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なぜ残業はなくならないのか~日本雇用の構造~

私はまだ働き始めたばかりでまだ経験したことがないのですが、世の中にはなにやら「残業」という恐ろしいものがあるようなのです...

という前置きはさておき、
なぜ残業はなくならないのでしょうか?

(父は私が小さい頃は12時に帰り5時には家を出ていたらしく、確かに思い返してみても平日に顔を合わせた記憶がありません。ただ、休日は毎週どこかに連れて行ってくれました。今思うと父が偉大に思えます。)

残業がなくならない原因は様々考えられます。
①個人の労働意識
残業を悪いことだと思っていない。男性は家庭より仕事を優先すべき......などの従来からの慣行
②残業代の獲得
夜間は日中より給与が上がるため、夜遅くまで会社に残り残業代を獲得する③タテ社会の弊害
上司がまだ帰ってないから自分も帰れない...といった考えなど
④高品質なサービスの質の保証
顧客からの要求が高いあまり、完全を目指し妥協を許せないため業務用が増えてしまう......など

ただし特に大きい影響を与えているのが
⑤日本型雇用慣行だと考えられています。最近の若い人は日本型雇用慣行に対してあまり良いイメージを持っていないと思います。

日本型雇用慣行とは
①終身雇用制 ②年功序列賃金体系 ③企業別労働組合

この中の終身雇用制が残業に大きな影響を与えています。与えているというか必然なんですけども。

どういうことかというと、終身雇用制では基本的に正社員の首を切ることができません。また、景気の影響で需要と供給は常に変化し続けますので、景気の変動よって会社としての仕事量も常に変化します。

となると、会社の取れる方法は一つだけです。一番仕事が少ない期間(=不景気)を基準に社員を採用することです。つまり、仕事が少なくても社員の首を切らないでいいように社員を雇用します。仕事量が多い時(=好景気)の時を基準に社員を採用するとちょっと景気が傾いた時に、雇いきれなくなりますからね。

そうなるとどうなるかというと、景気がそこまで悪くない時や良い時は、労働時間を増やして対応することになるわけです。こうして、残業が増えるのです。よって、終身雇用制に象徴される日本型雇用制度が残業を増やすことの説明を終了します。(Q.E.D.)

ざっくりとした説明でしたが、つまり日本型雇用制度とは、定年までの雇用を保証しますよ。多少業績悪くなってもね。ただ、その分たくさん働いてくれないと会社回らないから。というものなのです。

近年の動向としては、日本型雇用が徐々に崩壊してきていたり、働き方改革が推し進められているわけですが、それについてもまた今後発信していきたいと思います。

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その前に、今の世の中では支持する人が少ないと思われる(特に若者には)日本型雇用はなぜ日本の社会に定着したのか、その謎に迫っていきたいと思います。






まだ駆け出し者の文章を読んでくださり本当にありがとうございます!