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「The 箏KOTO 第3回 箏の可能性を探る」

「The箏KOTO」は深海さとみさん、福永千恵子さん、吉村七重さんが、2020年からシリーズで続けている公演です。
1回目「箏はじめ」が2020年9月10日
2回目「箏の技術革新」が2021年6月13日
そして今回3回目「箏の可能性を探る」が2022年9月30日に開催されました。
主に、お三方がこれまで委嘱されてきた曲が演奏される会です。
今回は新たに、「The箏KOTO」初の委嘱作品が初演されました。
 
その演奏家のために作られた曲。
しかもこれまでに何度も何度も弾いてこられた曲は、作曲者らしさを残しながらも、すっかり演奏家の身体の一部になっているかのようでした。
三者三様。バラエティに富んだプログラム。
曲ごとに、別世界が展開されて、1曲終わるごとに、次はどんな世界?この次は?と、曲の最中も曲の合間も、興奮状態が続きます。
 
最後の2曲は1990年代生まれの作曲家の曲です。
麻生海督さん「オピニオン」
向井航さん「不死鳥」(今回の委嘱作品)
 
どちらもとても面白かったです。
不死鳥の最後には、深海さんが、本当に不死鳥かと思いました。
あまりに興奮しすぎて、小躍りしそうになりました。
 
「箏の可能性を探る」
確かにそうですが、「箏」という楽器の可能性だけでなく、「人間の発想の可能性」「表現方法の可能性」「身体能力の可能性」を探るような演奏でした。
人間ってすごい。そして、面白い。
今日もまた、幸せな気分で家路につきました。
 
因みに過去のプログラムはこちらです↓
1回目
三つの断章 1942 中能島欣一
箏のための二つの相 1971 入野義朗
白から黒へ〈変転〉 1982 三善晃
箏歌・芭蕉五句 1978 湯浅讓二
タクシーム(TAQSIM) 1982 西村朗
前半3曲はYouTubeにあげてくださっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LczTVXLlQzc
 
2回目
神招琴 1989 佐藤聡明
情景三章~十三絃箏のために~ 1968 沢井忠夫
手事~十三絃箏のために~ 1947 宮城道雄
TURNS(回り)~ヴァイオリニストと箏の奏者のための~ 1983/93 篠原眞
闌拍子(らんびょうし)~声と十三絃箏のために~ 1983 杵屋正邦
双魚譜~尺八と二十絃箏のための四つの古典的寓話抄~ 1986 吉松隆
1部と2部に分けてYouTubeにあげてくださっています。
1部 https://youtu.be/o_6hPRgujXI
2部 https://youtu.be/v-m1ix4nEu4
 
*箏の波では、演奏会情報をご案内しております。是非、生の演奏を聴いてみてください。

 
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会場 東京文化会館小ホール
日時 2022年9月30日(金) 19:00
プログラム・演奏
箏とチェロの結(ゆい)より「森よ」
吉村七重委嘱作品/1983 三木稔作曲 
 二十絃箏 吉村七重
 チェロ  菊地知也
 
夢幻砧 五段砧による変容
深海さとみ委嘱作品/1988 廣瀬量平作曲
 十三絃箏 深海さとみ
 
朔索譜~独奏箏と箏アンサンブルのために
福永千恵子委嘱作品/2020 池辺晋一郎作曲
 十三絃箏 福永千恵子
 十三絃箏 丸田美紀 マクイーン時田深山
 十七絃箏 池上亜佐佳
 三味線  平田紀子
 
炎の幻声~独奏二十絃箏と弦楽合奏のための協奏曲
吉村七重初演/1988 西村朗作曲
 二十絃箏 吉村七重
 指揮・ヴァイオリン 松原勝也/弦楽アンサンブル
 
オピニオン 2019 麻生海督作曲
 指揮   麻生海督
 十三絃箏 福永千恵子
 ヴァイオリン 富井ちえり
 ヴィオラ 髙梨瑞紀
 チェロ  細井唯
 
不死鳥 箏と弦楽合奏のための
委嘱新作・世界初演/2022 向井航作曲
 十三絃箏 深海さとみ
 指揮・ヴァイオリン 松原勝也/弦楽アンサンブル


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