マネタリーベースを増やせば、景気は回復するか?2 結論編

まず、インフレーションとは、マネーサプライの上昇、これはいわば市中に出回っているお金の量が増加(膨張)していくことを意味しています。

そして、景気が良いということは、経済活動の勢いが良いということです。

ものがよく売れて企業の利益が上がり、個人の所得が増えるよい状態を好景気とか好況といいます。

世の中の金まわりがよく、経済活動が活発な状態です。

逆に、モノの売れ行きが悪く企業の利益が減少し、個人の所得が減る悪い状態を不景気とか不況といいます。

世の中の金まわりが悪く、経済活動が不活発な状態です。

マネタリーベースが増えると、景気が良くなるかということを検証しようということです。


『アメリカの例』
アメリカのマネタリーベースは、リーマンショックから急激に上がっている。

2008年の10月(リーマンショック時)から2ヶ月で、2.2倍になっている。

2012年4月には、リーマンショック時を100とすると、320になっている。

しかし、マネーサプライは、リーマンショック時を100とすると120ぐらい、

企業の設備投資の指標である商業銀行のローン・リース残高は、90で、リーマンショック時より低くなっている。

金利は、日本と同じでゼロ金利状態です。

はっきりいうと不況です。


『EUの例』
マネタリーベースは、リーマンショック時を100とすると、

2012年3月で180になっている。

マネーサプライも同じくリーマンショック時を100とすると、

2012年3月で105ぐらいで、

ユーロ圏向け民間信用という指標があるのですが、これも、105ぐらい。

設備投資は、されていなく、いわゆるギリシャ危機で知ってのとおりで不況です。

金利は、2%です。


『イギリスの例』
マネタリーベースをリーマンショック時を100とすると、

2012年1月頃には、340。

マネーサプライもリーマンショック時を100とすると、

2012年1月頃は、100と変わらず、

設備投資の指標でもある銀行貸出は、88ぐらい。

逆に下がっている。

ダブルディップと言われる不況中である。

株価が下がって、下がって、また、下がる危険がある。

イングランド銀行総裁のマーヴェン・キングをちよっと紹介する。

この人の金融政策は、「退屈な金融政策を志す」と繰り返し表明していることが有名です。

これはイングランド銀行が採用しているインフレターゲットの設定達成に絶えず注視するということで、

かつてのバーナンキと一緒で、インフレターゲッターで、日本銀行の金融政策をばかにし、

「決して、日本の同じ轍を踏まない。」

と言って、日本を批判していたが、

マネタリーベース、イギリスは、準備預金と現金のことですが、

リーマンショック時の3.4倍にマネーの供給を増やしているにもかかわらず、下手すれば、マイナス成長になりかねない勢いです。

見事に、日本と同じ轍を踏んでます。

金利は、1%。

なんだかなーです。


『日本の例』
ここで、日本の例です。

日本は、バブルの最高潮の頃の90年1月頃のマネタリーベースを100とすると、

2012年の始めは頃は、約350です。

3.5倍です。

マネーサプライは約170、

設備投資等の指標である国内銀行貸出金は、約120です。

ほぼ、22年前と同じです。

失われた20年と言われる所以(ゆえん)です。

日本銀行は、きちんと量的緩和をやっていたのです。

日銀の白川総裁は、こうも言ってます。

「マネタリーベースの増やし方は(日本は)先進国で最大で、これだけ金融緩和をしても経済が成長していかないことの方が問題」

と指摘しています。

消費者物価指数も、前年比マイナスが多く、いわゆるデフレです。

マネタリーベースを3.5倍に増やしても、デフレ状態です。

新しい不況だと思いますね。


結論!!

マネタリーベースを増やせば、景気が回復するか?

「景気は、回復しない。ほんの少し影響があるかな程度。」

です。


今までは、マネタリーベースを増やせば、景気が回復し、インフレになり、設備投資が活発にもなり、お金が世の中を回り、所得も増えましたが、そうなってません。

解決法は、過去記事の当noteにも、意見を書きましたが、考え方も、経済状況も変わっているので、最適な方法かは、はっきり分からないところです。

どこかの党が言うように、インフレターゲットを示して、

マネタリーベースを増やしても、イングランド銀行総裁のマーヴェン・キングのように同じ轍を踏むでしょう。

新しい解決法を考えねばならないでしょう。

金利も、日本に右ならえ状態です。

なんとかしなければなりません。

私は、リフレ派とリチャード・クー氏の金融政策と財政出動を同時に実施すれば、解決すると思います。

それも、世界同時にG20に呼び掛ける方法が良いでしょう。

考察どうでしたか?

最後に一言あるとすれば、やはり、心の問題だと思います。

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