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和歌・愛しいあなたが触れてくれたこの髪
「朝寝髪我は梳らじ
うるはしき君が手枕(たまくら)触れてしものを」
万葉集 巻11・2578 よみ人知らず
(寝床から朝起きたけれど、髪は決してとかさない。愛しいあなたの腕枕に触れた髪だもの。)
甘い睦言を囁きながら、
恋人が愛おしむように撫でてくれた髪の毛。
恋人の体温を感じながら、
うっとりと腕枕されていた。
その感触が、その熱が、
この髪にまだ残っているかのようで、
櫛でとかしてしまうのがもったいない。
わたしのこの長い黒髪をほどいて、
指を絡ませるのはあなただけ。
もう少しだけ、
あなたに抱かれた余韻に浸りたい…。
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