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【イベントレポート】PCAフェス2020

こんにちは!
某人材会社で主に西日本のマーケティングをしていることみです。

12月11日に総務、経理、人事担当者向けに開催された「PCAフェス2020」に参加しました。

特に2日目の株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵氏の講演が、多くの企業で求められる働き方改革を実践するために必要なことについての内容で、みなさんにも共有できればと思ったので記事にしました!

■イベント概要

日時:2020年12月10日(木)11日(金)
開催場所:オンライン開催
開催内容:企業向け会計ソフトの開発・販売をしている株式会社PCAが開催している、総務、人事、経理の担当者向けの展示会。
今年は新型コロナウイルス感染症対策として、初のオンラインでの開催となりました。

1日目はメディアアーティストの落合陽一氏、2日目は株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵氏などの各分野に精通したスピーカをゲストに迎え、バックオフィスのデジタル化や働き方改革など、多彩なトークセッションが開催されていました。

■小室さんについて

株式会社ワーク・ライフバランスの代表取締役社長
これまで1,000社以上へのコンサルティング事績を持ち、労働時間の削減や有休消化率の向上に加えて、社員満足度の増加や企業内出生率の向上など、長時間労働体質の企業を高い生産性の組織に改善するコンサルティング手法に定評があります。

経済産業省の産業構造審議会委員や厚生労働省の社会保障審議会年金部会委員。内閣府では子ども・子育て会議委員や、仕事と生活の調和専門調査会委員などを歴任されています。

「新型コロナウイルス感染症は関係なく働き方は変えないといけない」
「実は時間制限があった方が生産性があがる」と仰る小室氏は、長男を出産後2週間後に起業され、初めから働き方に制限ありの社長だったそうです。
ちなみに、経営されている株式会社ワーク・ライフバランスの全社員が残業ゼロ、有休消化100%にも関わらず震災の年以外は増収増益しています。

~国や企業の真の実力が問われる『人口オーナス期』~


人口ボーナス期は、若者の人口が多く高齢者が少ない社会状態
社会保障費が少なく済み、インフラ投資に多くの予算を投入できるので、
ますます経済発展がしやすい状態です。

≪この時代に発展しやすい働き方≫
・男女で役割を分けること(男性が外に出て女性が家を守るなど)
・長時間労働(夜討ち朝駆けの働き方など)
・なるべく同じタイプの人を揃える(均一な商品を大量に提供する規模の経済で稼ぐ)

現在の韓国やタイやシンガポールはまさに人口ボーナス期で、日本は高度経済成長期から1990年代までがその時代でした。当時は今のようなジョブ型の概念がなく、右向け右の均一な組織を作るのことが強かった日本は、中国の高度成長期の3倍稼いでいたみたいです。

一方、人口オーナス期とは若者の人口より高齢者の人口の方が多い状態
人口ボーナス期に設計した社会保障制度などの維持が困難になる時代です。

≪この時代に発展しやすい働き方≫
・なるべく男女共に境目なく共に働く環境を整備する
・短時間での労働で成果を出すこと
・様々なタイプの人を揃え、フラットな環境で働く

人口ボーナス期に成功していた、夜討ち朝駆けのような長時間労働をもとにした戦略が通じないのがこの時代の特徴。
また、一度人口ボーナス期を終えた国には二度とこの時期は戻ってこないとも言われています。
人口オーナス期で経済成長が低迷している日本が再浮上するためには、誰もがキャリアの最後まで走り抜けられる環境を整え、生産年齢人口をうまく使うことと、少子高齢化を解消し未来の労働力の確保することの、2つを同時にやらなければいけません。
そのためにも、今の日本では働き方改革はしないといけないと強く提唱されていました。

~少子化を改善するために最も重要な『男性の働き方改革』~


厚生労働省の調査によると、女性は1人目の育児体験が2人目を生むかどうかを決めるターニングポイントになり、夫の家事や育児の参画状況が第2子以降の出生に大きく相関しているとのことです。

