本試験時の戦略

こんばんはKouです。

 今回の記事は、勉強方法などの紹介ではなく、論文式本試験時、私が実際に実施した解答戦略や、持って行ったもの、当時のマインドを簡単に紹介したいと思います。
本来はこの前に直前期の記事を投稿予定でしたが、編集が間に合わずこの時期(本試験1週間前)に出しても意味がないと判断したので、こちらを先に投稿することにしました。
 正直、直前期の方々はこんな記事を読んでいる場合ではないとも思いますが、なるべく手短に纏めるので、誰か一人の迷いや不安を和らげ、解答戦略等の参考になれば嬉しく思います

それではさっそく本編に入っていきます。今回の記事はこの記事だけで完結します。

恒例のごとく過去の記事が気になる、直前期以外の方は以下のリンクからご覧ください。

第1章 いざ受験会場へ

 論文式試験は3日間にわたる長期戦です。家が試験場にかなり近い方を除いて、試験場の近くで宿泊する方も多いと思います。そこでまず悩みの種になるのが「どの教材を持っていくか」です。私も、様々な理由から受験地を北海道にしていたため、前日に移動をする側の人間でした(なんで北海道か気になる方はTwitter/X等で聞いてください笑)。
日用品などは好きにすればいいと思うので、私が実際にもっていった教材とその理由を以下で紹介いたします。

a 財務会計(計算):

短答対策レジュメ(論文の範囲に絞ったもの)全部、第一回公開模試(第3問のみ)

→ 理由:連結に関してはコントレ総合問題集で3日に一度のペースでやっていたため、出発前日に演習をして本番時は持っていきませんでした。
 短答対策レジュメは、自分の最大の武器である第3問対策として最後に全範囲をざっと見することを目的として、そして公開模試第1回(第3問)は本番形式で一度手を動かして解いて感覚を維持するため及び、一番出題可能性が熱いと予想されていた「S/S」の問題を直前に解いて、本当に出たら勝てるようにする事が目的でした(S/Sは実際に出題され完答しました)。
実際に出るかどうかは結果論で運ですが、その可能性も信じてのこの選択でした。

b 財務会計(理論):

ポケット論証集

→理由:一つでも多くの論証を覚えて試験会場に行くため。既にレジュメを読んで理解のフェーズは終わっています。ここまできたら一つでも多くの論証を覚えて本番に臨む事が一番重要であると考えていました

c 管理会計(計算)

論文対策集

→理由:管理の計算はそもそも守りの科目であったことと、この問題集しか使ってなかったので、論文対策集のみを持っていきました。そして、出題が予想される分野(標準原価計算、ABC、回転期間とか)を始め、自分が間違えてきたところをざっと復習するくらいに用いました。

d 管理会計(理論)

マスターピース(植田レジュメ/MP)

→理由:出題が予想されている部分だけ前日と直前に確認するために持っていきました。教材としてこれしか使っておらず、普段使っているものがいいと判断しました

e 監査論

松本レジュメ、改正論点レジュメ(R2改定)、基準集

→理由:松本レジュメをもって言った理由は管理と同じく、普段使っていたから。改正論点講義レジュメ持って行ったのは、最近で一番大きな改正で、出題が予想されていたため(実際に出題された)。主に、上記出題が予想されていた論点の最後の暗記確認でした。やったことはCPAの出題予想分野の復習と可能な限りの暗記。

f 企業法

ヤマ当てレジュメ(青木講師)

→理由:これは博打に近いのであまり参考にしない方がいいかもしれません笑。私は企業法が絶望的で足切りを回避することが目標でした。そのため、毎回1問~半分は当たると言っていた講師の言葉(青木講師)を信じて、レジュメの問題は完ぺきして一問はしっかり得点をとり、もう半分の大問では条文だけはしっかり当てて1点でも取り(大問0点を避ける)全体偏差値40以上で耐えるという戦略を採ったためでした。人によっては人生かかった本番の勝負で運に賭けるのは理解できないかもしれませんが、私にとってはこの方法が一番期待値が高いと考えていました。実際に、本試験第1問の問1でレジュメの問題と全く同じものが出題され、この戦略は上手く嵌ってくれて命拾いしました。

