100日後に死ぬ父。72日目。

 今日は朝から大掃除の続きを家族でした。父は「いるもの」「いらないもの」の仕分けが終わると、母と一緒に作業場の掃除に取り掛った。父は作業場の掃除をほとんどしたことがないので、大量の埃とゴミが棚や機械の隙間から出てきた。さらに埃だらけの空き缶や漫画雑誌もでてくる始末で、母は大きなゴミが出てくるたびにイライラしていた。
 僕は車にゴミ袋と粗大ごみを積み込み、山の方にあるゴミ処理場へと運ぶ作業をした。粗大ごみは一度にすべて車に乗らなかったので、結局僕は家とゴミ処理場を三往復もしなければならなかった。ゴミ処理場の人には顔を覚えられて、最後の方などは顔パスで埋立地まですぐに移動することが出来た。
 お昼過ぎに粗大ごみを捨て終わると、ちょうど作業場の掃除も終わりかけていた。父もすっきりとした作業場に気分が良くなり、最初のころと比べると大掃除に前向きになっていた。
 午後からはみんなで整理整頓をした。使う頻度によって物を仕分けて、それぞが使いやすい棚へと振り分けていった。棚には何が入っているかが一目で分かるようにラベルを貼りつけて、父が在庫管理しやすいようにした。
 すべての作業が終わったのは夕方の五時頃だった。作業場は見違えるほど綺麗に片づけられ、まるで以前の作業場がゴミ置き場のうように思えるほどだった。
 母は父にこれから掃除と整理整頓を徹底するように言いつけていた。いつもなら生返事をする父だけれど、今回ばかりは「わかりました」としっかりと返事をした。


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