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インプット二乗との日常 ~猫という名の選択~

綺麗なとても綺麗な 満月の3日後の夜
僕はいま猫になった
待つことしかできなくなった
飼い主が探しにきてくれる日まで


毎日が雑踏していて
道端に落ちているものに軽く興味をいだき
目が合ったものに安請け合いで首をつっこんだ結果
やるべき課題だけが増え翻弄されながら
追わている日々を過ごしている

当たり前となった生活は嫌いでもなく
もう何年も 何年だろう…
振り返るとセピア色に浮かぶ何10年も前から
自らか選んだ結果なので
嘆くにも烏滸がましく
楽しんでやるほうが性に合い
特に気にせずにルーティンとしている


そうあの日がくるまでは
なにも気にせずに…
なにも気にならなかった


僕がここまで生きてきて
恋愛についてあまり良い印象がない

それはどこかで

そう思春期と呼ばれる時に
一度 ぐっと湧き出る感情というものに
その時の僕が一番重いと信じる蓋をしたことに
関係しているのだとは思う


人を好きになったこともある
人に好きになってもらったこともある

どんな理由であれ 自ら蓋をしたままの人間は
その中身を提示することがないまま
人と接することになる

恋愛関係において どんなに良好な関係性にみえても
はじめは  ん?て通り過ぎる感覚ぐらいのちいさな違和感から
それが積み重なり 見えないものへの不安へ変化する
原因がわからないまま影のようなものが
徐々に塊になり そしてしこりとなり 小さなヒビが入る

いつのまにか大きくなった歪に自分でさえ気が付くこともできず
分かり合うことに興味を抱けないまま終わってしまった

僕が自分を見せることがなかったからだと思う
時という蓄積は見せることができない闇を焙り出すことが可能なんだ


そんな僕が彼女に恋をした
正確には恋をしてしまったことに気が付いた

青天の霹靂などの言葉があるが
だが まさに僕にはそれだった


僕はその日から もがきはじめる

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