見出し画像

Bリーグ2023-24シーズン第26節京都ハンナリーズ対広島ドラゴンフライズの個人的な試合展望

B1リーグは最終節まで熾烈な戦いが続く
地区優勝、CS争い、残留争い。様々な可能性が残る中で、今季を実りある結果にするための熱戦に期待したい

移籍市場も3/19に最終の契約発表が行われた
残り約1か月半でどのようなドラマが生まれるか楽しみにしていきたい

3/20の祝日にはバイウィークをあけたB1リーグが再開
京都は約1か月ぶりのホーム戦で、今季4度目の対戦となる広島を迎える
先日は新アリーナ構想の進展もあり、京都はホームで強さを示したい

広島は対京都戦は今季3連勝中。CS進出に向けての同地区対決でしっかりと勝利を飾りたい一戦

このバイウィーク期間での休息と積み上げの結果をコート上でどう見せていくか?熱戦に期待しましょう

解説:根間洋一さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(2/6時点)21節終了時点

京都ハンナリーズ【平均77.6得点(リーグ14位)平均84.8失点(リーグ21位)】13勝29敗で西地区8位

前節はアウェイ琉球戦は106-80で敗戦
琉球の3Pが高確率で決まった背景もあった(20/37で成功率54.1%)とはいえ、そうさせない守備や主導権を握る時間をどれだけ自分たちでつくることができるかどうか

TOは少なく、セカンドチャンスなど粘っての得点も多く見れた点は収穫だ。その一方でアシスト数は今季平均の18回を下回る16回
岡田選手のマークが厳しくなる中で、チーム全員でどのようにボールシェアをしながら得点を取れるかどうか
負傷から復帰した前田もプレータイムを確保し、守備の部分では存在感も

ライト、前田、ジョーンズ、岡田、青木とアウトサイドのシューターたちの脅威も増せば、インサイドに強い京都のオフェンスはより脅威となる

今節の相手は守備の固い広島だ。今季3度の対戦では広島に上回られる時間が多かった。攻守の切り替えの部分で、広島より集中力高く臨む事ができるかどうか?高みを目指し、共に登る京都の成長に期待したい

広島ドラゴンフライズ【平均78.9得点(リーグ12位)平均74.1失点(リーグ3位)】22勝20敗で西地区4位

CS進出に向けて、ここからはいかに勝利を積み重ねていくか
特に同地区対決での一戦は大きな影響を持つ
島根とのゲーム差は「2」西地区で3位以下でもWC争いではまだまだチャンスも残っている。そして、京都戦の後にはホームで名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎える
良い勢いを持って週末を迎えるために、その勝ち方も重要になる

前節の佐賀戦では良い守備から徐々に自分たちの流れをつくっていた
それでも1Qや3Qでは佐賀にペースを握られる五時間もあった。ただ、我慢強く全員で戦える広島の強みを生かして、出た選手がしっかりと役割を発揮し献身的にプレーができた

寺嶋の負傷もあり、インサイドに対して思い切ったプレーはできていない部分もあるが、内と外をバランスよく動きながら、特に外のシュートを高確率で決めて点差を広げた

終ってみれば6人の選手が3Pを2本以上成功させ、成功率は14/32で43.8%
今季の3Pの平均が9.2/28で32.7%という部分を見ると、しっかり上振れをつくって試合を終えた
ベンチから出たブラックシアージュニアをはじめ、上澤や河田も役割を十分に発揮。チームプレーで勝利を飾った広島は、千葉戦の悔しさをバネに勝利を掴んだ

この勝利をどれだけ継続できるかどうか?今季は京都に3勝も、個々の能力が高い選手がいるだけに、組織的に集中力を持って戦いきりたい一戦になりそうだ

両チームのメンバー編成

京都ハンナリーズ
HC:ロイ・ラナ(2年目)

■選手(継続)
水野幹太
小西聖也
マシュー・ライト
青木龍史

■新加入(IN)
岡田侑大(信州から加入)
前田悟(川崎から加入)→現在負傷中
澁田怜音(新潟から加入)
チャールズ・ジャクソン(横浜から加入)
ラシード ファラーズ(千葉から加入)
ケビン・ジョーンズ(SR渋谷から加入)
半澤凌太(三遠から加入)
鈴木悠介(山形から加入)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入)
シェック・ディアロ(NBA復帰から再加入)11月にリリースあり12月の島根戦で復帰

