100日後に死ぬ父。73日目。

 昨日と一昨日の大掃除を経て、母は掃除に熱が入ったらしく、作業場につづいて今日から倉庫の大掃除をすると言った。
 この倉庫というのが、家から車で15分くらいのところにある平屋の建物で、もともと作業場としても使用していた場所だった。昔よりも会社が小さくなった今では、ほとんど父の倉庫となってしまい、掃除も手入れも行き届いていない無法地帯となっている。
 倉庫として使っているのは、全体の4割程度なのだけれど、なかなか広い平屋なので掃除をするとなるととても大変どうだった。けれど将来的には土地も建物も売る計画にもなっていて、遅かれ早かれ倉庫の掃除はしなければいけないことだった。今ならまだ父も掃除に多少なりとも寛容になっているし、父の糖尿病が悪化する前には終わらせたいと母は考えているようである。
 父は今日から倉庫の掃除をすると聞かされるとしぶしぶ了承した。糖尿病生活が本格的に始まる前に片づけたいと言われたら、父は何も言い返せなかった。
 僕も空いた時間は掃除を手伝うことにした。粗大ごみを捨てる手順はもう慣れたので、明日は朝から一度ゴミ処理場に行くことになると思う。
 今日でどれくらい倉庫の掃除が進むかは分からないけど、父のやる気が最後まで持つことを願うばかりである。
 

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