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『辺境の老騎士①』を読んで

こんにちは、ことろです。

今回は『辺境の老騎士①』の感想を書いていきたいと思います。

『辺境の老騎士』は、著・支援BIS、イラスト・笹井一個のファンタジー冒険小説です。

1巻は、第一部と第二部が収録されており、それぞれ10章(10話)ずつ書かれています。

この小説の面白いところは、主人公が老騎士であること(おじいちゃん!)と各話それぞれに美味しい食べ物が出てくることでしょうか(あとお酒も)。

いつも豪華というわけではなく、というより旅の途中なので贅沢言えない日々もあるのですが、宿に泊まらせてもらったり、その土地の領主さまの館に招かれたりしてご馳走になります。

主人公は、パクラ領の騎士バルド・ローエン。
大きな体を持ち、白いヒゲを蓄えて、スタボロスという名前の馬に乗っています。武芸の才があり戦いでは負け知らず、バルドがいればどんな敵でも怖くないと思わせてくれる、とても強い騎士です。

時勢が変わり、テルシア家に仕えていましたが引退し、愛馬スタボロスと共に旅に出ます。

旅の途中いろんな人々や事件に出会うのですが、老いた体にムチ打ち、なんとか戦いながら事件解決に協力します。

何度も命を落としかけては、ここが自分の死に場所か?と自問自答し、覚悟を決めるバルド。

でも、結局のところ勝ってしまって生きながらえるのですが。

そう、バルドはあてもなく死ににゆく旅をしているのでした。


物語は、各章小さな話が続いていき、それがいつの間にか大きな話に繋がってるような展開です。
各話にひとつずつ事件が起き、また美味しい食べ物が出てきます。

コルルロースの臓物の煮込み、ウィジクのあぶり焼き、屋台のテューティル、カルナッツのかまど焼き、黒海老の鬼鎧焼き、月魚のおどり食い、豚の蒸し焼き……
どれも本当に美味しそうなのですが、これに合うお酒を一緒にぐいぐい飲んでいくバルドたちが羨ましいというか何というか、私も食べたい!ってなります(笑)
のどごしまで伝わってくるかんじ…
わかりますかね?

バルドは旅の途中、スタボロスを亡くし、剣も壊れてしまいますが、ひょんなことから相棒と呼べる新しい武器や馬を手に入れ、また仲間も増えていきます。

敬愛していたアイドラ姫も亡くなってしまいますが、テルシア家やコエンデラ家など敵対する勢力との戦いや事件も見ものです。

そして、旅を続けるにつれだんだんと死ぬための旅ではなく生きるための旅にしていこうと心が動いていくバルド。

仲間を連れてまた見知らぬ土地を旅するのでしょうが、気持ちを入れ替え、新たな仲間も増える2巻が楽しみです。

いかがだったでしょうか?
派手な展開があるわけではないのですが、老騎士の騎士としての生き様や領主たちの清らかさ、あるいは醜さというものは考えさせられるものがあります。
また美味しい食べ物とお酒は生きるためにはかかせないもので、バルドも「喉の渇きは水を飲めば癒される。けれども心の渇きは酒でなければ癒せない」と言っていましたから、戦いとの対比として癒しの部分も楽しめたらいいのではないでしょうか。

それでは、また。
次の本でお会いしましょう!

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