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伊坂幸太郎「死神の精度」

人の死を見定める死神
一週間その人を観察し会話をし「可」か「見送り」かを判断する

死神も案外人情家で 一週間一緒にいるうちに情がわいて 
みんな「見送り」にしてあげちゃうのかななんて
お気楽に考えて読み始めた

けれども この死神 あくまでクール
死が迫ってる調査対象者に同情なんかせず 淡々と仕事をこなす

人間独自のつらいことの一つに、幻滅、があるじゃないか。…
人間は幻滅を感じるのがつらい。
 人間というのは実に疑り深い。自分だけ馬鹿を見ることを非常に恐れていて、そのくせ騙されやすく、ほとほと救いようがない。

などなど鋭い発言をする死神
でも人間の比喩的な言葉がわからずヘンな発言をしたり なんだか憎めない
最後は 結構おもしろいやつじゃんこの死神とも思える

連作短編集だけど 最後まで読むとあることに気が付き それがまた楽しい

四章目の「恋愛で死神」がいちばん好き

誤りと嘘に大した違いはない。微妙な嘘は、ほとんど誤りに近い。


小さな嘘をつくことがある
それは思いやりだったり虚栄だったり駆け引きだったりする
嘘をついた瞬間小さく自己嫌悪したりするんだけど
相手が笑ってくれるなら ちょっと作為的な嘘もありだよね

自分と他の人が同じことを考えたり、同じことを言ったりするのって、
すごく幸せに感じるんですよ。

うん確かに それはとても幸せな瞬間だと思う


(2008.05.16)


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