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ご質問にお答えします!『脚本の結末はいつ決めますか?』
学校の演劇部で脚本を書いている方から、こちらのご質問をいただきました。
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ご質問ありがとうございます。
こちらの投稿にも書いた通り、私はいきなり脚本形式で原稿を書き始めることはなく、プロット→ハコ書きの段階を経てから脚本に着手します。
ストーリーの結末はプロットの段階で決めるので、「結末を決めないまま脚本に着手する」ということはありません。
質問者さんは「結末を決めてから間を考えていますか?」と書かれていますが、「結末だけ決まっていて、途中の展開が決まっていない」ということも私の場合はありません。
プロットにもハコ書きにも、冒頭から途中の展開、結末に至るまで、すべてを書きます。
その上で、脚本に着手するということです。
(脚本の直しを重ねるうちに、プロット、ハコ書きの時点で想定していたのとは違う結末に変更する場合もありますが、結末をまったく想定しないまま脚本を書き始めることはしません。)
質問者さんは「このようなシーンを描きたい・こんなセリフを入れたいという細切れのイメージはあるのですが……」とのこと。
「自分が何を書きたいのか?」というのは、書き手にとってもちろん重要なのですが、それと同様に「作品を通して、観客に何を感じてもらいたいのか?」ということも重要だと私は思います。
作品を自分の側からだけでなく、観客の視点でも見つめることが大切、ということです。
いただいたメッセージから受けた印象を率直にお伝えすると、今の質問者さんには「観客の視点で作品を見つめる」という感覚が足りないのでは?と感じました。
(短いメッセージから感じたことなので見当違いかもしれません。そうだったらすみません。)
「作品を通して、観客に何を感じてもらいたいのか?が重要」と書きましたが、何も「作品には、必ず壮大なメッセージを込めなくてはいけないのだ!」と言いたいわけではありません。
例えば「観終わったときに、みんなに楽しい気分になってほしい」、「じんわりと、あたたかい気持ちになってほしい」といったことでも良いと思います。
それを考えると、「どんな結末にするのがよいか?」を掴みやすくなるはずです。
質問者さんは「いい結末が思い浮かばないことがおおいです」と書かれていますが、目指すところが「いい結末」というのでは、曖昧すぎると感じます。
書き手はつい「いい作品が書きたい」「面白い作品が書きたい」と言いがちですが、「いい」も「面白い」も、指し示す範囲が非常に広い言葉です。
「いい結末が書きたい」というのでは、コンパスも海図も持たずに船で大海原に漕ぎ出して、「どこかいいところに行きたい」と言っているようなものだと私は思います。
それでは、あっさり遭難しても不思議はありません。
ですが「観てくれた人に、楽しい気分になってもらいたい」といった目標があれば、向かうべき方角を定めやすくなりますよね。
まとめると、私から質問者さんにお勧めしたいことは、
1) まずは「この作品を通して観客に何を感じてもらいたいのか?」を考えてみる。
2) 1)で決めた目標に沿った結末を考えてみる。
ということになります。
これからもお互いがんばりましょう!
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