100日後に死ぬ父。93日目。

 今日は父の病室に行った。検査以外の時間はとても暇そうなので、本屋でクロスワードパズルを買って差し入れをした。父は借金が発覚してからはゲームを自粛しているようだから、クロスワードパズルくらいなら多分セーフの部類だろうと思った。
 頼まれていた手帳と筆記用具と一緒にクロスワードを渡すと、父は思っていたよりも喜んだ。よっぽど暇なようである。手帳と筆記用具はこれから日記を書くために使うらしい。過去に入院した時も日記を書いていたけれど、三日坊主で終わっていたから今回も続くかは分からない。
 明日の検査で数値が安定していたら、明後日からは糖尿病生活指導の授業が始まるらしい。院内の糖尿病患者を集めて、退院後の過ごし方やインスリン注射のやり方を教わるのだそうだ。
 授業では食生活についても話があるので、母も参加する。母が隣に居れば父も授業を真面目に聞くと思うので、そうした狙いもある。
 
 借金がバレてから落ち込んでいた父だけれど、最近は隠し事が無くなったからなのか、反省しながらもどこかスッキリとした印象である。これから日常生活も変えていかないといけないので、気分的にも前向きにとらえはじめているのかもしれない。
 けれどどんなことも長続きしない父なので、これから父がちゃんと変われるのかは不安である。けれど今は信じるしかない。

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