第1子が誕生時の夫の育児の参画時間別の2子目以降の出生状況
・全くない場合
出生あり:11.9%/出生なし:88.1%
・2時間未満の場合
出生あり:25.0%/出生なし:71.0%
・2時間~4時間の場合
出生あり:56.1%/47.9%
・4時間~6時間の場合
出生あり:72.1%/出生なし:27.9%
・6時間以上の場合
出生あり:80.0%/出生なし:20.0%
※出典|厚生労働省の参考資料集より

夫の参画状況と2子目以降の出生には想像以上に大きな相関関係がありますね。。。

海外では出生率を上げるために、社会全体で労働時間の上限を設定することで、男女共に家庭と仕事の両立ができる環境を整備しているようです。

~長時間労働≠業績アップ~

優秀な人材を採用している企業の特徴は、短い時間で成果を出し、社員の集中力を担保するために、しっかり睡眠も確保していること。

人間の脳が集中できるのは、起きてから13時間までで、それ以降はお酒に酔っているのと同じみたいです。

また、長時間労働は生産性もかなり低下させ、毎日12時間労働をする人は1週間の初めの3日は8時間労働の人より生産性が高いが、4日目に逆転し、6日目で累積生産量も逆転するみたいです。

日本人の平均睡眠時間は7時間22分と世界一短く、その大きな要因は長時間労働と言われています。

睡眠では前半で肉体、後半で脳や精神の疲れを取り、入眠後6時間以降が睡眠の後半と言われているので、日頃の疲れを完全に取るためには毎日まとまったと睡眠時間を確保することが必要です。

つまり長時間労働は睡眠不足をもたらし、睡眠不足によって集中力を担保できず生産性が落ち、また長時間労働になる負のループをもたらします。

自社の社員にしっかり睡眠時間を確保してもらうために、日本でも最近導入されることも増えてきましたが、海外では退勤後11時間などの勤務間インターバルを設けていることが多いとのことです。

~生産性が高い組織を実現するために~

≪働き方を見直す4つのステップ≫
1:現在の働き方を確認する
2:業務の課題を抽出する
3:ミーティングで働き方を見直す
4:見直し施策の実施

働き方を見直すために、この大きく4つのステップが必要とのことですが、
今日からも簡単に実践できる2つのことを最後に共有します!

①朝夜メール

≪朝夜メールの3つのステップ≫
1:朝チームの全員に30分単位でスケジュールを共有
2:終業後1日が予定通り進められたのか、終わらなかった場合はその要因を振り返り
3:週・月での時間の使い方を分析。

目的は自分が抱えている業務などをみんなに見える化をすることで、上手く運用するポイントは2つあります。
1つ目は商談や打ち合わせ以外の頭の中にある作業系も入れること。
もう1つは「今日は家族の体調が悪いので・・・」や「今日は夕方から予定がある」などの業務には関係のないメンタル面のことも記入すること。
自社のメールリストややチャットツール活用すれば今日からでも簡単に実践できます。

ちなみに小室氏の会社で提供している「朝メール.com」の導入数は、コロナ禍で約7倍になっているみたいです。

②カエル会議

≪カエル会議の6つのステップ≫
1:チームの良いところを書き出す
2:リーダーによる目的とチームビジョンの確認
3:各メンバーの朝夜を共有
4:チームの課題を付箋で出し合う
5:捨てる仕事、協力することで短時間でできる仕事と、やり方を変えることで成果の質を上げられる仕事を見つける
6:解決策を付箋で出し合い翌月までのアクションを決める

ポイントは先にいい所を出し合うことで、参加している全員の心理的安全性を高めつつ、理想像と実際の業務の間で発生しているギャップを埋めていくことで、スモールサクセスを積み重ねて大きな問題を解決していくイメージです。

■さいごに

ここまでご覧いただきありがとうございます。

本日は先日開催された「PCAフェス2020」に参加した感想を記事にしてみました。

興味はあったが参加できなかった方などに実際の雰囲気が伝われば嬉しいです。

これからも西日本を中心に、お役に立てる記事を投稿していくので、興味をもっていただけたらフォローよろしくお願いいたします。

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