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「ハーベストの丘」は動物園じゃなく農業公園ー堺市立農業公園(加工体験施設)ー

ネットで「関西の動物園」を検索すると、「ハーベストの丘」の情報が出てくることも多い。確かにヤギ、ヒツジ(=私はヒツジがこわい)、カピバラ、馬をはじめとする動物が飼育されてはいるものの、位置づけとしては「農業公園」である。

指定管理者は「株式会社 堺ファーム」

【お願い】「経営の話はいいから、園内の様子を知りたい」という人は、次の見出しまで飛んでください。

ハーベストの丘公式サイトや、堺市が公表している指定管理者評価表によると、堺市立農業公園(加工体験施設)の指定管理者は株式会社堺ファームである。

(株)堺ファームの親会社である株式会社ファーム(本社:愛媛県)は、全国各地で「農業公園、ファームパーク」の運営を行ってきた会社である。同社の運営する農業公園は、現在も運営されている施設もあるが、閉園した施設も残念ながら多い。

「ハーベストの丘」の現状を見てみよう。

指定管理者評価表によると、利用者数の推移は次の通りだ。

平成27年度 462,791人
平成28年度 401,975人
平成29年度 380,033人
平成30年度 370,727人

減ってますがな。。。

しかし、明るい兆しもある。それは利用者満足度の推移だ。

平成27年度 76%
平成28年度 88%
平成29年度 92%
平成30年度 92%

確かに平成27年と28年の利用者数の差は60,816人もあるが、28年と29年の差は21,942人、29年と30年の差は9,306人と、利用者数の下落幅が抑えられているのだ。

というわけで、冬季の花が少ない時期に、ハーベストの丘を訪ねてみた。この時期に人が訪れているのか、それともガラガラなのかも、現状を測る目安になると考えたためだ。

泉北高速鉄道「泉ヶ丘駅」から直通バスに乗る

目指すべきは6番のりば。冬季ダイヤなので注意しよう。

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20分ほどバスに乗れば、もう目的地である。

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後にも紹介するが、撮影ポイントが何か所か設けられているので、記念撮影をいっぱいしよう。

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入口のゲートをくぐったところ

緩やかながら上り坂になっている。株式会社ファームの方針として「できるだけ元の地形や自然のあり方を変えずに、農業公園を作っていく」ことがあるらしい。この公園も上り坂、下り坂が多いのは事実だ。若者にはいいが、お孫さんをつれたお年寄りには、意外に大変な場所かもしれない。

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記念撮影ができる場所が用意されている。花の少ない季節だが、それでもきちんと飾り付けている施設側の努力が偲ばれる。

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公式サイトによると「アイスチューリップ」という、球根を冷蔵貯蔵して、通常より早く開花させるチューリップだそうだ。

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まずは動物たちがいる「村のエリア」を目指す

ハーベストの丘への入り口は「街のエリア」にある。吊り橋を渡って「村のエリア」へ行くと、ヒツジやヤギ、馬などの動物とふれあえる広場がある。

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吊り橋の揺れを抑えるための「水槽ダンパー」が取り付けられている。

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吊り橋を渡りきると、右手には白鳥型のボートに乗れる池が見える。

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やっぱりヒツジが怖い「動物ふれあい広場」

動物ふれあい広場の入り口近くにはウサギがいる。ナデナデできる時間もあるらしい。

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牛が草を食べていた。

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ハーベストの丘でヒツジやヤギに餌をやるときは、スコップでやることになっている。「これなら私もできるかも!」と思ったけれど、子どもたちが楽しそうにしていたので、邪魔するのも悪いと思い今日はあきらめる(逃げたわけではない)。

餌を狙うヤギたちの勢いがすごい。

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ヒツジの檻の一部には「餌やり禁止エリア」が設けられていた。なぜだろう?

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動物ふれあい広場から見えるところに、馬たちが休んでいる厩舎があった。乗馬体験で担当の時間が終わった馬が休んでいるようだ。

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私は乗らなかったが乗馬体験もできる

乗馬体験のエリアには、子どもしか乗れないポニーと、大人や親子でも乗れる大きい馬がいる。

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乗馬エリアの奥にもヤギがいた。お年寄りなのかな?

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カピバラハウスも行ったが、中に入れる時間が終わっていたので外観だけ。

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花畑では菜の花が満開

2月という花が少ない季節。その中でも、きちんと手入れがされた菜の花畑はすごくきれいだった。これまでにも紹介したが、写真撮影ができる場所には、チューリップや三色すみれなどが植えられていて、入園者を喜ばせようとする気配りが感じられた。

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昼ごはんは「キッチンハウス」で

お腹が空いたので、昼ごはんにする。「キッチンハウス」というレストランでゆずコショウが利いたラーメンをいただく。

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レストラン内は広くて、椅子や机がちゃんと清潔に保たれている。屋外にある施設も、ペンキが剥げているとか、さびた金属がそのままになっているということはない。こういう手入れの行き届いたところが、満足感の向上につながっているのではないかなと思った。

シルバニアファミリーのエリアができるらしい

現在は工事中だが、近くシルバニアファミリーのエリアができるらしい。花壇にもいた。

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帰宅の途に

吊り橋を渡って帰宅の途につく。

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農産物直販所「またきて菜」では地元の方が作った野菜を購入することができる。

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帰りに買った切符。番号が「3333」のゾロ目だった。

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利用者として事前準備したほうがいいこと

体験できることの幅が広いので「何をしに行くのか」を決めて、計画的に行動したほうがよい。

常に上り坂、下り坂、階段を歩いている感じになるので、お年寄りや足腰に困難がある人は、注意したほうがいい。ただ、暖房が利いている屋内で過ごせる施設もあちこちにあるのは、心強いところだ。

お子さんの年齢差や性差があって、興味の対象が違う場合は、バラバラに分かれて行動したほうが楽しめると思う。そのための計画を、保護者の方が話し合っておくとよい。

私がハーベストの丘を利用して感じたこと

地形をできるだけ変えず、もともとある自然を生かした公園開発をすることが、(株)ファームの方針のようで、それはすばらしいと思う。ただ、園内の道路の大部分が傾斜しているような状況なので、少子高齢化が進む今後は、移動が簡単にできる方法を強化していくといいんじゃないかなと感じた。

施設のペンキがはげてるとか、傷んでいるということがなく、清潔に保たれているのが、すごく印象的だった。こんな真冬にも、花が見られるような配慮をしているのがすごい。

以前から思っていたのだが、USJのようなアミューズメントパークは、遊具を入れ替えていかないと、新鮮味を保てない。でも、動物は成長したり、子どもを産んだり、人間に反応していろいろな表情を見せたりするので、動物園に何度通っても、新鮮さがある。ハーベストの丘の動物にも、きっといろいろな表情や、成長のサイクルだったりがあるのだろうけれど、動物園に比べると、動物そのものの情報量が少ない。もっと動物たちのことが知りたいと感じた。

全体として良い農業公園だし、季節ごとに違う花も咲くだろうから、楽しめるだろうと思う。


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