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『解体屋ゲン』 #43 明日の天気

安全帯の問題で建設業界が揺れています。それは2019年2月から今回取り上げるベルト式の安全帯が廃止され、フルハーネス式の安全帯が義務化されるのです。
一体何が問題なのでしょうか。今回は最初から余談です。

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今回の改正の背景には、建設現場の事故原因のトップが「墜落・転落」であることです。ベルト型の安全帯は腹部に全体重が掛かるために転落時のショックで意識を失うことが多く、また自分で転落から復帰できないと言われています。

だからフルハーネスに替える…確かに安全にはその方がいいでしょうが、問題はその運用方法で、建設現場は一律高さ5メートル以上の現場ではフルハーネスの着用が義務付けられるのです。

たとえば足場を組むとか、鉄骨だけの現場では確かに必要でしょうが(鳶職の現場では既にフルハーネスが導入されてます)、最近の足場は手すり付きのものも多く、足場が組み上がった後はかなり安全です。

こんな感じ

またビルのコンクリートを打った後のフロア作業では転落の危険は限りなく少ないと思います。それでも常にフルハーネスを付けなければならない。

フルハーネスベルトとランヤード(フック付きロープ)2本合わせた重量は約2kg、職人さんはこれに加えて腰袋と呼ばれるベルト式の道具入れ+道具が3kg~7kg(職種による)、常に身体に付けていなければならないのです。

例えばノートパソコンが1kg前後で数百グラム減らすのにしのぎを削っていること、それを入れたバッグを肩にかけるのが重いといっているのに較べるとどれほどの負担が掛かっているか想像しやすいと思います。現に腰を痛める職人さんは多いのです。またトイレに行くのも一苦労です。お腹の弱い職人さんにとっては深刻な問題だと思います。

これが「義務化」の一言で、すべての現場、すべての職人さんに適合されてしまうのは不条理だなぁ、と外野ながらに感じます。どこか机上の空論というか、現実に即していない感じがするのです。学者やお役人が作ったような…。

今回のゲンさんでは、光の不注意で転落事故を招きます。

昔の話なので足場も簡素ですね

確かにフルハーネスで2丁掛け(ランヤードを2本用意し、常にどちらかは掛けてある状態にすること)ならこの事故も防げたかも知れませんが…。


現実の運用でどこに問題点があり、どのような改善ができるのかを考えて欲しいと思います。 <続く>



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