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客席からの眺め

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お箏の演奏会は楽しい! お箏の演奏会に行くといろんな曲、いろんな情景に出会うことが出来ます。 どんな物を聴いて、何を感じたのか。素人が聴きに行った演奏会の感想を、綴ります。
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#客席からの眺め

「二十五絃箏製作30周年記念フェスティバルコンサート」

「二十五絃箏製作30周年記念フェスティバルコンサート」

野坂操寿先生が二十五絃箏を製作されて30周年とのことで開催されたコンサートです。
二十五絃箏ばかり16組。
13時から19時(途中休憩あり)という長丁場。
聴くにも覚悟がいるなあと身構えて行きましたが、あっという間でした。

なにしろ、出演者の皆さまが、一度は聴いてみたかった演奏家の方ばかり!
コロナだったり、遠方でご活躍の方だったり、タイミングがどうしても合わなかったりして、泣く泣く諦めていた方

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「第42回 箏曲新潮会 勉強会」

「第42回 箏曲新潮会 勉強会」

箏曲新潮会は、東京藝術大学邦楽科山田流箏曲専攻の卒業生の会です。
この公演は、コロナのおかげで2年ぶりの開催だったようです。
無事に開催してくださって、本当に良かったです。

山田検校他、江戸時代の曲を前後に4曲。
間に明治の「向島八景」と昭和の「三つの断章」が並んでいます。

古典のお箏らしい音色も堪能しつつ、長唄チックな向島八景と、ドラマチックな三つの断章。
あっという間のひとときでした。

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「三曲の会」

「三曲の会」

国立劇場開場55周年記念 邦楽鑑賞会 三曲の会
「平家物語をたどる」と「源氏物語をたどる」の2公演
欲張りまして、両方行って参りました。

とても楽しかったです。
「邦楽鑑賞 三曲の会」は「斯界の流派や芸系を越えて、第一線で活躍する出演陣が一堂に会する公演」とのことで、国宝級の名手の方々がご出演されます。

今回のテーマは、平家物語と源氏物語。
いずれも、能・歌舞伎・文楽など、多くの芸能に取り入れ

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「あきつしまの夕べ」

「あきつしまの夕べ」

「あきつしまの夕べ」行って参りました。

素敵でした!
庭園の池の畔に建つ数寄屋造りのお座敷です。
紅葉した木々が水面に映る様子を眺めながらの演奏。
のはずですが、
お邪魔したのは夜の部でしたので、真っ暗でした(笑)。
しかし、逆に漆黒の闇から時々聞こえる鴨の声や虫の音(たまに電車の音も)が、一段と風情を感じさせます。

まずは箏一面で、「島の朝」そして、箏と胡弓で「夕顔」
箏の柔らかい音色。胡弓

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「池上亜佐佳 河原抄子 十七絃ジョイントリサイタル」

「池上亜佐佳 河原抄子 十七絃ジョイントリサイタル」

「池上亜佐佳 河原抄子 十七絃ジョイントリサイタル」行って参りました。

楽しかった!
十七絃箏の柔らかい低音が大好きなのですが、十七絃箏は、十三絃箏と登場すると、どうしても伴奏楽器になりがちです。
しかし、リサイタルであれば、思う存分、その音色を堪能できます。
前回2020年もお邪魔いたしましたが、久しぶりのリサイタル、しかも今回は河原抄子さんとのデュオとのことで、これは必聴!と出かけました。

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「内藤美和 二十五絃箏リサイタル」

「内藤美和 二十五絃箏リサイタル」

「内藤美和 二十五絃箏リサイタル」行って参りました。

面白かった!
リサイタルの楽しみの一つにプログラムがあります。
1回限りのコンサートで演奏出来る曲は、とても限られます。
その中で、何をテーマにどんな曲を選ばれるのか。

もちろん、事前のフライヤーにも載せてくださっていますが、実際にそれらの曲を順番に聴いていくことで、なるほどなるほど、と頷かされます。

1曲目に演奏された「津軽」は、二十五

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「下野戸亜弓 現代箏曲の世界」

「下野戸亜弓 現代箏曲の世界」

「下野戸亜弓 現代箏曲の世界」行って参りました。

素晴らしかった。
4曲いずれも。
音楽を聴いたと言うより、上質な映画を見た気分。
作曲家それぞれに依頼されたとのことだが、プログラム全体で一つの物語を感じる。

凜とした歌、朗々たる語り、美しい音色、圧倒されるほどのテクニック。
その美しい響きをすべて忘れて、目の前に広がる曲の世界に吸い込まれ、心が震える。

風そよぐ穏やかな春の景色。静かに沈み

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「音のカタログ」

「音のカタログ」

「音のカタログ」行って参りました。

作曲家さんたちの、
「私たちこんな曲書いています」という見本市です。
今回は10回記念ということで、全12曲が並んでいます。

パンフレットには、
1曲につきA41枚、作曲家ご自身による、曲・作曲家・演奏家の紹介が差し込まれています。
みなさん、「依頼されて」ではなく、ご自身の想いを込めた曲を発表されています。
そして、一流の奏者の方々が、それを音にして私たち

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