見出し画像

2023明治安田生命J1リーグ第10節ヴィッセル神戸VS湘南ベルマーレの個人的な見どころを紹介

GWはリーグ戦も連戦。暑さも少しづつ感じる中でチームをどのようにマネジメントしていくか?コンセプトは異なりますが、走るチームの神戸と湘南。昨季は残留争いだった両チームは今季好調
シーズン序盤でどんな試合を見せてくれるか非常に楽しみです

ホームの神戸は前節横浜FMと対戦
2点先行も前半で追いつかれ、後半に失点し2-3の悔しい敗戦
それでも90分本当に見ごたえのある素晴らしい試合を展開しました
だからこそ勝利したかった神戸は今季初のリーグ戦複数失点
今節はそこからの切り替えが求められる一戦になりそうです

一方の湘南は前節アウェイで上位チーム名古屋と対戦
試合前に小野瀬のアクシデント、試合中もタリクが負傷交代と厳しい状況に
堅守の名古屋相手に前半の終盤、そして後半の早い時間帯失点してしまう。しかし、後半に選手交代も含めて勢いを出し、2点とって追いつきました
山田が公式戦2試合連続ゴール。町野はPKながらリーグ戦3試合ぶりの得点も生まれ、更なる上昇へ期待がかかる一戦

昨季はお互いのホームで勝利を飾って1勝ずつ
今季はどんな結果が待っているか?GWの連戦の初戦、怪我無く良い試合を楽しみにしたいと思います

(J1リーグ 解説:加地亮さん リポーター:藤原美佳さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2023/4/28時点)(リーグ戦のみ)

ヴィッセル神戸:6勝1分2敗 勝ち点19  19得点 6失点(+13)

昨季の王者横浜FMをホームで迎えた一戦は序盤から強度の高い一戦に
前線からプレスをかけ、サイドも幅を使い攻め立てる神戸
一方の横浜FMは繋ぎながら全員でアグレッシブに攻め立てるサッカーを見せゴールに迫った
前半に本多が前線へロングフィード、DFとGKの連携ミスもあったが、汰木が見逃さずに冷静に流し込み先制に成功
更に、前半28分にサイドチェンジから再び汰木がボールを運び、タイミングを外したクロスを供給
大迫が相手DFに挟まれながらも、ヘディングシュートでゴールネットを揺らし追加点。今季の好調を裏付ける幸先の良い展開を見せた

しかし、横浜FMも簡単に試合を運ばせない
失点後すぐに中央から水沼、アンデルソンロペスとスペースを上手く利用して突破し得点。反撃の狼煙を上げる。また、前半終了間際には渡辺の素晴らしいミドルシュートで同点に
見応えのある一戦は前半から2-2の点の取り合いになった

後半もお互いに高い強度でプレーが続き、両指揮官も交代については悩む時間帯も多かったかもしれない
それでも横浜FMは前半の神戸と同じように、サイドからのクロスでアンデルソンロペスが冷静に仕留め勝ち越しの3点目。神戸は佐々木やパトリッキ、イニエスタを投入し打開を図るが、得点を奪えず悔しい敗戦となった

Jリーグ公式HPより引用

2点リードからの敗戦に対して吉田監督は試合後に「自分たちのやりたいことは出せた試合になった。やはり一瞬のスキを見せると、そことで仕留める力を持っている印象」と語った
その後に「下を向かずに、またホームでできるので、次勝ち点3を取ってサポーターの皆さんと喜びを分かち合いたい」と伝えていました

交代はこの試合は3人。試合強度が高い中そこを崩したくないとい語った吉田監督ですが、今節からは連戦が続きます。チームマネジメントも含めてどのように戦うのか?そして、齊藤選手が契約上出場できない中で誰をチョイスして全員で戦うか注目したいところです

湘南ベルマーレ:2勝5分2敗 勝ち点11  18得点 14失点(+4)

ボール保持ではなくカウンターの一刺しの堅守を見せる名古屋に対して、前半はボールを持たされる部分も多かった湘南
それでも今季の湘南はボールも保持しながら、繋ぐ意識も見せサイドからのチャンスメイクも多く、前半はオフサイド判定だったが、阿部の良い抜け出し、そしてシュート場面もあった

湘南は前半39分にタリクが負傷交代。その2分後に名古屋にスペースを疲れ粘り強く守るも森下に押し込まれて失点。0-1で前半を折り返す
ハーフタイムで中野から畑にメンバーを交代して打開を試みるも、後半の立ち上がりにCKから失点を喫し2点のビハインドとなった

それでも、失点から6分後に途中交代の山田が相手DFとの駆け引きに勝利し公式戦2戦連発となる得点をマーク
更に79分にマテウスの得点で3失点目かと思われたが、その前のPA内の接触に対してVARが介入
結果的に名古屋の3点目は取り消され、湘南はPKを獲得した
そのPKを町野が冷静に右隅に流し込みリーグ戦3試合ぶりの得点を記録
湘南はリーグ戦今季ここまで複数失点がなかった名古屋相手に2得点と、今季好調な得点力をアウェイの地でも見せた

