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ヌーラボのライティングチームがやっていること

こんにちは、株式会社ヌーラボのサービス開発部に所属している賀川(かがわ)です。ライティングチームで働いています。

賀川のプロフィールを記載した画像
賀川昂史(株式会社ヌーラボ サービス開発部)

IT業界において、近年はライティングの重要性がますます認識されるようになってきました。質の高いライティングは、ユーザーが製品やサービスを理解し、効率的に利用するために不可欠です。

しかし、具体的にどのような文章を書く必要があるのか、なぜライティング専門のチームが必要なのかといった点については、まだまだ浸透していないように思います。

今回は、ライティングチームを結成した理由と、実際に行っている活動についてご紹介します。


ライティングチームの活動内容

ヌーラボのライティングチームは、プロダクトの「コンテンツ」に関わる仕事をしています。
ここでいうコンテンツとは、プロダクトのUI文言やヘルプコンテンツなど、ユーザーの目的や行動に関係するテキストコンテンツのことです。

ユーザーの行動をサポートし、利用体験を向上させるためにさまざまな活動をしています。
以下に、具体的な業務内容をご紹介します。

  • サービスのUI文言の作成

  • ヘルプコンテンツの作成

  • リリースブログのレビュー

  • 製品サイトの文言レビュー

  • コンテンツガイドラインの運用

また、ヌーラボは現在Backlog、Cacoo、Typetalk、Nuab Passの4つのサービスを運用しており、ライティングチームはすべてのサービスのコンテンツの作成を担当しています。

ヌーラボのサービス紹介画像

コンテンツ作成には、日本語だけでなく英語のスキルも必要です。
ヌーラボのサービスは、日本チームが主導して開発しているサービスもあれば、海外チームが主導して開発しているサービスもあります。そのため、サービスによっては海外から依頼された文言をローカライズしたり、逆に日本語のローカライズを依頼することもあります。

なぜプロダクトライターが必要なのか

コンテンツ制作をプロダクトライターに任せることには多くのメリットがあります。

まず、コンテンツの質が上がります。例えばサービスを使用しているときに下記のような状況になったことはありませんか?

  • このボタン押して良いのかわからない

  • エラーメッセージが表示されたけど内容が理解できず、対応方法もわからない

  • このラベルの意味はなんなんだろう

お客様がこのような状況に遭遇しないように、さまざまなタッチポイントでスムーズな行動をサポートするためにライターが力を発揮します。ユーザーが直感的にプロダクトを使用できるか、極端に言えば、何も考えずにスムーズに使用してもらうためにコンテンツでお手伝いするのがプロダクトライターの役割です。わかりやすいコンテンツを提供することで、問い合わせを減らし、サポート業務の負担軽減も期待できます。

また、プロダクトライターがコンテンツ作成業務の全般を担うことで、各チームが本来の業務に集中できます。
プロダクトライターがいない場合、コンテンツ作成は開発チームやサポートチームが兼任で担当することになります。コンテンツ作成は専門的なスキルを必要とするため、兼任で行うには負担が大きい作業です。
コンテンツ作成の重要性は理解していても、どうしても本業が優先されるので、コンテンツ作成が後回しになったり、質にこだわらずに作成されることがよくあります。

プロダクトライターにコンテンツ制作を任せることで、開発やサポートチームの負担を減らし、それぞれのチームがやるべき作業に集中できます。

なぜライティングチームが必要なのか

実は、以前からヌーラボにはUXライターが存在していました。その時はたった1人で、すべてのライティング業務を担っていたのです。しかしながら、ヌーラボは複数のサービスを運用しています。また、UI文言やヘルプコンテンツなど、ライターが対応しなくてはいけない範囲は多岐にわたります。1人のライターですべてを完璧にこなすことは難しく、作業負荷も大きかったのです。
(詳細については、“UXライターがいる組織”にするためにやったことで紹介していますので、ぜひご覧ください)

そこで、ライティング業務の質と効率を向上させるために、チームで活動することに決定しました。
ライティングチームを結成することで、自分の作業に集中し、各メンバーの専門分野を活かしながらレビューや意見交換などで互いに協力し合うことができます。

各メンバーがコンテンツを作成し、チーム全体でレビューをします。チーム間でフィードバックをすることで、多角的な意見やアイデアを集められます。「こう書いた方がユーザーにとってわかりやすい」「開発としてはこの文言を使いたい」など、多様な視点で議論ができ、より良いアウトプットを作成できます。

チームレビューのサンプル画像

コンテンツの品質向上だけでなく、各メンバーが知見を共有しあいスキルアップできているのがチーム制の最大のメリットです。

ライティングチームが解決すべき課題とは?