■他チームへ移籍、引退、契約満了など
ジェロード・ユトフ(横浜へ移籍)
小澤智将(横浜エクセレンスへ移籍)
久保田義章(三河へ移籍)
満田丈太郎(福井へ移籍)
トビンマーカス海舟(千葉へ移籍)
ザック・モーア(アースフレンズ東京Zへ移籍)
益子拓己(川崎に練習生として参加)
小室昂大(東京八王子へ移籍)
エペウドゥ(引退)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入→新潟へ)

一方の広島の今季のメンバーです

広島ドラゴンフライズ
HC:カイル・ミリング(3年目)

■選手(継続)
寺嶋良(現在負傷で離脱中)
朝山正悟
アイザイア・マーフィー
船生誠也
ケリー・ブラックシアー・ジュニア
上澤俊喜
中村拓人
ドウェイン・エバンス
ニック・メイヨ

■新加入(IN)
山崎稜(群馬から加入)
ロバーツ・ケイン(ストーニーブルック大学から加入)
河田チリジ(10/26に契約合意)※帰化申請が今季認められた
武内理貴(12/11に特別指定選手として加入)
三谷 桂司朗(12/19に特別指定選手として加入)2019-22,2022-23シーズンも広島でプレー経験あり

■他チームへ移籍、引退、契約満了など
カイ・ソット(横浜へ移籍)
辻直人(群馬へ移籍)
佐土原遼(FE名古屋へ移籍)
井手拓実(東京Zへ移籍)

京都との対戦でいえば古巣対戦の寺嶋が京都に凱旋という部分を楽しみにしていたブースターの方も多かったはず
先日千葉戦での負傷で現在は離脱中なので帯同は難しい状況ですが、中継などを通じてエールを送っているはず

寺嶋選手はnoteでも現状の想いを綴っています

両チームに所属する選手の縁を紹介すると
京都のCJは2021-22シーズンは広島でプレー

水野や半澤と同じく福島県出身の船生は京都の前田と青山学院大学で共にプレー(船生が先輩)さらには富山でも共にプレー(2018-20)
岡田と前田と上澤は富山で共にプレー(2020-21)

半澤と三谷は筑波大学の先輩後輩で共にプレー(半澤も当時キャプテンを務めていた)

河田は2022-23シーズン京都でプレー
そして寺嶋は2019-20シーズンから2年間京都でもプレーし、プロデビューのチームが京都でもある

特に今季は大勢のファンブースターが京都市体育館に足を運んでいるため、そうした変化を間近で感じて欲しかった方もいるかもしれない

前節も広島のチームメイトが寺嶋にあてたジェスチャーを試合後示したように、両チームにとって縁ある選手同士のコミュニケーションや行動も楽しみな部分の1つだ

過去の対戦成績(京都3勝・広島11勝)リーグのみ

今季は広島のホームで3度対戦し3連勝
そして2021-22シーズンから数えて現在広島は対京都戦8連勝中

京都は2022年の2月2日以来の勝利を目指します

2023-24シーズン(広島3勝)

広島 91-57 京都  2023.11.04
広島 86-75 京都  2023.11.05
広島 83-70 京都  2023.12.06

12月の一戦では京都の岡田が20得点(3Pを4本)5アシストを記録
広島はエバンスが19得点、8リバウンド、9アシストと多方面で活躍を見せた
バイウィーク明け、広島は寺嶋の負傷した部分をチームで埋めて戦いたい

2022-23シーズン(広島4勝)

京都 74-81 広島  2022.11.30
広島 102-95 京都  2023.03.15
広島 92-76 京都  2023.04.01
広島 76-63 京都  2023.04.02

2021-22シーズン(京都1勝 広島3勝)

広島 85-70 京都  2021.10.23
広島 85-77 京都  2021.10.24
京都 82-80 広島  2020.11.11
広島 94-73 京都  2021.04.10

2020-21シーズン(京都2勝 広島1勝)

京都 76-94 広島  2020.11.11
広島 59-99 京都  2021.04.10
広島 73-78 京都  2021.04.11

京都は対広島戦は現状8連敗中。今季の最初の試合では点差をつけられ悔しい敗戦もあった
ただ、そこからGAME2は修正も見せ、12月の一戦では見応えのある対戦を見せてくれた
広島はCS進出に向けて1勝でも多く積み重ねて最終版に臨みたい
同地区対決。負けられない一戦に注目していきたい

