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和歌・センチメンタルな秋

「寂しさに宿立ち出でて眺むれば
 いづこも同じ秋の夕暮れ」
 良暹(りょうぜん)法師
寂しさに耐えかねて
外の空気でも吸って気を紛らわそうと
家の外へ出てみた
しかし
辺りを眺めても
どこもかしこも同じように
物悲しい秋の夕暮れが広がるばかりだった…

孤独や寂しさは
ネガティブなものとして嫌われがちですが、
いにしえの人びとは
実に感慨深いものとして
しみじみと味わい愛おしんでいます。

昔の人は
なんて情緒が豊かなのでしょうか。
そして、
どんな人間の弱さも受け止める強さがあるとわたしは感じます。

わたしたちもきっと、無理矢理に
ポジティブにならなくてもいいのです。

秋はどうしたって
センチメンタルになる季節なのです。
寂しくても悲しくても虚しくなっても、
それでいいじゃありませんか。 
そういうものなのですよ。

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