遠きもの近くに 時の飛沫をたぐり寄せ
むき出しの土に
揺れる木々の影が映ります
上の方から蝉の嵐が降ってきます
風の音はしません
誰の足音もしません
来たる秋に山が粧うだけです
そうやって山も木も蝉にも
目の前には空があって
皆ができることは多くあるのです
茂った枝葉を落としました
盆路の草を抜きました
お姿はざざざっと洗い流して
ていねいに拭き上げました
花筒に水を注ぎ香の木をたてました
何もすることがないと
思っていたけれど
ささやかにもぽつぽつと
わたしにもできることがありました
したたる汗でこゝろの火が
消えないように燃やします
わたしのいるここへ
戻って来られるように
道を照らします
遠くから戻るにしても
どこかへ旅立つにしても
新しい季節のことばを届けます
わたしにもできることがありました
*****
自分が投稿した記事ですが
何とはなしに好きなものがあります。
忘れっぽい性分ですから大方の記事は
忘れてしまうのですが
未熟ながらも今はもう書けないとゆうような
深い思いを残したものがあります。
自分自身だけの観点だと思いますが
一年前に記した詩もそのひとつです。
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間もなくお盆を迎えます。
一年の中の数日に過ぎないのですが
こゝろに静けさを持てたらと思います。
大きな地震が続いている上に
雷雨や台風の懸念もあります。
どなたさまもお気をつけて良きお盆を
お過ごしくださいませ。
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