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天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会準々決勝 セレッソ大阪VSサンフレッチェ広島の個人的な見どころを紹介

シーズンもいよいよ佳境を迎えているJリーグ。リーグだけではなく、天皇杯やカップ戦とタイトルに関わる試合も続きます

その中で9/7は天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会準々決勝 セレッソ大阪VSサンフレッチェ広島の一戦を実況担当。会場はヨドコウ桜スタジアムです

リーグ戦では上位に位置する両チーム。特に広島は公式戦7連勝中で絶好調。リーグも5連勝で現在暫定ですが首位に立っています

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2022明治安田生命J1リーグ順位表(Jリーグ公式HPより引用)

試合数は各チームによってばらつきはあります(セレッソ大阪は2試合少ない状況ですが現在6位)今季はW杯の兼ね合いもありタフな連戦が続きますが、その中で怪我無く、そしてチームとしても結果を積み上げたいシーズンです

セレッソ大阪とサンフレッチェ広島が天皇杯で対戦するのは2006年以来16年ぶり※その時は3-0で広島が勝利(後半に駒野、佐藤寿人、青山の得点で勝利)
セレッソは2年連続のベスト4進出。そして、5年ぶりの天皇杯制覇となるか?一方の広島は天皇杯は5度準優勝の記録はあるものの、優勝はまだなし。6度目の挑戦権を掴むために7年ぶりのベスト4を目指します

なお、今年の天皇杯では大会史上初めて準々決勝からVARが適用。更には、声出し応援も適応される試合となります。平日の夜ですが、どのような戦いになるのか楽しみにしたいと思います

(解説:加地亮さん リポーター:池田愛恵里さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2022/9/6時点)

セレッソ大阪:11勝8分7敗で勝ち点41の6位 (40得点31失点)

セレッソ大阪は現在リーグ戦では2試合未消化。それに伴い、9月は過酷な連戦が待っている。改めて9月のスケジュールも見てみましょう

■セレッソ大阪は9月連戦で7試合を戦います
9/2(金)VS札幌(A)28節(1-2で敗戦)
9/7(水)VS広島(H)天皇杯準々決勝 中4日
9/10(土)VS鳥栖(H)29節 中2日
9/14(水)VS浦和(A)26節 中3日
9/17(土)VS磐田(A)30節 中2日
9/21(水)VS浦和(H)カップ戦準決勝① 中3日
9/25(日)VS浦和(A)カップ戦準決勝② 中3日

今季連敗がなく好調だったセレッソ大阪の勢いを止めたのが広島でもありました。8月27日の対戦では0-3の敗戦。ホームで5月以降負けなしという強さを誇っていたセレッソ大阪でしたが、今季3度目の対戦で再び上昇気流に乘りたいところです

そんなセレッソ大阪は前節アウェイで札幌と対戦。前半から再三チャンスをつくり札幌のゴールに迫りますが得点は至らず0-0で折り返し

この試合も声出し応援適応試合ということもあり、両サポーターから力強い後押しがありました
その中で途中交代で入ってきた中原がらしいスペシャルな左足のシュートで嬉しいJ1初ゴールをマークし1-0とセレッソ大阪が先制に成功します

しかし、札幌は最後の最後まで粘り強く戦い、こちらも途中投入のキムゴンヒが来日初ゴール。そして青木が劇的な得点で札幌が逆転勝利を飾った

2022年9月2日札幌VSセレッソ大阪の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

最後まで両チーム勝利を目指してアグレッシブに戦った試合でしたが、最後は札幌の粘りが勝ったこの一戦

セレッソ大阪は今季初の連敗。しかしながら、タイトルがかかった1発勝負の一戦で、同じ相手に3度負けないと選手たちも高いモチベーションで臨んでくるはず

今季は特に守備面というよりはアグレッシブな攻撃でチームの勢いをつけている。だからこそしっかりとチャンスで決めきり、自分たちの流れを掴むことができるかどうか。今節もそうだが、途中交代の選手たちが何度もヒーローになってきている

一方で、前回の広島戦や今回の札幌戦のように途中から入った選手たちがしっかりと試合に入り切り、集中できれば勝利はより近づくかもしれない
広島も後半に強いチームではあるが、試合全体を通じて、勝つ気持ちを押し出せるか楽しみにしたい

サンフレッチェ広島:14勝8分6敗で勝ち点50の首位 (45得点28失点)

まさに「絶好調」で公式戦は7連勝中。リーグも5連勝でとうとうこの終盤に暫定ながら首位に立ったサンフレッチェ広島

試合を見ていてもチームの雰囲気は良く、退場して1人少ない状況でも勝ち切る事ができる強さを持っている

ただ、その広島にとっても今週は1つの山場かもしれない

■サンフレッチェ広島は9月6試合の中でアウェイ4連戦がある
9/3(土)VS清水(H)28節(2-0で勝利)
9/7(水)VS C大阪(A)天皇杯準々決勝 中3日
9/10(土)VS川崎(A)29節 中2日
9/17(土)VS名古屋(A)30節 中6日
9/21(水)VS福岡(A)カップ戦準決勝① 中3日
9/25(日)VS福岡(H)カップ戦準決勝② 中3日