Jリーグ公式HPより引用

今季9試合を戦って18得点はリーグ2位の得点力
昨季からの課題であった得点力を解消し、4月は公式戦無敗(2勝4分)を記録している
山口監督も「先に2失点したことで試合を難しくした。ただ、全員がゴールに向かう意識の中プレーしてくれました」と語った
その言葉通り、今季はここまで1試合平均で約12本のシュートを放ち、平均で2得点を記録
今季の湘南はより勇敢に見える。これまでハードワークという言葉で「湘南スタイル」という表現も多くあった
今季はより高いラインで戦い、コンパクトに戦い、相手に先制を許しても追いつく粘り強さを見せている(先制された試合の戦績は4分1敗)

川崎F、横浜FM、名古屋とも対戦し勝利こそつかめなかったが、引き分けで勝ち点をしっかりと積み上げた。今節は首位神戸に対して、新湘南スタイルで勝ち点を積み上げるか注目したい

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

リーグでの対戦成績は神戸の7勝、湘南の10勝、引き分けが9つ
昨季はお互いのホームで1勝を挙げている

神戸ホーム)1-0で神戸勝利(得点:大迫)

湘南ホーム)2-1で湘南勝利(得点:町野が2得点 神戸は菊地が得点)

2021年は神戸のホームで神戸が3-1の勝利(古橋、山口、中坂が得点 湘南はタリクの得点)
湘南のホームは0-0のスコアレスドロー

2020年は神戸のホームでは湘南が2-0の勝利(岡本、そして齊藤未月のロングシュートで勝利)湘南のホームでは1-1で引き分け(湘南は大岩、神戸は酒井が神戸加入後初ゴールを記録)

神戸はホームでは対湘南戦連勝中。昨年の神戸ホームの試合では町野は帯同せず。今節は神戸が齊藤未月不在の中でどう戦うか?楽しみです

★古巣対戦
神戸:齊藤未月選手は古巣対戦ですが、湘南に所属しており契約上の関係から出場は不可

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)


ヴィッセル神戸:6勝1分2敗で勝ち点19の首位 (19得点6失点)+13

先制試合:7試合 6勝0分1敗(前節の横浜FM戦で今季初の逆転負け)
先制された試合:1試合 0勝0分1敗(4節の浦和戦のみ)
スコアレスドロー:1試合(7節の新潟戦)

ホーム: 2勝1分2敗 勝ち点7  7得点  4失点 得失点+3
アウェイ: 4勝0分0敗 勝ち点12 12得点 2失点 得失点+10

リーグ戦では8名が得点(大迫6得点、武藤・汰木3得点、佐々木・酒井が2得点、山口、泉、パトリッキが得点を記録)

複数得点:5試合  
複数失点:1試合
無失点:5試合 
無得点:2試合

<得点>前半に7得点 後半に12得点 
<失点>前半は3失点 後半は3失点
前半・後半開始15分以内の失点は今季ここまでなし

19得点中セットプレーでの得点は5点の26.3%。
大迫のPK,初瀬がFKとCKから起点をつくる(CKから2得点、FKから1得点)
6失点中セットプレーからの失点は1で割合は16.7%(2節札幌戦のPKでの失点のみ)

プレスで奪っての得点や、サイドを使ってそこから得点を取る今季の神戸。ここまで武藤が3得点5アシストと得点に大きく関与
大迫も決定率が35.3%とコンディションの良さが見える

中盤の山口、齋藤も抜群の安定感。山口はインターセプト、齋藤はタックル数でリーグ上位のスタッツ。気がかりなのは途中交代選手でどれだけ流れを変える事ができるかどうか。連戦や夏場のタフな試合で試合をしっかりと運び、勝つ事ができるか長いリーグ戦を見据えた変化にも注目したい

湘南ベルマーレ:2勝5分2敗で勝ち点11の11位 (18得点14失点)+4

先制試合:4試合 2勝1分1敗(5節の福岡戦で逆転負け)
先制された試合:5試合 0勝4分1敗(3試合連続先制を許すも同点に追いつく)
スコアレスドロー:なし

ホーム: 1勝2分1敗 勝ち点5  7得点 6失点 得失点+1
アウェイ: 1勝3分1敗 勝ち点6 11得点 8失点 得失点+3

リーグ戦では8名が得点(町野6得点、大橋3得点、平岡・小野瀬2得点、山田、鈴木章斗、タリク、杉岡が得点)

複数得点:5試合 
複数失点:5試合
無失点:0試合(リーグ戦での無失点試合なし)
無得点:1試合(4節京都戦のみ) 
最多得点として1節の鳥栖戦で5得点

<得点>前半9得点 後半に9得点 
<失点>前半は4失点 後半10失点
後半にセットプレーからの失点も(セットプレーでの3失点は全て後半)

昨季は18得点中セットプレーでの得点は4点の22.2%。前節の町野のPKに加えて、永木のFKとCK,中野のCKから得点に
14失点中セットプレーからの失点3で割合は21.4%(FKから1失点CKから2失点)

