校閲者として一番難しいこととは?

最近、死ぬほど忙しい。
忙しいときほど、こうしてアウトプットしたくなるのかもしれない。そしてさらに忙しくなる。
しかしこの仕事は、忙しく頑張っていてもいつのまにかスッと暇になるタイミングが必ず来る。それを私は知っているからやっていけているのかもしれない。やはり校閲の仕事はキャリアも大事なのである。

最近、色々な新人さんや、社外校正の方のゲラを見て思うことを書きたい。
みんな、調べ物や表記統一等はそこそこできるのだ(思いっきり上から目線)。とくに表記統一などは、こちらが考えている以上に細かく気にする方が多く、「そんなの気にしてるの、世界で校閲者だけですよ?」と言いたくなる(というか、実際にオブラートに包んで相手にも伝えているが)。
そして意外と抜けやすいのが、熟語の同音異義語や単純なひらがなの誤字脱字。
意味のない表記統一ばかり頑張って指摘して、大事な誤字脱字を抜かしていたら、何の仕事をしてるんだ? となる。
誤字脱字を見つける方が地味で、しかも難しい仕事なのだ。
ここを本末転倒にしてはいけない。校閲者のキャリアを積んでいく上でも、方向性をきちんと確かめながら進んでいかねばならない。
また、よく思うのは「餅は餅屋」ということだ。専門家の書いた文章に、重箱の隅を突くような調べ物の浅はかな疑問を出してはいけない。
学術書だと、むしろ人名や地名、年号、あとは書名などの間違いのほうが命取りで、細かい調べ物は基本的に著者に任せ(ながらも怪しいところはちゃんと調べ)る姿勢が重要なのだ。
余計な調べ物に時間をかけ過ぎている例が、社内でも散見される。
この辺りの感覚は校閲者それぞれに委ねられるところでもあるから、とても難しいのだけど。
とにかく、「何が大事なのか?」これを見誤ってはいけない。
まあ、自分に向けての言葉でもあるんだけど。
スピード感、ではないけど、ビジネス、営利として仕事をしていることを忘却しすぎるのも良くないのである。


あ、あと、やはり一番重宝される校閲者って「納期が短くても引き受けてくれて、確実な仕事をしてくれる方」なんです。

これは、他の仕事と一緒ですよね。やはり、時間がない場面ってたくさんあるのです。そこで助けてくれる人。これは涙が出るほどありがたい存在です。

私がもしもフリーランスになるなら、そういう仕事をたくさん引き受けて、出版社に貢献したい。そして稼ぎたい(笑)。

オファーお待ちしてます(半分冗談)。

一気に書きたいこと書いた。
明日は早起きしてradikoでオードリーのオールナイトを聴こう。

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