100日後に死ぬ父。92日目。

　今日の夕飯はマクドナルドでテイクアウトした。今後、父の前ではハンバーガーは食べにくくなるので、食べられるときに食べておくことにした。
　僕はダブルチーズバーガーのセット、母は照り焼きバーガーのセットを食べた。久しぶりに食べるジャンクフードは美味しく、いくら体に悪いからとはいえ、それでも食べてしまうのがマクドナルドである。
　僕が小学生の頃は、町にマクドナルドはまだなかった。一番近い店でも車で一時間半もかかるところにあり、子供の頃はマクドナルドに行くことは、我が家でちょっとしたイベントとなっていた。
　月に一度、親にマクドナルドへ連れてってもらえた時のことは今も覚えていて、毎回ハッピーセットのおもちゃで喜んでいた記憶がある。お昼を食べに行くだけだったけれど、マクドナルドで喜んでいたのだから、とても安上がりな子供である。
　マクドナルドが町に出店してからも、家族みんなで食べに行った。わざわざ遠くのマクドナルドに行かなくていいので便利だったけれど、楽しさやワクワク感はいつの間にか無くなっていた。
　便利は身近にあることが多く、楽しさは遠くにあることが多いと思う。僕もいつか子供が出来たら、父のように子供を遠くに連れ出してみたいと思う。できれば安いところで満足する遺伝子は受け継いでいて欲しいところである。