個人的な見どころ

今季3度目の対戦。お互いの特徴は理解している中で、直近の試合も含めて注目したいポイントは3つ

①PG対決(岡田VS中村)
②3Pの攻防(広島は継続、京都は修正)
③インサイドの攻め方と守り方

①PG対決(岡田VS中村)
広島にとって寺嶋の負傷離脱は大きな影響となる。ただ、チーム一丸で戦うという新たな大義にもなり、ここからの奮起や寺嶋選手自身の復活も楽しみな要素になる
そのPGという部分で期待がかかるのがフィジカルもある中村の存在だ
前節の佐賀戦では前半終了間際に3Pを決めるなど、寺嶋とはタイプは異なるが持ち前の良さを発揮した一戦だった

175センチの寺嶋と比較して184センチの中村はサイズの部分でアドバンテージは取れる。寺嶋のスピードやアシスト力、3Pも魅力だが、中村も積極的なアウトサイドシュートと、守備面での貢献度は大きい

そんな中村と対峙する京都のエース岡田は今季チームの柱として活躍
189センチの高さもあり、アシスト平均は6.7回でリーグ3位
タフな守備にあっても周囲と上手く連携しながら自ら得点も取れる
お互いに20代とまだまだ未来のある選手同士、このマッチアップと攻守のせめぎ合いに注目したい

②3Pの攻防(広島は継続、京都は修正)
京都は前節琉球に多くの3Pを沈められ相手にリズムをつくらせてしまった
今節の広島はデータ上では京都よりも1試合あたりの3Pの試投数と成功数は多い(京都が8.4/25.5で32.9% 広島は9.2/28で32.7%)

昨季の広島のチームでの成功率は36.2%と今季より高く、広島は良い守備というベースがあるだけにこの成功率をより高めていきたい
前節の佐賀戦のように、内と外を上手く使いながら、フリーをつくって良いリズムで外のシュートを多くの選手が決めきりたい

一方の京都は守備面で外のシュートに対し厳しくチェックに行く部分もだが、ボールの経由を円滑にさせないようチームで上手く守りたい
広島は決してアシスト数が多いチームではない(1試合平均16.8回でリーグ20位)が、個々の能力も高く、最終的に決めきる力を持っている選手も多い

直近の試合では中村が千葉戦のGAME2、そして佐賀戦と5アシストを記録
プレータイムの伸びた中で役割をしっかりと果たす事ができているため、その継続と京都はボールの出所をしっかりと抑えていきたい

そして高確率で3Pを射抜けるジョーンズ、ライト、前田、岡田、青木といったプレイヤーの奮起に期待がかかる。特に先日誕生日を迎えた青木や、負傷から復活してプレータイムも伸びている前田が勝負所を外のシュートを決め続ける事ができれば、自分たちのリズムをより長くつくることができる

③インサイドの攻め方と守り方
今季の京都はペイントエリアでの得点は平均35.3得点でリーグ10位
総得点のうち半数近くいがインサイドからの得点であり、ここに強みを1つ持っている
CJやディアロといった個の強さに加えて、周囲に活かされるプレーヤーたちがチームで得点を取り切る事ができるかどうか。そして、このインサイドから外にボールを供給できる事で攻撃のリズムも変わってくる

今季の広島は相手のTOから平均で15得点(リーグ9位)と、持ち前の良い守備からの切り替えで得点を記録
インサイド勝負では帰化選手の河田というアドバンテージもあるが、押し込まれる前の部分で相手に優位性を持たれないポジションに追いやりたい
インサイドへのパス供給や、入った後の対応などで相手の得点を抑えて、そこからの切り替えで得点に繋げていきたい

京都は広島の粘り強い、規律のある守備を崩す事ができるかどうか?そして広島は良い守備から攻撃に切り替えて得点を取り切る事ができるかどうか?そのプロセスや、試合の中でのアップデートにも注目したいと思います。3月20日(水)祝日15時5分からかたおかアリーナ京都での一戦

現地やバスケットLIVEでお楽しみください!


この記事が参加している募集

Bリーグ

仕事のコツ

with 日本経済新聞

サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。