🦊　JOJO② スタンドについて

①では、ジョジョの概要を語った。
僕の思う、ジョジョを構成する重要な要素を挙げたつもりである。

しかし、概要として書くにはウェイトが重すぎるがゆえ、①で言及していない、構成要素がある。
それは「スタンド」である。

△スタンドとその本体　例

スタンドは、ジョジョ3部から8部まで登場し続けている概念である。

スタンドとは、いわば超能力が形として現れたもので、その多くが人型として現れる。
基本的に超能力使用者のすぐそばに「立ち現れる」ことから、スタンドと名付けられた。
(7部からは「立ち向かうもの」としてスタンドと名付けられている）

ジョジョの「スタンド」は今ではあらゆる漫画で定番となっている能力バトルの先駆けとして、漫画界に大きな影響を与え続けている。

スタンドはいわば、ワンピースの悪魔の実や、HUNTER×HUNTERの念能力のようなものである。

スタンドの魅力①「能力」

スタンドは、それぞれ固有の能力を有している事がほとんどである。

7部、ポコロコの「ヘイ・ヤー」というスタンドは、本体であるポコロコに話しかけるだけという特殊なスタンドであったが、基本的には何か能力を持っていることがほとんど。

例えば、火を操る、時を数秒止める、死体を操る、などなど。スタンドの持つ能力を駆使し、戦う。
これがスタンドを理解する上での基本である。

3部でスタンドが初登場したこともあり、3部で登場してくるスタンドたちは、どれも能力が単純明快なものが多い。
先に挙げた、火を操る、時を数秒止めるなどは3部のものだ。
もちろんこれも面白いが、僕の思うジョジョの魅力はスタンド能力の複雑さや異常さにある。

8部、笹目桜二郎(おうじろう)の「ファン・ファン・ファン(以下FFF)」の能力は、複雑さを極めている。

FFFの能力は「相手の四肢に傷をつけ、かつ相手の真上に立っている時、相手の傷がついた手足を操る」というものである。
もはや、文面では理解がしようがない。

作中ではトラップハウスにされたマンションの一室にジョジョが誘い込まれ、笹目はそのマンションの上の階に潜んでいる。

この状況になって初めて、「相手の四肢に傷をつけ、相手の真上に立つ」という条件が満たされる。

このように、その複雑性は部を追うごとに増していく。

また、それぞれの部のラスボスのスタンドは、それぞれ解説サイトを覗くと、5ページほど説明が書かれるほど難解である。

スタンドの魅力②「名前」

スタンドの名前は、3部ではタロットカードに因んでいるが、4部以降は実在のアーティストやアルバム名、曲名から付けられている。
エアロスミス(アーティスト)
メタリカ(アーティスト)
マン・イン・ザ・ミラー(マイケルジャクソンの曲)
マリリン・マンソン(アーティスト)
ソフト＆ウェット（プリンスの曲名)
など。

曲名をモチーフとしたスタンド能力や、ビジュアルのものも多くある。
これは作者が洋楽が好きな為であり、ジョジョという世界観とよくマッチしているからである。

キラー・クィーンというスタンドは、ものを爆弾に変えて次々に人を殺す。
その元ネタはQUEENのKiller Queenであり、歌詞の中には、「火薬、ニトロ、ダイナマイト、心を吹き飛ばす」と言った言葉が入っている。

余談だが、ジョジョには珍しい、日本のアーティストが元ネタのキャラも登場する。
7部でウェカピポというキャラクターが登場するが、これは日本のSOUL’d OUTのウェカピポという曲が元ネタである。
スタンドではなく人間なものの、かなりレアケースである。

このようにジョジョには、説明には欠かせないスタンドという概念がある。

少しでもそのスタンドの魅力が伝われば、幸いである。