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『辺境の老騎士④バルド・ローエンと不死の将軍』を読んで

こんにちは、ことろです。
今回は『辺境の老騎士④バルド・ローエンと不死の将軍』について、感想を書いていきたいと思います。

『辺境の老騎士』は、著・支援BIS、イラスト・菊石森生、キャラクター原案・笹井一個のファンタジー冒険小説です。
3巻までイラストを描いていた笹井一個さんが亡くなってしまい、代わりに菊石森生さんが担当することになりました。
笹井一個さんは、私も大好きだったためにとても残念です。
それでも、新しいイラストも美麗で、またひとつ辺境の老騎士のイメージを確かなものにしてくれました。

4巻は、第七部と第八部、そして外伝が収録されており、第七部と第八部は6章(6話)ずつ、外伝は2章(2話)となっています。

今回は登場するキャラクターが多いからか、登場人物紹介もついています。それと今回も簡単なマップがついており、それぞれの都市や国がどの位置にあるかわかるようになっています。


4巻は、戦争の話がメインです。
第一次諸国戦争と第二次諸国戦争という名前がついており、ともに、たくさんの国たくさんの人を巻き込んだ戦争となっています。

ここで一番のポイントとなるのは、シンカイ国の物欲将軍ルグルゴア・ゲスカス。

彼が化け物級に強く、かつ開戦したのも彼のせいなので、皆が力を合わせ倒そうと必死になります。

文字通り死ぬ者もたくさんいて、サブキャラたちが命を散らしていきました。

その戦いたるや壮絶で、息もつかせぬ速さと重さとハラハラドキドキする展開に、めくるページが止まりません。

ルグルゴア将軍と騎士たちがどうなったのか見届けるまで、かなり集中して見入ってしまいました(笑)

この戦いだけではないのですが、対ルグルゴア将軍で馴染みのキャラたちが亡くなってしまうので、寂しい気持ちもあります。


途中、意外だったのが、第一次諸国戦争と第二次諸国戦争との間で(少し時間が空くのです)、ジュルチャガという主人公の仲間が結婚することや、フューザリオンという村を新しく作ることです。

新しく村を作ることになった経緯は、とある村がゲリアドラという悪魔の実のために全滅し、奇跡的にも生き残った子供5人とザリアという老婆をバルドたちが助けたのですが、他の土地に移住を勧めても頑として受け入れずここに残るというので、じゃあいっそのこと新しい村を作ろうとジュルチャガが言い出し再建し始めるのです。

バルドとカーズ、ジュルチャガ、ザリア、子供5人と少ない人数で村も何もないのですが、なんとか周りと交渉をし、必要な道具や食料を調達しながら、少しずつ少しずつ形にしていきました。

すると、その周りに住んでいた人々もそこに移り住むようになり、本格的な村になっていきます。

周りの村や町に対して、フューザリオンがちゃんとした村だと認めてもらうにはどうしたらいいか、試行錯誤があるのですが、今までの旅でバルドたち一向にはパルザム王国やゴリオラ皇国とのつながりがあり、ジュルチャガの結婚によりそれが良い方向に作用し、無事に確かな村として認められるようになりました。

ちなみに、ジュルチャガが結婚したのも意外な相手だったのですが、それが誰だったのかは読んでからのお楽しみです。


また、第一次諸国戦争のときに魔獣との戦いもあるのですが、その魔獣がどうやって生まれたのか、伝説のような昔話が残っており、ザリアがそれを知っていたため、人類がどこからやってきたか、魔獣がどのようにして作られたかの秘密が明らかとなりました。

それらをすべて抱えた上で、物欲将軍ルグルゴア・ゲスカス率いるシンカイ国との決戦があります。

ルグルゴア将軍が、なぜ化け物級に強いのか、なぜ世界を征服しようとしていたのか、それは昔話にも通じる話なのです。

ルグルゴア将軍の後ろには巨大な悪があります。

その正体はまだ明らかになってはおらず、おそらく最終巻の5巻で解き明かされるとは思うのですが、いろいろと人間だけではなく精霊なども出てくるので、ファンタジー的な要素がいよいよ強まりつつ、謎が増えていきます。

バルドは最後まで生きているのか?
死ぬとしたら、どんな最期なのか?

次巻の展開が興味深いところです。


さて、今回の食べたい料理はこちら!
獅子蟹の甘辛煮
クランプルクーゼ
牛背肉香味 蒸し焼き
川魚と野草のうしお汁
モルログのしっぽのスープ
百菜鍋

今回は戦争がメインだったため、あまり食事のシーンがありませんでした。
それでも、ひとときの癒しとして食事があること、生きているという実感が、読んでいるこちらにも伝わってくるようです。

いかがでしたか?
それでは、また
次の本でお会いしましょう~!


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