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100日後に死ぬ父。94日目。

 今日の検査で父の糖尿病の数値がちゃんと下がっていたので、明日からは色々と糖尿病の授業がはじまる。母もほぼ毎日病院に行くことになるので大変である。けれど父ひとりで授業を受けさせるのは心配なこともあり、ちゃんと母が付いていないといけない。
 なにはともあれ父の入院は順調に進んでいるのは良いことだった。糖尿病や父の借金発覚などが続いて、僕も不安ばかりだったけれど、とにかく悪い方向へは進まなくてよかった。

 父が入院したことは、さすがに伯父さんに言わないわけにもいかず、入院した次の日に母が伯父さんに話した。借金の件で父と伯父さんは喧嘩していたので、伯父さんが父に会いに来るのかは分からなかった。
 借金について伯父さんは、僕と母を心配していたが、僕らは「大丈夫」だと答えた。いくら親戚でお金持ちとはいえ、伯父さんにお金に関して迷惑をかけたくなかった。
 伯父さんの視点からは、僕ら家族がどう見えているのか分からないけれど、あまり良くは思われていないと思う。特に僕のことは「蛙の子は蛙」的な視点でおそらく見られていて、伯父さんの中では僕も父のような人間だと思われていると思う。僕の被害妄想かもしれないけれど、伯父さんと話しているとどうしても距離を感じてしまうのである。だから父が伯父さんの事を嫌いな気持ちは、なんとなく理解できてしまうのだ。
 
 
 

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