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『解体屋ゲン』 #49 吸収合併<後編>

2018年も残すところあと3日、みなさんはもう仕事納めでしょうか。私もこの解説が年内最後のオープンにする仕事ですが、まだまだやらなきゃいけないことは山積みです。でも外に出てみると年末年始に関わらず仕事している人が大勢いる訳で自分もがんばらなきゃいけないな、と思います。


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今回問題にしたかったもう一つの話題はインフラの老朽化です。橋梁、トンネル、道路、今回の話のような治山事業、高度成長期に突貫で急成長を遂げた日本の国土はインフラの老朽化があちこちで進んでいます。人と同時にインフラも高齢化が進んでいて、今後の日本の土木建設業の課題の一つだと言われています。

記憶に新しいのは、笹子トンネルの天井板落下事故でしょうか。


上のトンネル事故でもそうですが、老朽化を指摘する声は以前から上がっていた訳です。事故が起きる危険性は常にあるけど、それは明日かも知れないし十年後かも知れない。

そういう時に誰が決断を下すのか、声を上げなくちゃいけないのは誰なのか…。


この話ではゲンでありトシがその役割を担います。

お役所仕事に対して


言ってることは無茶苦茶なゲンとトシ


しかし、本来なら電車を止める決断をすべきは元請であり、鉄道会社でしょう。

作中では、すぐにもがけ崩れが起きそうな状況で、そこは漫画的誇張ですが、現実には「がけ崩れが起きる可能性がなくもない」くらいの状況で電車を止めて補修工事をするでしょうか。いや、絶対に止めません、事故が起きるまで。

そしていざ事故が起きればトップが引責辞任して終わり、それが日本社会です。辞任してどうやって責任を取るというのか、昔から不思議でした。

でも取材をしてると分かるのですが、現場はそんなことは分かってるのです。分かってるけど言えない。告発したり、上司に進言したりすると出る杭は打たれるからです。

だからゲンさんたちが代わりに言うのです。<続く>


年内の仕事


今年も『解体屋ゲン』にお付き合い下さり、ありがとうございました。
みなさん、良いお年を!




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