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客席からの眺め

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お箏の演奏会は楽しい! お箏の演奏会に行くといろんな曲、いろんな情景に出会うことが出来ます。 どんな物を聴いて、何を感じたのか。素人が聴きに行った演奏会の感想を、綴ります。
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2022年10月の記事一覧

「新宮順子演奏会 いにしへをたづねて-絵巻-」

「新宮順子演奏会 いにしへをたづねて-絵巻-」

お箏といえば、お正月に流れる「春の海」。
皆さまご存じのこの曲を作曲されたのが、宮城道雄さんです。
この宮城道雄さんの教えを、守り伝承されている新宮順子さんの演奏会。
目で見ても耳で聴いても大変美しい「絵巻」そのものでした。

越天楽変奏曲
昭和3年、昭和天皇即位大典の奉祝曲として作曲された独奏箏とオーケストラによる協奏曲。
今回は宮城道雄さん本人が、邦楽器の合奏曲として編曲したバージョンとのこ

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「令和のハイカラさん 音楽Lab.羊のなる木 旗揚げ公演」

「令和のハイカラさん 音楽Lab.羊のなる木 旗揚げ公演」

聴いて楽しく、見て楽しく、ウキウキした余韻がいつまでも続く会でした。
主催者の原島さんは、体調不良によりご出演が叶わなかったとのことですが、3名の作曲家、3名の演奏者、そしてスタッフの方々のチームワーク感が、とても心地よかったです。

「音楽Lab.羊のなる木」さんの旗揚げ公演。
「羊のなる木」とはWikiによると「バロメッツ」という伝説の植物とのこと。
演奏を聴いた後に、バロメッツの説明を読ん

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「中島裕康 箏リサイタル2022~2023 千葉公演」

「中島裕康 箏リサイタル2022~2023 千葉公演」

圧倒的な、揺るぎのない、正確無比なテクニック。
どの音も、音程もリズムも、一分のブレもありません。
気迫のこもった演奏には、1曲終わる度に、客席から感嘆のため息がこぼれます。

その爪音を、存分に味わうことの出来るプログラムは、バラエティ豊かで、とても贅沢な気分を味わえました。

超絶技巧の十三絃箏
奥深い古典、低調子の十三絃箏
十三絃箏と十七絃箏のアンサンブル
十七絃箏の独奏
総勢12名での

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「The 箏KOTO 第3回 箏の可能性を探る」

「The 箏KOTO 第3回 箏の可能性を探る」

「The箏KOTO」は深海さとみさん、福永千恵子さん、吉村七重さんが、2020年からシリーズで続けている公演です。
1回目「箏はじめ」が2020年9月10日
2回目「箏の技術革新」が2021年6月13日
そして今回3回目「箏の可能性を探る」が2022年9月30日に開催されました。
主に、お三方がこれまで委嘱されてきた曲が演奏される会です。
今回は新たに、「The箏KOTO」初の委嘱作品が初演されま

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「金子展寛箏リサイタルvol.2」

「金子展寛箏リサイタルvol.2」

十三絃箏、低音二十五絃箏、二十五絃箏。
一言で「箏」と言っても、それぞれ個性的なこれらの楽器の持つ音、響きを存分に堪能することが出来ました。

一音一音すべてをコントロールし、緩急強弱自由自在に箏を操る演奏は、いつも曲の世界に引き込まれます。
張りのある澄んだ爪音が、減退すること無く、どこまでも飛んで行きます。

個々の曲の素晴らしさはもちろんですが、選曲とプログラムの流れがとても良かったです

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