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個性って結局何ですか?

私は、個性とは“経験値”と“身体”で出来ている。と思う。

じゃあその経験値って?
経験値っていうのはつまり、
今まで生きてきてどんな体験をしてきたか?

ということ。

こんな話があります。

パフェという食べ物がありますね?
背の高いグラスにアイスクリームやフルーツを入れ、そこにナッツ、シリアル、スポンジケーキなどを重ね、さらに生クリームを入れたり、そんなデザートのこと。

じゃあ、その中からアイスクリームをなくしたら、パフェでしょうか?

背の高いグラスではなく、横に長い器に入れたらパフェでしょうか?

パフェを作っていく過程で、一つ一つの素材が集まって、それらが全体としてパフェになるタイミングはどんな時なのでしょう?

そう考えると、パフェは沢山の素材が集まって、1つに集合した時にパフェになっているわけです。その中の1つの要素を無くしてしまったら、パフェでは無くなってしまうかもしれないし、同時に1つの要素がパフェを決定付けているわけでもない。様々な要素が絡まり合い、その全てでパフェがパフェになっている。

個性も同じだと思うのです。

人が生まれて、生きていく中で色々な体験をする。その1つ1つの体験は大したものではないかもしれないけれど、その体験や考え、学び、つまり経験値が複合的に絡まり合い、“私”という存在になっている。

だから、“私”は“私”というたった一つのもののように思えますが、様々な経験値という“複数の要素”から“私”という“1つの存在”になっていると思うのです。

例えば、人生で辛いことがあった。その辛い体験がなければもっと幸せだったのに!と強く思ったとする。でも、その辛い体験をした“あなた”だから、“あなた”なんだ。その辛い体験をしなかったら、それはもはや“あなた”ではない。辛い経験をしなかった別の世界線を進む“別のあなた”になる。それはもはや、別の人間。

今存在している私こそが、唯一の“私”という存在であり、それが個性なんだと思う。だから、個性は求めるものでもなければ、作られるものでもない、必然的に生まれてしまうものだと思うのです。

それが、個性の1つの側面である“経験値”

そしてもう一つ個性を考える上で大切なものが“身体”。

ふと思ったのです。
じゃあ、さっき言った経験値っていうものが1人の人間として“私”を作っているのだとしたら、生まれた時から一分一秒全ての経験を同じように体験したら、同じ人間になるのだろうか?ここで言う同じ体験というのは、だいたい同じとかではなく、生まれた瞬間から“全く”同じということ。例えば、全く同じ時間に同じ場所で同じ人間の身体から生まれ、同じお医者さんに同じように抱かれて、同じ両親に同じように抱っこされ、同じように泣き声を上げて、同じ光の中で目を開けて、同じ視線の動きで同じ外を見る。それくらい同じ体験。

これは極端な考えですが、もしこんな風に本当の意味で“全く同じ体験”をして生まれ、人生を生きたら、同じ人間になるでしょうか?
全く同じ身体を持っていれば、もしかしたら同じ人間になるかもしれない。

でも、なれないなと私は思ったんです。

何故なら身体というものがあり、それは全ての人が違う身体で生まれてくるから。
つまり、身体が違えば、同じ経験をしても“同じ反応”にならないなと思ったんです。

例えば大きい身体で生まれたら、その大きい身体に対して大きい小さいという判断が下されるけど、小さい身体で生まれたら、その小さい身体に対して大きい小さいが判断されることになってしまう。つまり、“基準が違う”のです。極端に考えてみた時に100㎝の身長の子供と、180㎝の身長の大人が同じボールを持った時、180㎝の大人からしたら小さなボールも、100㎝の子供からしたら大きいボールに感じられるように思ったのです。男女で考えてもそうですよね?男女では身体の構造が違うのに、同じ物差しで同じ体験を同じように感じるなんてことがそもそも出来るわけがない。そう、身体は世界を経験する“物差し”なんだ。その物差しが一つ一つ違うのだから、世界を経験する方法は全ての人間で全く違うはずだ。

だとしたら、“私”が“私”であるのは、“私の身体”で“私の経験値”を重ねて来たから存在しているのである。

経験値と身体。

この2つによって、“私”が“私”という“個性になっている”。

個性は作るものではなく、
“生まれる”もの。

自分探しの旅というものがありますが、あれは様々な場所を見て様々な経験を蓄積するためのもの。そして、旅の中で1人になり自己の内面と向き合うことで、それまでに経験したことを見つめるもの。

そうして“自分の身体に生まれた個性というものを発見する”そのための行為なんだと思うのです。

そうして生まれた個性は、唯一無二であり、“私”であり“あなた”である。


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