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『解体屋ゲン』 #64 ヒデ、頑張る!(中編)

ヒデが妹のために重機コンテストに出てがんばる中編です。この頃のTV番組って「◯◯王決定戦!」というのが多かったです。定番の大食いに始まり、鉄道の知識、ラーメン王、ラジコン選手権、イントロ早押しetc...、ありとあらゆる決定戦があったような気がしますが、最近めっきり少なくなりましたね。

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重機を使ってあれこれするという番組も実際ありましたし、今でも時折やってますよね。重機で料理を作ったり、だるま落とししたり…ああいうの見るとちょっとモヤッとしませんか?重機を本来の目的以外に使うことでその腕を競うというのは面白おかしく見世物にしているようで、ちょっと違うんじゃないかな、と思うこともあります。

でも、そこに出場している人たちはどうでしょう?あるいは会社名を背負って、あるいは家族の期待を背負って、自分の名前を売ろうとして…それぞれがなんらかの理由を抱えて応募している筈で、みんな真剣です。パワーショベルの先にフライパンをつけて目玉焼きを焼く、そのバカバカしさに気づきながらも必死にがんばる。そこが面白いからこそ、番組が成立するのだと思います。結局のところ、出演者たちの人間ドラマが面白いのです。どんな人の人生にも心を動かす部分がある。テレビ東京のローコストバラエティ番組は、そのことに気づいたんだと思います。なんでも鑑定団、YOUはなにしに日本に、池の水全部抜く…全部同じ構図ですよね。すごい発想の転換だと思います。

ヒデの場合はどうでしょうか。ヒデは父親の借金を肩代わりして自分が借金を背負い、それをゲンに助けてもらっているのでとても妹の学費まで出す余裕はありませせん。だから得意の重機オペレーションで百万という賞金を稼げるチャンスを逃したくない。でも、ゲンに恩義を感じているからこそ仕事に穴を開けることだけはしたくない。四文字熟語はよく知らず、キャラも押しも強くないヒデ。

プロデューサーもそう感じています

でも、そのヒデががんばるからこそ、読者は感情移入できるのではないでしょうか。これがゲンさんだったら勝って当たり前ですからね。

なんとか予選を勝ち抜いたヒデ。決勝選ではどうなるのか!次回の更新をお楽しみに。<続く>




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