 正直片方は1点でも、、、っという理論になったのは以下の根拠からです。
 本番前の答練、企業法の第2問の平均点が12点くらい(?)だった時に、第2問で素点1点を取った方がいました。その方の第2問の偏差値が確か34程でした。この時第1問でみんなと同じくらい(平均点)得点できていれば第1問の偏差値は50になります。そうすると企業法全体の偏差値は(50+34)/2 = 42と、足切りを回避できるのです。この例から、片方の大問でしっかり平均点レベルをとれば、後はも一方で1点でも取れれば守れるという考えに至りました。正直、1点しか取れないっというのもほとんどないと思っていたので、この方法が一番足切り回避の可能性が高いと判断しました。

※ 今年もヤマ当てはやってくれると思いますが、必ず本番に出ることを保証するわけでも、この戦略がいいと進めるわけでもないです。私の考えの紹介ということをご理解ください

g 租税法

過去の答練(理論部分のみ)、基準集

→理由:計算に関してはここまで毎日コントレを回転させてきましたし、出発日も移動中の車内で復習していました。上記に加え租税法は初日の科目であり、計算力は短期間で伸びるものでもないので、計算に関しては現地でもうやることはないと判断し、教材は全ておいていきました
 短期間で得点を大きく変動させる可能性のある理論に関しては、しっかり対策をするために答練を持っていきました。普段の学習は理論テキストの高速回転をしていましたが、最後に答練を選んだ理由は以下の2点です。
問題形式で条文を探す練習を最後にしたかったこと
② 講師との相談(講義だったかな?)で本試験租税理論の何割かは、答練と似たような問題が出るよっと言われたのでそれを信じて、答練と同じようなものがでたら条文をしっかり引けるようにしたかったから
 実際に出題されたかは正直覚えていませんが、上記の意図で答練(理論のみ)持っていきました(理論が難しい回だったのでそんなに出なかったかも、、?)。

h 経営学

個別問題集(理論)、マスターキー(植田レジュメ/MK)

→理論:個別問題集(計算)を置いて行った理由は租税法とほとんど同じです。ただ、一つ違うのはMKの表紙に最低限絶対に覚えておく計算の公式をズラッと書きこんでいて、前日と本番直前に確認したことです。計算についてはこの対策のみしました。後日投稿する直前期の記事にも書きますが、経営学の計算はここまで相当時間をかけてきていますので、決して計算をしたわけではないです。実際の書き込みはこんな感じです。

間違ってる部分があっても気にしないでくださいね笑

 理論に関しては、財務理論と同様一つでも多く暗記をしていくために、個別問題集をもっていって限界まで一問一答を解いていました(飛行機の中でも解いていました笑)。経営学の理論は(例年通りなら)記述数個と一問一答が大半なので、暗記量で本当に得点が多く気ブレますし、みんな暗記が間に合わないので、ここを固めれば偏差値を大きく跳ねさせることも可能となります。っと、CPAの講師に言われたのでこれを信じて最後は一問一答に全力を注ぎました。
 上記に加えて、植田講師の経営学出題予想動画(経営学チェックメイト動画?)を視聴して、その内容は固めようと決めていました。

i 1章まとめ

 全体を通して、CPAの出題予想や、講師の言っていることを取り入れているものが多いと感じたと思います。これは、私がCPAを用いると決めた時に、選んだからには最後までこの予備校を信じてみようと決めていたからです。あと、自分で考えて悩んで迷走するより、その道で培ってきたノウハウを持っているプロの言葉を信じる方が期待値が高いと考えていたからです。ただ、自分で考えて「こっちの方がいい」という明確な意思があれば講師に何と言われようと自分の意思を優先していました。例えばCPAでは、論文生の直前期は計算に時間を使うべきではないと口を酸っぱく言っていますが、私は直前期も半分以上の時間を計算に費やしていました。私にとってはこの方が、総合合格の可能性が高いと確信していたためです。


第2章 本番のマインドと解答戦略、試験開始直前等

 この章は試験場本番で実施したこと、全体でのマインドなどを簡単に紹介します。第1章が思いのほか長くなってしまったので、可能な限り手短にします。ここからは、最初の全般を除いて実際の試験実施の順番で紹介します。

a 全般

マインド:
 正直不安でいっぱい
でした。この3日間で人生が大きく変わるというのに、全然勉強も間に合ってない、暗記も足りていない、、考えれば考えるほど不安でした。けれども、考えたところで得点に繋がるわけではないということを自分に言い聞かせて全力で戦おう!」この3か月間文字通り死ぬような思いをして勉強してきたんだから「やり切った!と思える戦いをしようと思い込んでいました。正直終わったとは、例のごとく力及ばず不合格だと本気で思っていました。しかし、「もっとこうしておけばよかった、、」等という後悔は一切なく、完全に最善を尽くしたと思っていたので、ただただ自分の力が及ばなかったことが悔いという気持ちでした。要はこう思えるように、全力を出し尽くすことが大事だと思いました。そして、結果はご存じの通り危なげなく合格していたので、「だめだ、、」っと自分では思っていても案外戦えてることが多いので、あまりマイナスのことは考えず、目の前の試験に集中するのがいいと思います
まぁ、緊張と不安でそれが難しいんですけどね、、、

