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猫について考える 3~猫という名の選択~

綺麗なとても綺麗な 満月の3日後の夜
僕はいま猫になった
待つことしかできなくなった
飼い主が探しにきてくれる日まで


【海辺のカフカ】村上春樹さんの10作目の長編小説である

プロローグからの引用 

「ある場合には運命っていうのは 絶えまなく
 進行方向を変える局地的な砂嵐に似ている
 君はそれを避けようと足どりを変える
 すると嵐も君にあわせるように足どりを変える
 君はもう一度足どりを変える
 すると嵐もまた同じように足どりを変える
 何度でも何度でも
 まるで夜明け前に死神と踊る
 不吉なダンスみたいに
 それが繰りかえされる
 なぜかといえば その嵐はどこか遠くから
 やってきた 無関係な “なにか” じゃないからだ
 そいつはつまり 君自身のことなんだ
 君の中にあるなにかなんだ」

15歳の少年田村カフカと
60代半ばの男性ナカタサトルと
交互に寄り添いながら
物理的に交わることなく 進んでいく物語である

こちらも 読者側がどう捉えようがおかまいなし
読み進めば進むほどに なにかを試されているような
実際はなにも試さるてるのではなく
ぽいっと 気持ちよく放置れているだけのような
不思議な心地よさを感じられる

海辺のカフカは海外でも人気があり 演劇としても広まっている
蜷川幸雄さんが演出した舞台も拝見した

字で詠んだ時も
目で詠んだ時も

ナカタさんは 僕の3番目の猫である


ナカタさんは木場勝己さんが演じている

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