読書感想文【武士道】新渡戸稲造著
こんにちはコウカワシンです。
今回は新渡戸稲造(にとべ・いなぞう)さんの著書【武士道】から学ばせていただきました。
今回参考にしたのは現代語訳の本でしたが、マンガとか解説書がわかりやすくて便利です。
本書は、「日本人の道徳論」というべき本です。
というのも本書の成り立ちは、明治の初めにベルギーの法学者ド・ラブレー氏から「宗教教育のない日本でどうやって道徳教育が授けられるのか」と問われたことからでした。
新渡戸さんは「日本人の道徳意識の基礎に武士道がある」とし、武士の規範や倫理だけでなく日本人の道徳意識や思考方法を【武士道】に吹き込んだのです。
つまり、日本人の本質とは「武士道」であり、「武士道こそが日本の魂」と外国人に向けて執筆した日本文化論なのです。
なぜ「武士道」が日本の魂といわれるのか?
なぜ「武士道」こそが日本の魂といわれるかについては、次のとおりです。
人格形成に重要
仏教・神道・儒学といった日本人が大事にした教えがミックスしているから
武士の道徳意識の思考方法が受け継がれているから
「武士道」は、成文法ではなく口伝えにより受け継がれてきました。武士の教育は人格形成が第一に考えられています。
その教えの基になっているのが、仏教・神道・儒教です。
仏教にて運命を穏やかに受け入れ、運命に静かに従う心を育みます。死をも恐れない精神力は仏教より教えられたものです。
神道では愛国心や忠誠心を、儒教からは道徳概念をといった感じですべての教えがミックスされ人格形成に用いられてきたということです。
このような道徳概念が日本人が大事にすべき道徳意識として今日まで続き、これにもとづいた思考方法が日本人の道徳観となっているのです。
つまり「武士道=日本の魂」といっても言い過ぎではないということですね。
「武士道」を持つには何が必要か?
それでは「武士道」を持つには何が必要かを知りたいものですよね。本書から得たものとしては次のことです。
叡智(えいち)
仁愛(じんあい)
勇気(ゆうき)
叡智(えいち)というのは、物事を深く知り筋道通ったすぐれた知恵ということです。
武士道では知識があるということが重要ではなく、このようなすぐれた知恵がある人が知性がある人と尊ばれたのです。
仁愛(じんあい)とは、めぐみいつくしむこと。武士は猛々しい人の集まりではありますが、主君に仁愛がないと下の者がついてきません。
これは現代社会でも同じことですよね。
勇気(ゆうき)は、武士ならもちろん必要です。何があろうと、たとえ死が目前に迫ろうと逃げずに立ち向かう姿勢というのは勇気がなければできないことです。
現代においても、死ぬということはないにせよ、勇気がないと物事が前進しない場面というのは多々あります。
ですので、叡智・仁愛・勇気こそが現代においても生かせる意識、思考、行動だということでしょう。
どうすれば「武士道」を身につけることができるのか?
私たちが武士道を身につけるのはなかなかに険しいかもしれません。
ですが、次のことを意識すれば身につけることができるでしょう。
欲をなくす
卑怯(ひきょう)なことはしない
平和を願う気持ちを持つ
武士道の骨格というか源泉であるのが、「義」「勇気」「仁」「礼」「名誉」「忠義」です。
これらを網羅するのは現代人では難しいでしょう。
でもこれに基づいて意識すべきは、「欲をなくす」「卑怯(ひきょう)なことはしない」「平和を願う気持ちを持つ」ということです。
これだけを心がけるだけでも他者と要らぬ争いを避けることができますし、崇高な魂を保つことができます。
人間はいつの世になっても他者と関わって生きていかなくてはいけません。
そういった意味で「武士道」を意識して過ごしてみることはとても大事ですね。
ぜひ手に取ってゆっくり読んでいただきたい一冊だと感じました。
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