見出し画像

【絵本描いてみたくないですか?】あなたもなれる、絵本作家への道(2012年4月号掲載)


「絵が描けない」「物語が作れない」だけであきらめるのはまだ早い!

 「絵本ブーム」という言葉は、何年かに一度の周期でやってくる。大人が読んで教訓を得られる子供の絵本のブーム、とにかくセンシティブな絵と内容が「癒やし」を与えてくれる芸術的な絵本のブーム、可愛いキャラクターでシンプルなストーリーが「読み聞かせママ」に受け入れられた絵本のブーム……受け入られる種類が違うだけで、実は世の中では常に「絵本は愛されている」のかもしれない。

 「絵本作家」は、とにかく夢のある仕事だ。子供たちの人間形成に影響を与えられる。
 大人たちには癒やしを与えられる。それだけに、「絵本作家になりたい」という夢を潜在的に持っている人の数は、驚くほど多い。

 少年少女時代に持っていた夢は、年を追うごとに自分の中で可能性が狭まってくるように思えてくる。特に、「絵」と「物語」の両方を、自分で一から作り上げなければならない絵本作家の仕事は、どちらか一方の才能が自分に欠けていると自覚すると、とても無理な「将来の夢」に思えてくるものだ。そこで夢をあきらめてしまっていいものなのか?

 答えは、現実に絵本の世界で活躍する先輩たちの中にある。どうしても絵が上達せずに、物語だけを作る童話作家になる人もいれば、その逆に絵本画家になる人もいる。あるいは、どちらかの苦手をなんとか克服して、絵本作家になった人もいる。

 シゲタサヤカさんへのインタビューでは、夢を現実にするまでのプロセスをうかがっている。その中に、「あきらめるにはまだ早い」というヒントが見つけられるかもしれない。

「絵本作家」へと続くルート

 絵本作家になるためのルートはいくつか考えられる。
 ひとつはコンテストに応募して入選すること。もっとも手堅く、知られているルートだ。もちろん狭き門ではあるが、入選すれば実力がすばやく評価され、すぐにデビュー、あるいは出版社から、担当編集者がつくなど強力な後押しを得ることができる。近年の絵本新人賞では、最高賞の受賞者には出版が約束されていることも多いので、確実にデビューしたければ、何度か失敗したとしても、こうしたコンペティションに参加し続けることこそ、最大の近道と言える。

 次に確率が高いのが、「持ち込み」。出版社に作成した原稿を直接持ち込んで読んでもらう方法だ。こちらはプロの編集者に、作品の感想を直接聞くことができるチャンスともなるため、デビューへのルートとしてだけでなく、最近の人気傾向や、プロになるために欠けている自分のウィークポイントなどを知ることができるので、勉強にもなる。ただ、出版社ごとに重視しているジャンルや絵柄、作風、対象年齢などが異なってくるため、持ち込む出版社を事前に選別し、慎重に判断することが必要になるだろう。

 他には、サークルで同人誌を発表し、それが出版社の目に留まってデビューのきっかけを得る、というケースもあるが、この形式でデビューにこぎ着けているのは、コミックやライトノベルの場合がほとんど。チャンスは少ないが、仲間同士でのグループ展や同人誌などでの活動は、切磋琢磨により自分の力量の向上につながる。人の目に触れることを意識した作品作りは間違いなく糧になる。このルートでデビューする可能性もゼロではないので、持続することが大事。

シゲタサヤカさんインタビュー

とにかく「描くこと」から離れたくなかった時代が今を支える

―最新作『オニじゃないよ おにぎりだよ』(えほんの杜)も大ヒット中のシゲタさん。小さな頃からずっと絵本作家になりたくて……というわけではなかった、というのは本当ですか?

そうですね。絵を描くのは好きでしたけど、絵本作家になるというのは考えていなかった……

インタビューには絵本作家になるヒントが満載!
特集「絵本作家になる方法」
公開全文はこちらから!

※本記事は「公募ガイド2012年4月号」の記事を再掲載したものです。