中3日でアウェイの地で1発勝負の天皇杯準々決勝
そして、中2日で上位川崎Fとの対戦となる
この過密スケジュールでのアウェイ連戦。チーム状態が良いとはいえ、リーグ戦では塩谷は出場停止、メンバーの編成も楽しみなポイントだ

2022年9月3日広島VS清水の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

前節も守備の固さと、勝ち切る強さを見せつけられた
後半20分に塩谷が乾の突破を止めるための守備がVARのサポートもあり、レッドカードが提示され退場

1人少ない状況になった広島は5-4-1となり、自分たちのボール保持の時間になればそのボールを大事に扱い、少ないチャンスをしっかりと得点の結びつけた
前半は両チーム高い強度で戦い、0-0で折り返し。広島が1人少なくなったところで、前がかりになった清水が結果的にカウンターを受ける形となった

そうしたしたたかさが今季の広島にはある。DF陣は高さに強さもあり、リーグでのセットプレーからの失点はわずかに3失点
アタッカー陣も強烈で、2列目の選手である森島が7得点。満田も6得点でチームをけん引。今季は18名がリーグ戦で得点をマークするなど、攻守で高いバランスを見せてくれている

そんな広島にとってこの連戦は1つの山場。9月後半にはカップ戦の準決勝も控えている。その中でチームとして誰を送り出し、どのように戦うのか?1発勝負の天皇杯だけに、その采配にも注目したい

過去の対戦戦績(セレッソ大阪の17勝・サンフレッチェ広島の25勝・4度の引き分け)リーグ戦のみ

リーグ戦での対戦成績は広島に分があり、今季はホームアウェイ共に広島が勝利している
今季3度目の対戦となり、また両チームカップ戦も残っており、勝ち上がれば決勝で戦う可能性も残している

今季はまず、17節に広島ホームで対戦し2-1で広島が勝利(広島:野津田、ドウグラスヴィエイラの得点 セレッソ:ブルーノメンデスが得点)

27節はセレッソ大阪のホームで対戦し3-0で広島が勝利(広島:茶島、松本、ピエロス ソティリウが得点)
※セレッソ大阪はホームでの約3か月半続いた負けなし記録が途絶えた

●現在在籍選手の得点記録
セレッソ大阪に現在所属していて対広島戦で得点を決めている選手は
今季はブルーノメンデス、2021年に奥埜と進藤
そして、清武が過去4得点(2010,2011,2017年)
マテイヨニッチが2017年に2得点を記録している

一方のサンフレッチェ広島に現在所属していて、対セレッソ大阪戦で得点を決めているのはドウグラスヴィエイラと青山がが2得点
茶島、松本、ピエロス ソティリウ、野津田、塩谷、浅野雄也がそれぞれ得点をマークしている

※松本はセレッソ大阪は古巣対戦にもなる(2021年に半年だけ期限付きで在籍。リーグ2試合プレー)

両チームの今季天皇杯の勝ち上がり


★勝利チームが京都サンガFC対東京Vの勝利チームと準決勝で対戦

セレッソ大阪)3試合とも複数得点(失点もあり)8得点4失点
6/1 2回戦関西大学に3-1で勝利(加藤、ブルーノメンデス、船木の得点)

6/22 3回戦ベガルタ仙台に3-2で勝利(ブルーノメンデス、ヨニッチ、ジェアンパトリッキが得点)

7/13 ラウンド16名古屋グランパスに2-1で勝利(OGと後半43分に為田が得点)

サンフレッチェ広島)天皇杯無失点 8得点無失点
6/1 2回戦ホンダロックSCに2-0で勝利(満田、佐々木の得点)

6/22 3回戦横浜FCに5-0で勝利(森島、東、ドウグラスヴィエイラ、松本が2得点)

7/13 ラウンド16ザスパクサツ群馬に1-0で勝利(塩谷が得点)

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)2022年9月6日時点

セレッソ大阪:11勝8分7敗で勝ち点41の6位 (40得点31失点)

先制試合:15試合 8勝5分2敗(17節の広島戦,28節札幌戦で逆転負け)
先制された試合:10試合 3勝2分5敗(14,22節のガンバ戦、19節の川崎戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:9節の福岡戦

ホーム: 6勝4分4敗 勝ち点22  20得点  17失点 得失点+3
アウェイ: 5勝4分3敗 勝ち点19 20得点  14失点 得失点+6

リーグ戦では15名が得点
加藤が5得点
山田、タガートが4得点
ブルーノメンデス、奥埜、パトリッキ、毎熊、乾(清水へ移籍)が3得点
上門、船木、清武が2得点
進藤、鈴木、マテイヨニッチ、中原が得点

複数得点:14試合  
複数失点:8試合(リーグでは2試合連続複数失点中)
無失点:6試合
無得点:6試合(3節、7節、9節、10節、13節、27節)