良く走り、多くの選手が連動する。町野は6得点もだがアシストも2つとポストプレーや献身的な場面も多い
町野に加えて、永木・中野が2アシスト。小野瀬、奥野、大橋、阿部、山田、平岡、杉岡と10人がアシストを記録(神戸は8人)
チーム全体でゴールに向かっている事がしっかりと数値でも表れている

タリク、小野瀬の負傷はチームにとって大きな影響を与えるが、チャンスを得る選手たちの活躍にも注目したい

個人的な見どころ

Jリーグからもプレビュー記事、見どころが出ています

記載の通り首位を走り今季最多得点数19得点を誇る神戸は、得点数2位の湘南と対戦する
見どころは得点だけではなく、そこに至るまでの守備のプロセスにも注目したい
強度の高いプレスでボールを奪い、そこからスピード感を持ってゴールに迫る場面も多い神戸。もちろんそれだけではなく、幅を使った攻撃でサイドからのクロスでチャンスメイクも見せている

神戸は大迫、武藤、汰木の3人で12得点(6アシスト)を記録。そこには井出や山口、齊藤の貢献度も非常に大きい
今季も連動した攻撃を見せつつも、攻守でハードワークし戦えるか注目したい

走る湘南を継続させつつ、繋いで、連動して勇敢に戦う。今季の湘南は過去から更なる積み上げにより挑戦しているように見える
従来通り良く走り、走行距離はリーグ3位。そして昨季課題だった得点力はリーグ2位。シュートも1試合平均約12本とゴールへの意識を全員が持ち合わせている
だからこそ10名の選手にアシストが生まれ、4月公式戦負けなしという結果を生み出している。ただ、リーグ戦は直近の3試合全て引き分け
粘り強く戦えているからこそ、勝利をして勝ち点3を積み上げたい

リーグ得点ランキング2位同士の攻防

神戸の大迫が今季ここまでリーグ戦6得点。早くも昨季の7得点に並びそうな勢いだ。怪我無くここまでは質の高いプレーを見せてくれている
鹿島在籍時に記録した2013年の19得点以来の2桁得点を記録できるか?その貢献度は得点という結果だけではなく、ポストプレー、起点という部分でもチームに攻守で貢献。大迫を信じてプレーする周囲との関係性も良好に見える

湘南の町野はガンバ大阪戦で脅威の4得点(約20分間で)昨季の湘南ホームの試合では2得点を記録
神戸ホームの一戦は帯同せずプレーはなかったので、2年ぶりに神戸のホームでプレーする可能性が高い
前節はPKでの得点で3試合ぶりにゴールを記録。今季はここまで2アシストと起点となるプレーも行い、決定力以外の部分で幅を広げている
現在得点ランキング上位にいる2人の攻守での振る舞いにも注目したい

齊藤不在の神戸。ケガ人もいる湘南。総合力で勝るのは?

神戸にとって1番の不安要素は齊藤が契約上出場できない事によりバランスの変化かもしれない。それだけ今季加入した齊藤は中盤で山口と共に再三ピンチの目を摘んできた
ただ、長いシーズンを見れば累積警告や負傷、コンディション調整での離脱は十分に想定される。水曜日の名古屋戦控えているため、チームとしての総合力が問われる一戦になりそうだ

可能性としてはアンカーでもプレーできる大崎。他にもダブルボランチの選択などバリエーションはあるが、出場機会の可能性が広がる大崎・佐々木には期待がかかる
神戸は今季リーグ戦での得点が19得点。そのうち途中交代から得点を記録したのは2得点のみ(1節のパトリッキと8節の佐々木)
またカップ戦ではここまで1勝3敗(2得点9失点:大迫とリンコン)と主力選手以外の奮起が長いシーズン戦うためには必要になってくる

一方の湘南も名古屋戦で小野瀬、タリクというハードワークできる2人が負傷。開幕戦で圧巻のハットトリックを記録した大橋も川崎戦で負傷と前線の選手にアクシデントも(池田もカップ戦で肩を負傷)
湘南も18得点中、途中交代からの得点は3得点(平岡、鈴木、山田が記録)もカップ戦では1勝3分けで負けなし(4得点1失点)そのカップ戦では山田が3得点と好調(カップ戦での得点ランキングは2位)

可能性として山田が今季リーグ戦初のスタメンを勝ち取るか?そして公式戦3試合連続ゴールにも期待が集まる
また攻撃面は好調な湘南はここまで14失点と、ラインを高めることで当然裏のスペースや、後半の失点数が多いのは疲労も影響している可能性が高い
チーム一丸となって攻守に自分たちのやりたいサッカーを見せる事ができるか?楽しみです

明日4月29日はあいにくのお天気の可能性があります。それでもコートの中では熱のこもった素晴らしい試合を見せてくれるはず。明日14時~ノエビアスタジアム神戸での熱戦是非お楽しみください!

サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。