気づかれないけど、大事なこと
・実在する地方の町における、高校生たちのありがちな休日の過ごし方。
・食品加工場でありがちな辛い作業。
・ちょっとマニアックなスポーツについて、ファン同士はどんな会話をすることが多いか?
これらはいずれも、私が最近、脚本執筆のために調べたことです。
どれも、いざ調べるとなると、なかなか確からしい答えにたどり着けない。
「今どきネットでちょちょいと検索すれば大抵のことはわかるだろう」と、思われるかもしれませんが、案外そうもいかないんです。
まず「ほしい情報を手に入れるには、どんな方法を取ればいいか?」を見つけることに、ずいぶん時間を取られたりするんですよね。
ともかく大変ではありますが、作品のリアリティーを保つためには細部をおろそかにはしたくはない。
さりとて、こういう細かなことの全てが、ストーリーにすごく大きく影響するわけでもない。
つまり何が言いたいかと言うと、一つの作品ができあがるまでには、「大変なわりに、その苦労に誰も気づいてくれない調べもの」を山のようにしなくてはならない、ということなんです。
「グッとくるセリフ」とか、「予想外のストーリー展開」とかは、脚本家の力量を測る要素として評価してもらいやすいけれど、実はこういう地道な調査もしてるもんなんですよ、ということを知ってほしくて書いてみました。
こういった目立たない苦労や工夫は、あらゆる仕事に存在しているはず。
文房具とか調理器具とか、日常的に使うものを「あれ? こんな安いんだ!」という値段で買って、いざ使い始めると微妙に使い辛くて「あー、だから安かったのか!」と気づくことがあります。
これって、いつも使っている製品は、気づかないレベルの細かい工夫が凝らされているということですよね。
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