実施したこと:
 TODOリストを作成して、各科目の本番直前にそれを見て自分にリマインドしていました。内容は過去の自分のミス傾向と、解答時のマインドを書いていました。以下に一部紹介します。後でも書きますが、各科目verも作っていたのですが、本番でその科目が終わったときに削除してしまい、財務会計以外は現物は残っていません。。。

緊張で忘れがちなので、これを見た効果はあったと個人的には思っています。


※ TODOリストの内容と下記各科目の解答戦略で相反する内容(1問にかける時間など)がある場合は、各科目の解答戦略を優先していました。

a 監査論

解答戦略:
白紙は絶対に作らない、何かしら書く
② どんなに難しくても絶望しない。きっとみんな分からないと思い込む。
③ 基準集に載っていることは、可能な限りそのまま書く。
④ 事例問題は頭から解こうとするのではなく、必ず小問も確認し、大問全体の流れをふんわり把握してから解き始める。

 既に結果が出てるので言えますが、R4の事例問題では「四半期×訂正報告」というとんでもない変化球が来て、多くの受験生が白紙答案になったり、そのインパクトにやられて本領発揮できなかったりなどが起こったそうです。しかし、これが今後ないとも限りません。そのため、どんな問題が出題されても何かしら書く。論文式試験は偏差値勝負(完全なる相対試験)なので、どんなに酷い答案でも他の受験生よりもいい答案であれば得点はつくし、偏差値は高くなるのです。その考えのもと、いかなる奇問難問がことうとも、思いつく限りで最善と思われる解答をしっかり書いて、白紙を作らないことを一番意識していました

b 租税法

解答戦略:
① 理論含め頭から解いていく。
② 理論は1問あたり、問題文を読み終わって1分たっても条文が思い浮かばなければ即飛ばして次へ進む。
③ 計算についても、1分考えて解答方針が思い浮かばなければ即飛ばす。
④ 計算を解く場合検算する時間はないので、解ける問題は逆に急がず丁寧に確実に得点する。
⑤ 消費税の最後まで一周終わったら理論に戻って、わかりそうな問題から埋めていく。
⑥ ⑤で理論が埋まって時間が余っていたら計算の飛ばした問題を考える。

+α:
→ 理論はわからなくても〇×は勘でも書いておく。
→ 条文の詳細(〇項〇号等)に自信がなかったら減点覚悟で「〇〇条」までしか書かない。

 租税は計算科目ということもあり、とにかく時間がない科目の1つです。そのため、限られた時間の中で最大の得点を出すための工夫をしました。先ず「この問題までたどり着いていれば解けてた~」は言語道断であってはならないことなので、必ず解答する時間がある状態で最後の問題まで見ることを意識しました。
 次に、私は理論については守りの戦略だったので、高得点をとる(条文を完ぺきに当てる)ことは考えておらず、「1点でも多く拾う」事を考えていたため、条文の詳細を間違えて0点になるよりは、「〇〇条」までしか書かず、減点されても点が確実に取れる戦略を採っていました。勿論、条文の詳細までしっかり分かるものに関しては「〇項〇号」までしっかり書いていました。

c 会計学午前(管理会計)

解答戦略:
 各大問に対して、最低30分ある状態で挑めるように意識しました。租税と同じように「この問題までたどり着いていれば解けてた~」は言語道断であってはならないことなので、必ず解答する時間がある状態で最後の問題まで見ることを意識しました。
 さらに、難問が多い管理会計ですが、大問全てが難問で1か所も解けないということはそうそうないので、超難問と分かっても絶望して諦めるのではなく、その中でも拾えるところを探す意識を持っていました。
その他は、全般で紹介したTODOリストの内容を意識していました。

