長男の一つ下の後輩たちが甲子園へ行けた理由【高校野球】
長男が昨年までお世話になった高校野球部の後輩たちが甲子園を決めてくれました。
高校は我が家からは県外の高校。長男は去年まで寮生活を送っていました。
先日、地元のローカル局で甲子園出場の応援番組が放送されました。
さっそく地元の方に映像を送っていただき、拝見。
思いのほか深くチームに密着した内容でびっくりしました。
後輩たちの急成長に感激、感激。。
そして、なぜ今回彼らの甲子園出場がかなったのかなんとなく理解した次第。
今回は、長男の後輩たちが甲子園出場を果たした理由を、番組から考察します。
夏の大会直前に監督が解任
長男の高校は過去甲子園へ3回出場、プロ野球選手も8人輩出しています。
それらの功績はすべて前任の監督が30年以上掛けて、ゼロから作りあげてきた功績でした。
その監督に突然、パワハラの訴えが上がり解任。
春の県大会で準優勝、その後の地区大会でも準優勝を達成した直後でした。
長男が高校でお世話になる際熱心にスカウトしてくださり、寮でもご夫婦で手厚く面倒を見ていただきました。
指導は、厳しかったと思います。
しかし、ただ厳しいのではなく、愛を感じる厳しさでした。
解任の真相は僕にはわかりませんが、長男も非常に残念がっていました。
解任の時期は、3年生にとっての最後の夏の直前。一番大切な時期です。
チーム内に動揺があったと思います。
でも、この事件が逆に結束につながったのではないか想像します。
レギュラーメンバーは全て2年生
高校野球のメンバー決めに忖度はありません。実力主義です。
「忖度している!」という声はどこのチームでも聞きますが、実力はもちろん、チーム内の最適なバランスを考えてメンバー決めを行います。
そもそも忖度がまかり通るチームで甲子園なんか出場できません。
お金貰えるわけでもないし。。
「監督に好みがある!」という声も聞きますが、戦略上の好みはあるでしょう。
その他の好みって??って思います。
長男高校の今年のレギュラーは全て2年生。
ひと桁の背番号をもらった三年生はいません。
地元では結構話題になりました。
甲子園出場経験のある強豪ですから。
番組ではこの部分にフォーカスしてました。
キャプテンは「大会前に3年生全員で話し合って2年生のサポートに徹すると決めました。そういう意味で、甲子園出場が決まって良かったと思います」
3年生の中で不協和音もたくさんあったことでしょう。それをまとめ切っての甲子園は彼のおかげです。
主将も控え選手。レギュラーではありません。
新チーム(昨年の秋から)発足後、一度も公式戦に出場していません。
もちろんこの夏も未出場。サードコーチ担当でした。
2年生レギュラー軍団を支えるキャプテンには厚い信頼があります。
他の3年生は「試合に出られないのに。辛いだろうなと。とても僕には務まりません」
とキャプテンへの尊敬を口にします。
試合にも出られていないのに、チームに気を使い、声を出し、サポートしなければならない。そりゃ大変です。
試合に出られない選手の話し
チームには絶対的エースが存在します。しかもエースは2年生。
番組ではエースになれなかった選手にも密着。
彼は本当に一生懸命に練習するいい子なんですが、エース番号「1」はもらえませんでした。
しかし、自分の現在地を認めつつ、エースのサポート役として甲子園を目指すことを決めます。
サポートに徹する姿の映像に感動しました。
ベンチに入れなかった3年生の話し
番組は新チーム発足以来、一度もベンチ入りできなかった3年生に密着します。
彼も甲子園出場を夢みて本校に入学。
しかし、野球推薦組ではなかったため寮には入れず。
毎日遠方から2時間かけて通学していました。
少年時代はスター選手だったそうで、親御さんや地元の期待も大きかったそうです。
お母さんも毎日の弁当、補食、朝ごはん、夕食、洗濯。
その苦労を本人が一番理解していました。
彼の関係者への思い、自分の不甲斐なさ(そんなことはない!)を吐露してさらけ出す姿に漢を見ました。
そして、
選手という立ち位置ではないけれど、応援でサポートに徹することを約束。
この選手、最初は練習についていくのにもやっとだったのに、、こんなに大人なことを言うまでに成長したんやなと。
僕ももらい涙が激流でした。
長年ケガで、しかも寮生活だった選手の話し
3年生控え投手のこの選手は、長い間ケガに苦しめられてきました。
僕もピッチングを見たのは数回だけ。
(MAX:143キロの本格派!)
当時、本人は焦りと悔しさに暮れていました。
しかも寮生活。
遠い地で苦しんでいる息子にお母さんも心配したことでしょう。
それでもギリギリ間に合い、練習試合で好成績を重ねてベンチ入り。
彼の苦労を知っている僕としても、番組で取り上げていただいてうれしかったです。
県で一番のマネージャー
マネージャーは本当にチームの事を考える子でした。
練習試合に負けると
「私がベンチにいると負けるんです」といつもチームの事を一番に気遣う子(そんなことはないんですが)
優勝して号泣していたマネージャー。選手たちも感謝していました。
今年のチームは結束力が強い
最後にミーティングのシーン。
「君たちと全国へ挑戦できることに感謝しています。そして、おめでとう。
ただし、今日、必ず皆にやって欲しいことがある。それはお世話になった方に気持ちを伝えること。言葉で。それができなければ今日という価値を失う。
この高校からはプロがたくさん出ている。
彼らはなぜプロになれたか。それは、前任の監督が苦労して作り上げた礎に感謝し、その環境のありがたみを理解していたから。
彼らはいつも感謝を言葉にしていた。栄養指導の○○さん、トレーナー、寮母さん、マネージャー。今回の結果で彼らの貢献はゼロじゃないよな?だから言葉で伝えなさい。
そして、今日の帰りを心待ちにしているご家族へ。
必ず言葉で伝えなさい。
じゃなければ、今日という価値、自分という価値を失うぞ。
自分で価値を失うな」
新監督も素晴らしい人徳者です。感動しました。
上級生が下級生を支え、下級生は上級生を甲子園へ連れていきたいという。
色々な思いが交錯し、ドラマが奇跡を生み、結束力が作られる。
甲子園出場できたことに感謝するのではなく、感謝の心が甲子園出場を果たした。
それを実践したこのチーム。
そりゃ今年のチームは強いわ。
作成していただいたテレビ局にも感謝です。
さあ、甲子園。
野球の神様も味方につけた彼らの結果は如何に!?
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