サービスを快適かつ効果的に利用できるよう、いくつかの重要な課題に取り組んでいます。以下に、特に注力している3つの課題についてご紹介します。

コンテンツ作成をリードし、責任を持つ

ライティングチームの役割は、責任を持ってコンテンツ作成をリードし、サービスのUI文言やヘルプコンテンツにおける文言について定義や使用ルールを統一することです。
適切なUI文言は、UXを大きく向上させることができます。サービスを使用する際に迷わず直感的に操作できるような文言を作成するため、専任のライティングチームが集中的に取り組むことが重要です。

コンテンツ作成は担当者の好みやセンスではなく、明らかな根拠があり、プロセスに沿って行う必要があります。
コンテンツ作成をする際には、なぜこの文言を使用するのか、逆になぜこの文言じゃダメなのかなど、ライティングチーム内だけでなく関連チームのメンバーにも背景をしっかり説明しながら決定していきます。その結果、サービス全体の統一感と説得力を持ったコンテンツ管理ができるようになります。

コンテンツにより、ユーザーが自律的に利用できるよう促す

サービスを最大限に活用してもらうために、基本的な使用方法から活用ガイドまでを準備し、自律的に使用できるようなヘルプコンテンツを提供します。
単に機能の使い方を示すだけでなく、ユーザーがサービスを活用することで得られるメリットや、どんな行動をして欲しいかというところまで考えたコンテンツを作成します。

サービスの利用を通じて到達したいゴールは、ユーザーがサービスを自発的に活用し、業務の効率化や改善に役立ててもらうことです。
そのため、提供するコンテンツは具体的なシナリオやユースケースに基づかなくてはいけません。ユーザーが特定の機能を使用することで生じるメリットや、その活用法について解説します。
このようなアプローチにより、ユーザーはサービスをより効果的に活用し、業務の効率化や品質向上に貢献できます。また、その内容をコミュニティに還元してもらえるようなサイクルをつくり出していくこともライティングチームの将来的な目標の1つです。

「効率的かつ一貫性を保ったコンテンツ運用」をサポートをする

サービスとして、またチームとして一貫性を持たせるため、コンテンツ作成のためのガイドラインを構築します。
サービス内のUI文言やヘルプコンテンツに一貫性がないと、ユーザーが混乱し、サービスに対する学習のハードルが上がってしまいます。コンテンツに一貫性を保ち、同じ文言や表現を使うことで、ユーザーは新しい情報をスムーズに理解しやすくなり、ユーザー体験が向上します。

また、ガイドラインの構築は、社内メンバーにとってもメリットがあります。コンテンツ作成者は、ガイドラインを確認することで作業効率が向上します。スキルが属人化することなく、すべてのコンテンツが一貫したトーンとスタイルで作成できます。

品質を維持しながらも、運用効率を高めるためのサポートをするのもライティングチームの役割です。

他チームとの連携

良いコンテンツを作成するためには、ライティングチーム単体で動くのではなく、他チームとの連携が欠かせません。

新規機能リリース時のコンテンツ作成

新機能がリリースされる際には、開発チームと連携してユーザーがその機能をスムーズに理解し、使用できるようにするためにUI文言の作成とヘルプコンテンツの作成をしています。

例えば先日リリースしたユーザープロビジョニング機能の場合、開発チームとサポートチームと連携し、UI文言とヘルプコンテンツを作成しました。
開発チームからは仕様の確認と、開発環境を確認し、実際の動きをレクチャーしてもらい、ドラフトをまとめていきます。ドラフト作成後はサポートチームにレビューを依頼し、お客様がつまずきそうなポイントを指摘してもらい、ゴールに最短かつ丁寧に導けているかを確認しました。

それぞれのチームが納得するまで修正作業を繰り返し、コンテンツの公開に至ります。

問い合わせからコンテンツを改善

ユーザーからのフィードバックをもとに、サービスの使いやすさを向上させるために活動をしています。サポートチームと連携し、ユーザーからのお問い合わせをもとに既存のヘルプコンテンツを見直し改善します。

問い合わせが来るということは、UIだけでは使用方法を理解できず、かつヘルプコンテンツを読んでも解決できなかった可能性が高いです。実際のお問い合わせ内容を確認しながら、ユーザーが求めていることを理解し、コンテンツを改善しています。

そのほかにやっていること

ライティングチームは、ライティングやUIデザイン、UXデザインについて得たナレッジを広く公開することを善としており、学んだことはどんどんアウトプットする機会を作っています。

最近は社内メンバー全体でライティングスキルアップを目指せるよう、社内で勉強会を開催しています。現在は「エンジニアのためのドキュメントライティング」の読書会を開いています。読書会にはライティングチームだけではなく、開発やサポートチームのメンバーも参加しています。
本を通じてライティングチームのやりたいことや目指していることを伝えたり、サポートチームの困りごとを確認できたりと、それぞれの立場からの意見が聞ける交流の場になります。
また、読書会を開くことでそれぞれの知識が深まり、「この施策ヌーラボでもできそうじゃない?「この活動はヌーラボでやったことがないのでやってみると良いかも」のような議論からネクストアクションが生まれたりと、良い会になっています。

ヌーラボで働きませんか?

ここまで読んでヌーラボに興味を持った方、ぜひ一緒に働きませんか?
開発チームをはじめ多くのポジションで絶賛募集中です。現在ライティングチームの募集はしていないのですが、どのポジションでもライティングチームと協業できるシーンは多いので、ぜひ一緒により良いプロダクト作りをしましょう!
ひとまず話を聞いてみたい、という方にはカジュアル面談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。


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