梅雨の憂鬱

梅雨ですね。
まいにち雨が降っています。

雨の止んだ頃を見計らって近所をさんぽしてきました。

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メルヘンカラーの紫陽花は
自分の重みで零れ落ちるまでの
僅かな季節を過ごす蝶であり
ひと粒の雨のための器

いつか最上級の枕で眠りたい
まち針のためのピンクッション

憧れのジューンブライド
血を吸うから
蚊を殺した

目覚めると綿飴に似た日曜日の朝
アイスクリームショップのテレビコマーシャル
ピンクとパープルのアイス（どんな味？）
それからママの嫌いなヌガーチョコレート

わたしの背より高いところで咲く紫陽花は
チェシャ猫かもしれない

いつの間にか小さくなって

入口を振り返っていたのか
出口へ向かっていたのか
何れにせよ、束の間の雨上がり
道は泥濘み
親指を汚した

おいで、と
あっちへいけ、は
よく似ているから
ときどき間違えてしまう

お揃いの血飛沫で
ふたりはずっと仲良し

（ママには内緒ね。）
（なぜ？）
（たぶん、ママが嫌いなやつだから）
（ヌガーチョコレートっておいしいのかな？）
（たぶんね）

湿気た布団のなかで
わたしたちは花の夢を見る

目覚めると
また、雨

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