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AIR日高村 滞在記録④ ~全体まとめ~

【全体まとめ】

日高村での2週間は、東京での日々を客観視できるとても良い機会になりました。人々の温かさや景色の美しさ、空気と水と食べ物の圧倒的な新鮮さ。村の日常すべてが、私にとっては贅沢な体験の連続でした。

受入先の日高みよし農園さんで合計10日間、滞在中多くの時間をビニールハウスの中でトマトの収穫作業をさせていただきながら過ごしました。出勤初日に頂いたフルーツトマトは衝撃的な甘さで、全身に電流が走った驚きをよく覚えています。
三好さんからトマト作りにまつわるお話や日高での日々について伺う時間は刺激的でし た。繰り返しに思える作業も、トマトの色や苗、発育の助けとなる虫の様子は日々刻々と変化していて、三好さんはそういった繊細な揺らぎを瞬時に察知し、判断し、作業の進め方を助言してくださいました。広い視野で先 を見据え、とても研究熱心にトマトと向き合う職人魂に圧倒されました。パートさんからこれまで滞在されてきたアーティストの方々について伺えたのも良かったです。村の人々の中にアートやアーティストと関わる時間が 着実に積み上がっているのを実感できました。

滞在終わりには村内集落で野外パフォーマンスイベント開催が叶いました。地元の方の手厚いご協力のおかげで、村内外から約50名もの子どもと大人が集い、豊かな交流の機会となりました。

今回のAIRは農業に従事する ことが主軸にあるため、アーティストとして何らかの役割を果たす使命感からは解放されていたはずですが、そのことがかえって、日高村で過ごすことを純粋に楽しみ、土地の恵みと豊かさを享受しながら人々との出会いを 自然に育める機会に繋がったと思うと感慨深い。滞在やイベントを通じて出逢った方々とまた再会して、今度は一緒に作品を創ったり新たな展開を生み出せたらいいなと思っています。

自分がこれまでにやってきたことや肩書きを一旦忘れ、一人の労働者として村に滞在できる時間は気持ち的にも 軽やかで大自然の中で自由を謳歌できる喜びに満ちていました。でも同時に、ふとした瞬間に思うことや発想、 自分の中に湧き上がる衝動(ここで踊っちゃおう!ここで映像撮ってみよう!みたいな気持ち)が、やっぱり無意識的に浮上してきて、ダンスや創作が日常とは切り離せないものになっていることにも気づきました。

自然発生するそういったエモーショナルな意識とこれからも繋がり共存しよう、と思えたことも大きな収穫です。 



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