 管理会計は一問一答形式に近い法人税計算と違いストーリーのような問題で、大問全体が一つの流れになっていることもあり、各小問を単発で解くというよりは、全体を解きに行ってわかる部分(小問ごと)を解答するイメージですね(租税の所得や消費みたいな)。
 上記30分の理由は、それなりにスムーズに解き進められれば、大問1つを完答できる時間が30分くらいであって、全体を解きにいくなら30分くらいないと落ち着いて解答にのぞめないと思っていたからです。まあ、管理会計めちゃめちゃ難しいので、完答とかほぼほぼ狙えないんですけどね、、、あくまでも目安として30分としていました。要はしっかり落ち着いて考えられる時間を持った状態ですべての問題を見るということです(租税と同じ考え)。

d 会計学午後(財務会計)

解答戦略:
① 超難問が来ない限り計算で完答を目指す。
② 本当にわからなけらば即飛ばすが、完全にお手上げでない限り、多少時間をかけても悩んで解答する。
③ 理論は書ける論証、基準集を使う論証は時間をかけて丁寧に描く。
④ 理論で③に当てはまらないものは、短時間で結論をまず示したうえで内容が矛盾しないことだけ気を付けて簡単に作文する(要は時間をかけない)

 財務会計の計算は、私が一番重視していた科目のため、他の科目と違って時間を使っても高得点を狙う戦略を用いていました。一方、理論は租税の理論と同じく「1点でも多く拾う」戦略のため、あまり時間をかけずに、少しでも多く得点を得る保守的な戦略を採りました。
 実際の出題結果を見てみれば第3問の計算が半減し、出題されたS/Sはかなり簡単な内容で差がつかず、加えて第5問は理論の比重が大きくなるという私にとって絶望的な出題でしたが、それは結果論です。今後このような出題が続くのか、それとも従来の計算比重高めに戻るのか、どっちになるかは誰もわからないので、その中で戦略を練る際の参考になれば嬉しいです。
 上で全般verの見返しリストを紹介しましたが、以下が財務会計の見返しリストの一部でした(全体の物は削除してしまいました)。短答時のものも残して、自分がこれまでミスを犯した部分すべてを記録して、最後の本番で同じことをやらないように意識付けしていました。

間違いがあっても気にしないでくださいね笑


e 企業法

解答戦略:
① まず両方の大問及び小問を読み、自分が自信をもって解答できる問題を1問見つけてその問題を丁寧に時間をかけて解く(ここでは45分/小問1問まで許容)
② ①で解答した大問とは別の大問の小問2つのうちどちらかで、解けそうな方(条文が分かる方)を丁寧に時間をかけて解く(ここでも45分/小問1問まで許容)
③ 残りの時間で残りの問題の内解けそうな方から、条文だけは丁寧に考えて解答を埋めていく(条文ミスはほぼ確実に0点だから)。

 企業法はとにかく足切りにかからないように、片方の大問で平均点レベル(偏差値50)を確保し、もう片方の大問では1点でもいいから得点を得る事(偏差値30以上)を目標にしていたので、上記のように異常な解答方法を取っていました。企業法でしっかり得点を見込める(合格点は取れそうな)方は参考にしないでくださいね。

f 経営学

解答戦略:
① 空白を作らない。

 経営学に関しては何も戦略は考えていませんでしたので、全般で取り上げたものを意識したくらいです。経営学は異常な出題にならない限り、時間が足りなくなる事もほぼないので解答時も頭から解いていきました。あまり参考になる事をかけず申し訳ないです。解答戦略ではないないですが、経営学の試験直前までうえで紹介した経営学出題予想のYoutube見ていました。


第3章 終わりに

 ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。書き上げてみると、なるべく纏めたつもりでも結構な文字数になってしまいました。最後にもう一度書いておきますが、ここで紹介しているのは、あくまでも私が実際に実施した単なる一例に過ぎず、最適な方法として推しているわけではない事はご理解ください。勿論参考にしてくださるのはとっても嬉しいのですが、人それぞれ適合した方法などがあるので、鵜吞みにせず判断材料の一つにでもしていただけると幸いです。私にとっての最適は誰かにとっての悪手でもありますので。この記事が、ここまで読んでくださった方が各々の最適に辿り着く一助となる事を願っています
 それでは、この記事を読んでくださった方全ての健闘をお祈りしています。

本試験頑張ってください!!

質問等あればTwitter( @KouCpaTD )にてDM等へどうぞ。
なんでも答えられる範囲で答えられる時にお答えします。

Kou


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