【OPEN】楽しいきっかけをつくる美容師・仁美さんの挑戦「Cue by coco」
【独立のきっかけ】長年の夢を後押しした祖母の言葉
仁美さん(以下敬称略) 「自分のお店を開いたら……ってたくさん妄想してきたけれど、このまま独立せずに終わるんだろうな」。ずっと、そう思っていました。
現在、7歳の娘と夫と新潟に暮らしている仁美さん。18年前、地元・神奈川で美容師になりました。
店舗に勤めるうち、漠然と独立の夢をいだくように。
「スタイリングも、サービスも、もっと良くできるんじゃないかな」。
そんな気持ちが芽生えつつも、なかなかタイミングがなく、ご結婚を機に新潟へ移住。仕事と子育てで、忙しい日々が続きます。
もちろん、お店は開いてみたい。形になったら、どんなに楽しいだろう。
「でも、このまま終わるんだろうな……」と、動けずにいました。
そんな数年前の仁美さんを後押ししたのは、当時96歳のお祖母様でした。
「仁美ちゃんがお店をひらくまでは、生きないとね」。
その言葉が、一歩踏み出すきっかけをくれたのです。
【居心地◎】ほっとできて、心も上を向く空間に
仁美 昔から、人の笑顔を見るのがすごく好きでした。
家に親戚が集まるたびに、みんなの肩を揉んでまわって(笑)。
喜ぶ顔を見ては、「やった!」と自分も喜んでいるような子どもでした。
美容師の仕事の本質はまさに、お客さまの笑顔や喜ぶ顔を引き出すこと。
Cueの店内にも、仁美さんの「引き出したい欲」がつめこまれています。
中に入るとすぐに、まるでカフェのような待合スペースが。
ライトは「Sen」のものを使用。イスは、糸魚川の椅子職人の手でひとつひとつ作られている「HERA CHAIR」で統一しました。
席に案内するまでの短い時間でも、リラックスできるようにと設けられています。
さらに仁美さんは、衛生管理にも強いこだわりが。
足元に落ちている毛の処理や、クロスやハサミ、コームなど備品の消毒を他店より細かく実施。あたり前に思える衛生管理も、店によっては流れ作業になってしまうことも……。
きちんと徹底し、お客さまの目線で気になる点を取り除くことで、より一層の心地よさを生み出します。
コロナ対策という一時的な形ではなく、基本的な衛生管理が行き届いているからこそ、常に安心して過ごすことができる空間になっています。
Cueでは、最近の美容室ではめずらしく、靴を脱いでスリッパで上がっていただきます。
靴を脱ぐだけで一気に、パーソナルスペースに入るような気分になるから不思議。まるでお友だちのお家に招待されたような、安心感とワクワクが味わえます。
【うっとりが持続】理想のスタイルを「似合わせ提案」
仁美 切った直後、スタイルが整っているのは当たり前。
それだけでなく、崩れにくくて、伸びてきてもより馴染むようなカットを行います。
私ももうひとりのスタッフの田中も、長い経験から、カットの基礎をおさえています。
ご要望をお伺いしつつ、理想の髪型をより似合う形で、長く楽しんでいただくための提案をさせていただきます。
お2人は、仁美さんが新潟に移住して初めての職場で出会います。
絆を深め、8年を経て、またCueで一緒に働くことが叶いました。
田中さんは2児の母で、仁美さんと同じく子育てをしながら美容師をされています。
結婚や出産を機に美容師を辞める方も多いですが、Cueでは田中さんのライフスタイルに合わせて週3回、お店に立っていただく予定となっています。
【五十嵐さんと2人3脚】素敵さを追求するのが楽しい
五十嵐代表(以下敬称略) どんなにしっかり計画をしていても、工事中には想定していなかったトラブルが発生して、思い通りに進まないこともある。
そんな時、ポジティブかつスピード追求型の仁美さんはものすごく頼りになるんです。
ご自分の意見をしっかり持っていて、トラブルに対して「こうしてみましょうか」と提案するとすぐに前向きなレスポンスをくれる。
だからスムーズに進行できたし、現場もとても和やかでしたよ。
実は、もともとCueの工事は別の建築士にお願いする予定だったそう。
しかし納期の都合がつかず、「信頼のおける別の建築士を紹介する」ということで繋いでもらったのが、株式会社 JOYN CRAFTSの五十嵐さんでした。
仁美 お会いして一目で、私の直感が「絶対に信頼できる!」って(笑)。仕事柄たくさんの方とお会いするから、こういう直感は鋭いんですよ、私!
難しくて面倒だと思われそうな注文も、しっかり受け止めてくださって。それどころか、五十嵐さんのほうから「もっとこうしたら、さらに良くなるんじゃない?」って。
「さらに面倒じゃないですか!?」って思いながらも、すごくありがたかったです。
五十嵐 お互い「良い場所をつくるために妥協はしない」と、同じ気持ちだったよね。追求できたのは、仁美さんのこだわりと、人柄があってこそ。
オープンまでの1ヶ月は、2人で毎日Cueに出向き、最終調整を行ってきました。
仁美 もう少し時間があると思っていたのに、あっという間ですね〜。
色々あったんですが、大変よりも断然たのしいが勝ってます。
仁美さんの中にあった妄想と、素敵なこだわり。それを五十嵐さんと一緒に形にし、ついに3/1。Cueはオープンを迎えます。
【Cueがみんなのきっかけに】喜びがうまれるお店
仁美 落ち込んでいた方が、帰るときには少し前向きになっていたり。
髪型に悩んでいた方が、誰かに見せたくてウズウズしていたり。
髪を通じて「誰かの楽しいきっかけ」を作れる、最高の仕事が美容師です。
一生涯、現役でいたい!
それから、私たちが楽しそうに働いていたら、そのうちCueで働きたいと思ってくれる方が現れる気がしているんです。
引退する時がきても、その方にバトンを渡して、Cueが続いていけば嬉しいですね。
と、未来に妄想を膨らませつつ、当面の目標は、Cueを軌道にのせることです。
そして、お客さま、五十嵐さん、職人さん、私たちスタッフ、家族……etcetc。三方良しならぬ「全方良し」なお店をつくること。
楽しくポジティブに、頑張ります!
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