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『解体屋ゲン』 #40 公共工事

ゲンが吠える!すべからく挑戦者というのは叫び声をあげなくてはいけない。真正面から、躊躇せず、大声で。これからの漫画家さんにも肝に銘じて欲しいですが、大勢が群雄割拠する漫画界で生き残ってゆこうと思ったら、「何か」を読者の心に届けなくてはなりません。表現方法は色々あるし、倫理的に正しい必要もない。必ずしも正面からの叫びである必要もないんですが、読者の心に深く突き刺さる「何か」を見つけて届ける必要があります。


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前回書いた通り、今回の話は重いです。公共事業の孫受け仕事を受注したゲンたちは、元請けに賄賂を請求されます。現実はもっと巧妙な手口を使うと思いますが、ここでは読者に分かりやすいように簡略化しています。


他業界もそうですが、建設業界は下請けシステムが特にすごくて、酷い時は3次、4次、5次…みたいなピラミッド構造があります。中には何一つ仕事しないで、上から降りてきた仕事を割り振るだけで手数料を取る仲介業者もいます。それでも仕事が欲しい時、賄賂を要求されたらどうするでしょうか。

こんな時現実は……泣き寝入りするか、もしくは公取や司法機関に訴えるか…いずれにしろ自分の業界内での立場を危うくするリスクを背負わなくてはなりません。

家族を抱えたり、ローンや親の介護を抱えたり、自分以外の人に迷惑を掛けたり、現実はなかなかに大変です。グッと耐えて言葉を飲み込まなければいけない場合も多い、むしろそんな場面ばかりかも知れません。所詮は外部の人間だから言える、漫画だから好き勝手できる……それはそうなんですが……。

漫画の役割ってなんでしょうか。ただの暇つぶし、スカッとしてもらう、感動する…どれも正解なんですが、時には「読者が言いたくても言えないことを代弁する」もあると思います。

普段は口に出せない本音を、心からの叫びを、漫画だからこそ読者に代わって言える、そんな回があってもいい。

どうかな、読者の心に届いたかな……。  <続く>



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