<得点>前半に15得点 後半に25得点 
<失点>前半は13失点 後半は18失点

今季は40得点中セットプレーでの得点は10点の25%。原川のCKから2得点、鈴木がFKとCKから5得点を演出。PKで2得点(メンデス、清武)

31失点中セットプレーからの失点10で割合32.2%(FKから1失点、CKから6失点、PKで2失点等)

途中交代から流れをつくることができる選手が多いのも1つの特徴。また清武の復帰もチームにとっては大きな影響をもたらすはず。また広島はセットプレーの守備も固い。セレッソにとっては後半勝負ではなく、前半からしっかりと決めきる事ができるが重要になりそうだ

サンフレッチェ広島:14勝8分6敗で勝ち点50の首位 (45得点28失点)

先制試合:15試合 12勝1分2敗(11節の柏戦,23節FC東京戦で逆転負け)
先制された試合:11試合 2勝5分4敗(17節のセレッソ大阪戦,26節のガンバ大阪戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:2試合(開幕節の鳥栖戦と13節の浦和戦)

ホーム: 9勝3分3敗 勝ち点30  26得点  12失点 得失点+14
アウェイ: 5勝5分3敗 勝ち点20 19得点  16失点 得失+3

リーグ戦では18名と多くの選手が得点
森島7得点
満田6得点
ベンカリファ5得点
松本、柏、ドウグラスヴィエイラ、川村が3得点
野津田、佐々木、ジュニオールサントス(ボタフォゴへ移籍)2得点
荒木、野上、茶島、藤井、柴崎、鮎川、エゼキエウ、ピエロス ソティリウが得点

複数得点:13試合 ※最多得点は26節ガンバ戦5得点
複数失点:10試合 ※最多失点は20節の横浜FM戦で3失点
無失点:11試合
無得点:5試合(開幕節、5節川崎戦、13節浦和戦,15節G大阪、20節横浜FM)

<得点>前半に11得点 後半に34得点 
<失点>前半は12失点 後半は16失点 後半に強い

今季は45得点中セットプレーでの得点は12点の26.7%
野津田と満田のFKとCK。ドウグラスヴィエイラのPKでも2得点

28失点中セットプレーからの失点は3で割合は10.7%と安定した守備(FKとCKから1失点ずつ:FC東京戦でFKから失点、川崎F戦はCKからオウンゴール等)

後半に34得点は脅威の数値かもしれない。得点と失点がリーグ2位タイという攻守にバランスの良い広島を支えるのは間違いなく個々の運動量
無駄な走りはせずに、チームで強度の高い運動量を見せている

連戦はもちろん厳しさもあるが、良いチーム状況の中で楽しみにしている選手たちも多いはず。冴えわたるスキッベ采配が天皇杯でも結果を出し続け、タイトル獲得に一歩近づくか楽しみにしたい

個人的な見どころ

再起に燃えるセレッソ大阪は同じ相手に3度敗れるわけにはいかない。そう強く思っているはず
もちろんプロのプレイヤーなので、毎試合そうした高いモチベーションであるはずだが、今季ここまでで唯一のシーズンダブルを喫している広島相手に勝利をしてリーグ戦にその勢いを繋げたいと思っているはず

一方の広島は7/30のFC東京戦での逆転負け以来負けなし。そして何よりも引き分けがなく7連勝という部分にチームの強さが反映されている

しかも全てが複数得点で、その中には川村・エゼキエウ・藤井・茶島・ピエロスの今季リーグ戦初ゴールが生まれておりチーム内で競争が激化している

こうした連戦の中で、最後まで粘り強くチームのために全選手が戦いきることができるかどうかは勝つための1つのポイントになる

セレッソ大阪からすると、得点力のある前線でしっかりと決めきる事ができるかどうか。前回対戦時も立ち上がりからチャンスをつくることはできていた、特に今季は中央からもサイドからもチャンスメイクすることができている
あとは決めるべきタイミングでしっかりと得点にできるかどうか。広島は中央も固く簡単にチャンスを与えてくれないかもしれないが、それでもボールを保持した中からの組み立てでも、カウンターからでもチャンスをつくれる今季の布陣だけに得点をして流れを早々に掴んでいきたい

一方の広島はこれまで同様に豊富な運動量で、誰が出ても粘り強く走り切り勝ち切るスタイルを体現したい
決して無駄な走りではない、チームが連動した動きで再三相手チームにプレッシャーをかけてきた

前回の対戦時もそのプレッシャーから相手のミスを誘い、きっちりと得点を決めてきている。おそらく練習の中でもそうした強度の中で、個々の選手がやりきる姿勢を見せているからこそ結果にも繋がっているのだと推察できる

中3日かつ立地上ではアウェイのスタジアムで、いつも広島らしさを体現して勝ちきる事ができるかどうか

気持ちの面ももちろんだが、選ばれた選手たちがチームのコンセプトを体現し、結果を出す事でベスト4を手繰り寄せる事ができる

いずれにせよ、今季結果を出している両チームの熱戦に期待をしたい。試合は18時30分にヨドコウ桜スタジアムでKO!スカパーで楽しむこともできるので是非ご覧ください!



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