《ナイショノヒトリヒザ》先頭、《ナイショノヒトリヒザ》先頭ですが、膝差半分に詰めて3番《ニシノカナタニ》あるいは膝差半分外から6番《ヒサコグレイト》。これを追って2番《ネイキッドマインド》、さらに外からは5番《イタミングローバル》差を詰めて、残り600を切りました。この5膝は一団いちだん。膝差3つ後方を内を狙って4番《ミツケントボール》が差を詰めて直線に向かいました。1番《ナイショノヒトリヒザ》直線で、まだ膝差半分のリードがありますが3番《ニシノカナタニ》を追い足に入って400切りました。6番《ヒサコグレイト》、5番《イタミングローバル》が迫ってくる。2番《ネイキッドマインド》そのうちの二番手ちょっと脱落加減。坂を登り切ってくる。さあ先頭粘る《ナイショノヒトリヒザ》粘る粘る。大外から《イタミングローバル》。真ん中から叩き出す3番《ニシノカナタニ》。《ニシノカナタニ》ちょっと動きが重いような。200を切って先頭は完全に5番《イタミングローバル》抜け出して膝差半分のリード。1番《ナイショノヒトリヒザ》粘る粘る、3番《ニシノカナタニ》も粘るが三番手ちょっと離れた。先頭は5番《イタミングローバル》ゴールインッ! 二着1番《ナイショノヒトリヒザ》、関西膝の一、二着。(少しの間)最後は5番《イタミングローバル》が見事に差し切りました。

(歓声)

着順は素直に上がってきました。一着5番《イタミングローバル》、二着1番《ナイショノヒトリヒザ》、三着3番《ニシノカナタニ》、四着6番《ヒサコグレイト》、五着2番《ネイキッドマインド》です。いやぁ、細江さん、5番の《イタミングローバル》が人気に応えて一着でした。

解説 すごかったですね。一瞬ヒヤッとする場面もありましたが、あそこで膝をためていたんですね。これから、もっともっと伸びてくると思いますよ。

そうですね。そして二着は1番《ナイショノヒトリヒザ》、こちらも細江さんの予想通りでした。

解説 この膝も第4コーナーまでは先頭でレースを作っていましたからね。二着という結果でしたけれども、バテている感じではありませんでしたので、これからも頑張ってほしいですね。

ありがとうございます。GⅡレース膝本ひざもと記念をお送りしております。あっ、確定しました。繰り返しになりますが着順からお伝えします。一着5番《イタミングローバル》、二着1番《ナイショノヒトリヒザ》、三着3番《ニシノカナタニ》、四着6番《ヒサコグレイト》、五着2番《ネイキッドマインド》です。着差は上から膝差1と4分の3、1と2分の1、膝差5、2つと2分の1という結果です。勝ちました《イタミングローバル》共々、この実況も長ーくよろしくお願いしたいところであります。ここまでの解説は細江ヒサ子さんでした。細江さん、ありがとうございました。

解説 ありがとうございました。

実況は〇〇〔ご自身のお名前〕でお送りしました。それではまたどこかのレースでお会いしましょう。ごきげんよう。

膝本記念(GⅡ)着順

あとがき

このレースは1992年2月23日に行われた第106回目黒記念(G2)(晴、良)がモデルになっています。(一着:ヤマニングローバル)

実況は後半しか動画がなかったので、前半はデータに基づくフィクションです。

ファンファーレ作曲:nakano sound様(https://www.nakano-sound.com/free/fn.html)

2022年6月1日 公開。藤本幸利さん(膝番号1)が膝開き! ありがとうございます!

2022年8月12日 金井将明さん(膝番号61)出走! ありがとうございます!

pdf原稿(文字のみ)

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