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万葉集

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#文学

和歌・愛と官能の世界へ

「おほならば誰(た)が見むとかもぬばたまの我が黒髪を靡(なび)けて居(を)らむ」 万…

lily
1年前
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和歌・紅葉にあなたを想う

「我が宿にもみつ蝦手(かえるて)見るごとに妹を懸けつつ恋ひぬ日はなし」 万葉集・田村大嬢(た…

lily
1年前
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和歌・美しい恋涙

「秋萩に置きたる露の風吹きて落つる涙は留(とど)めかねつも」山口女王 秋萩におりた露が 風…

lily
1年前
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和歌・海のココロ

「大海(おおわた)の底を深めて結びし妹(いも)が心は疑ひもなし」  万葉集・よみ人しらず …

lily
1年前
10

和歌・あなたは知らないわたしの情熱

「夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ」 万葉集巻8・1500 大伴坂上大嬢 …

lily
1年前
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和歌・花のなかに花

「花ぐはし葦垣越しにただ一目  相見し児ゆゑ千遍(ちたび)嘆きつ」  万葉集巻11・2565 よ…

lily
1年前
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和歌・女ゴコロをわかって

「まそ鏡磨(と)ぎにし心をゆるしなば  後に言ふとも験(しるし)あらめやも」  万葉集巻4・673大伴坂上郎女 研ぎ澄まされた鏡のように しっかりと自制したワタシ 滅多なことでは オトコに靡かないと誓った 心の操(みさお) 心をゆるした後に 何か文句を言っても 甲斐がないでしょう? あなたはわたしに本気なの? そうでなければ、 わたしが守ってきた誇りが傷付くだけよ 本気じゃないならどこかへお行き * ホントのホントは そんな固いガードを取っ払って 男に来てほしい

和歌・早く逢いたい一心で

「この夕(ゆふべ)降り来る雨は彦星のはや漕ぐ舟の櫂(かい)の散りかも」 万葉集巻10・2051…

lily
2年前
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和歌・忘れたいのに

「忘れ草垣もしみみに植ゑたれど醜(しこ)の醜草なほ恋ひにけり」 万葉集巻12・3062 よみ人し…

lily
2年前
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和歌・あなたの想いのカケラ

「風に散る花橘(はなたちばな)を袖に受けて君が御跡(みあと)と思(しの)ひつるかも」 万…

lily
2年前
8

和歌・みどりの雨にため息

「卯の花を腐(くだ)す長雨(ながめ)の始水(みづはな)に寄る木屑(こつみ)なす寄らむ児もが…

lily
2年前
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和歌・みどりの季節に恋した

「青柳の張らろ川門(かはと)に汝を待つと清水(せみど)は汲まず立ち処(たちど)ならすも」…

lily
2年前
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和歌・黄泉がえり

「山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなく」万葉集巻2・158 高市皇子 わたし…

lily
2年前
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和歌・花と乙女

「春の苑(その)紅にほふ桃の花  下照る道に出で立つ乙女」  万葉集巻19・4139 大伴家持   春の園に とてもあでやかな 濃いピンク色をした 桃の花が咲いている あたり一面に 美しさがあふれ出すほど 堂々と咲き誇る花 その木の下に出で立つ乙女よ 桃の花のように 柔らかく紅色の頬をしたあなたは、 若い生命力と色香にあふれ においたつように美しい 笑顔もまるで花が咲いたよう 満開の桃の花とともに あなたの美しさも今が盛り 花に乙女よ すべてが 天に祝福された