ストーリーがあるから人は共感できる
昨日、「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」の番組を一時間通して観ていた。
理由は、以前にも紹介した『M 愛すべき人がいて』の著書を書いたノンフィクション作家・小松成美さんが出演されるという情報を前日に知ったからだ。
こちらの本は、浜崎あゆみさんが歌手デビューをする前から絶頂期にあたるまでのストーリーが記されていることでベストセラーになった小説。
僕はこの本を読んだだけに、小松さんがいったい番組内で何を語るのかドキドキでした。
とはいえ、小松さん本人の口からとくに語られることはなく、ほとんど再現VTRだけで時間を占めていた。
どうやら同書は一年かけてインタビューを続け、一対一ではなくayuと松浦氏ふたり揃ってインタビューをしたこともあったとのこと。
このときの中居正広さんはといえば、「ブッ飛んでるよね」と笑いを誘っていた。
ただ、小松さん自身が発する言葉のなかで印象的に残った言葉があった。
「賛否はたくさんありましたが、松浦社長との出会いがなかったからあの名曲たちはこの世に生まれるこなかった」
ということ。
僕もこれは読んでいて思ったことだった。影響力を持った彼女はいろんなデマを流され、仕事だからと仕方なく全うしてきたこともあるだろうと思う。
それがやがて誤解を生み出し、嫌ってほどマイナスのイメージがついた彼女はいつしかなにを言っても誰からも信じてもらえない状況のなか孤独に生きていた。
まだまだ嫌われていますか
まだ許されはしないですか
まだまだ誤解されていますか
まだ信じてはもらえませんか
いつからかSNSから離れ、テレビ出演することもほとんどなくなり、逃げるように海外へ逃げたこともあった。そんな誰もが認める平成の歌姫にもダークサイドに陥っていた時期があった。
落ちて落ちて落ちて落ちて
落ちるところまで落ちたら
あとは這い上がるだけ
いつかこんなことをよくSNSに投稿していた。
それはたくさん葛藤して、絶望を見てきたからこそ出てきた言葉だと思う。
あとどのくらい頑張ったなら
頑張ってって言われずに済むの
あとどのくらい強がったなら
強いねって言葉聞き流せるの
このまま僕は歩いてゆくよ
この先ずっと歩いてゆくよ
こわいものなど今はもうないよ
ただその事がとても怖いよ
番組内ではさすがに一時間という枠のなかではすべては語られておらず、大事な部分が抜けているところもところどころ感じたが、
番組終了後のツイッターではけっこう反響があり、「ayuに対する見え方が変わった」という人も多くいた。
表面だけではわからないことが多い。だけど、ストーリーを知ると自分と重ねて見ることができるから、共感することができる。
僕も同書を読んだあとに改めて曲を聞いたとき、これまでと聞こえ方がまるで違うように感じた。
うまく言葉にすることができないが、よりストーリーが浮かび上がって心があたたかい気持ちになった。
きっと番組終了してから彼女を歌を聞いたことだろうと思う。そして一人ひとりが過去の自分と重ねて聞いたことだろう。
ストーリーの力ってすごい。あらためてそう感じさせられた。
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